表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染Vtuber、暴走するってよ  作者: 日陰浴
激唱編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/159

記念配信には厄介を添えて。

皆さんが違和感を持つかもしれないので補足です。日本では某動画サイトのスーパーチャット機能は2017年、メンバーシップ機能は2018年に始まりました。作中では2018年なので、こんな扱いとなりました。

     <配信が始まりました>


「ご機嫌いかが皆々様!延暦寺 小町です!」

「どうも。収益化が決定したのでいよいよ逃げられなくなったなぁ、と思っている本能寺 我炎です」


『よう、狂人ども!グアムぶり!』

『↑ひでぇ扱いで草。それはそうと収益化おめでとう!』

『収益化おめ!』

『意外と遅かったな』

『スパチャ解禁してないのか?』

『ありゃ、投げられない』

『↑そーゆー設定にしてんだろ?』


 収益化。ある一定の条件を満たす事で、動画や配信に広告をつけるなどしてお金稼ぎができるようになるというもの。スーパーチャット、通称スパチャと言われる投げ銭機能や、メンバーシップと呼ばれる視聴者への特典など様々な種類がある。が、コメントが言ってるように、俺達はそれらを投げられないように設定していた。


「収益化が遅くなったのは俺が『やりたくねぇ!』って言ったからだな」

「本能寺はVtuberを辞めたがってるしね〜!ま、その野望は断たれたんだけどね!」

「やっばい。こいつをすっごい殴りたい。その通りなのが特に腹が立つ」

「嬉しい!殴ったらもうそれは求婚だよ!」

「••••けど殴ったらこれだし、なぁ•••••••••••?」


『ああ、辞めるに辞められなくなるってやつか』

『まぁ金もらって仕事する訳だしな』

『そんな事気にせず申請したらいいのに』

『そうそう。延暦寺が壊す物の修理費ぐらいに考えたらええんや』

『↑その修理費の額、馬鹿にできない値段になりそう』

『俺らが知ってる物でも、壁、窓、ドア、グラウンドがあるからな』

『壁 15〜60万 窓 10万 ドア 2万 グラウンド(の人工芝) 8000万〜』

『↑うっわぁ••••(引)』

『実際値段にすると生々しい••••というか額が桁違いなんだけど••••?』

『俺らのスパチャで足りるか••••?』

『↑無理やろ』

『殴ったら求婚••••パワーワードすぎん?』

『野生動物かな?』

『殴ったら求婚。ここに延暦寺の格言が増えたのだった』


「リスナーの皆がまともで助かる••••てかそんなもん格言にするな!?」

「リスナーもいいって言ってるんだし!解除しよーよ!スパチャ!」

「こいつもこいつで••••」


『いつもお疲れ様ですw本能寺w』

『いいや!限界だするね!』

『↑何が限界なんだよw』

『というか本能寺と延暦寺はメンバーシップしないのか?』

『↑メンバーシップってつい6月に始まったばかりのアレ?』

『↑そうそう。リスナーがお金を払ってチャンネルのメンバーになるやつ』

『確か特典が貰えるんだっけ?』


「この配信ではスパチャを解禁しない。絶対。後は••••あー、メンバーシップは今の所やらないかな?この制度が始まったのって最近だろ?昔からある制度なら兎も角、新しいものだからさ。もうちっと様子見をしてからやろうと思ってる」

「••••新しい••••一番乗り•••••先駆者••••ハッ!今からやろう!」

「おい何録でもない事考えてやがる」

 やらねぇぞ。絶対。


『それはそう』

『様子見はしておくべき』

『どれぐらい特典付ければいいか分からんもんな』

『本能寺がちゃんと日本人の思考回路してて安心した』

『延暦寺がアップを始めました』

『↑やめてこないで』

        ◆◇◆◇◆

「話は変わるが、結局今回は何をするんだ?収益化記念配信にしろ、報告が終わったらただの雑談配信だぞ?」

 話がひと段落つくと、俺は美納葉にそう問い掛けた。

 美納葉は待ってましたと言わんばかりに、気色の悪い笑みを浮かべる。どこぞの悪役みたいな笑い方である。正直ドン引き。

「"待"ってたぜェ!!この"瞬間(とき)"をよぉ!!」

「あー嫌な予感」


『嫌な予感』

『うーむ、延暦寺がまた何か突拍子もないことし出しそう』

『順当なのは告知とかだよな。順当なら、な』


 完全に自分のワールドに入った美納葉は、俺を置き去りにして高らかに叫ぶ。

「ホラー雑談だッッッッ!!!!!」


 少しの間が空き、俺は口を開いた。


「いやなんで?」


『本当何でだよw』

『ホラー雑談を記念配信でする奴がいるとは思わんかった』

『突拍子の無さなら全Vtuberの中でもトップだよあんたは(感心)』

『ホラーをメインにしてる訳でもないのにホラーを記念にするとは豪気な』

蛇梅塚(じゃばいずか) ムムム『ホラーだって!?』

『来ちゃったよ••••ホラーがメインコンテンツの奴』

『ムムムくんやんけェ!?』


「ホラー雑談と言っても何するんだよ?俺達今まで心霊現象みたいな体験したことないだろ?」

「そうだね!だから今回は有名な怪談話をしようかな!」

「ほほう。お前にしては比較的まともじゃあないか」


『延暦寺の存在自体が怪談みたいなものでは••••?』

『↑シッ!言っちゃいけません!』

『ああ、行っちゃいけない場所みたいな?』


 美納葉はコメントを見るや否や目を輝かせる。

「行っちゃいけない場所••••!いいね!」

「あーだめだ、目覚めちゃった」

        ◆◇◆◇◆

 それから数十分程時間が経った。

 怪談が飛び交うのだ。さぞかし、恐ろしい配信になるのだろうと思いきや。

「犬鳴島!」

「犬鳴村だな。島ってなんだよ」

(いなな)き村」

「なにを嘶いてんだ。牧場か?」

(うそぶ)き村」

「何を嘯いてんだよ」

「頂き村」

「高山地帯?リャマいる?」

 ホラー雑談配信は大喜利会場と化していた。


蛇梅塚 ムムム『ど う し て こ う な っ た』

『ホラーかと思いきや大喜利大会な件。』

『嘶くなwそして嘯くなw』

『いや草』

『収益化記念配信かと思えばホラー雑談配信で、そうだと思えば大喜利配信。訳が分からねぇ』

『延暦寺がボケたら本能寺が速攻で突っ込む。いい漫才だ』

『コンマ0秒で反応する本能寺も怖えよ。』

『随分牧歌的な怪談ですね』


「インディアン村」

「ただのアメリカ大陸なんだけど!?あとネイティブアメリカンな?」

「どっちも同じだしいいじゃん?」

「そーかなぁ••••?」


『ネイティブアメリカン』

『インディアンとネイティブアメリカン•••インディアンはコロンブスがインド人と間違えた時の呼び名。ネイティブアメリカンはその後に呼ばれ始めた呼び名』

『↑知識人ニキナイス』

『ほえぇ••••勉強になる』

『もう何の配信かわかんねぇよw』


 視聴者も混乱している。勿論俺もだ。

 それに、配信時間も二時間を超えていい加減に飽きてきた頃合いではある。

 何十分も過ぎたのだ、もういいだろう。

 俺は手をパパンと打ち鳴らし、配信の流れを元に戻す。

「流石に大喜利し過ぎだ。時間も時間だし、枠をそろそろ締めようか」

「え〜やだ!もっとするぞ私は!」

「諦めろ。期末テストももうすぐだろう。勉強しないと」

「私やらなくても大体90点台だし」

「チッ、馬鹿な天才はこれだから••••!」

 俺は駄々をこねる美納葉を縛り、猿轡を噛ませた。、、、、よし。これで落ち着いて締めに入れる。

 最近は配信の最後に猿轡を噛ませておく様にしている。そうすればスムーズに配信を終わらせられるからだ。


『え、延暦寺頭よかったのか••••!?』

『嘘だろあの延暦寺が••••!?』

『↑Vtuber学力テストでは高得点やったやろ?そういうことや』

『驚愕してるとこ悪いけど、もうすぐ本能寺が締めに入るぞ?延暦寺が猿轡されたし』

『猿轡で配信が終わることが分かる様になってきた。怖い』

『↑延暦寺と本能寺の日常だ。安心しろ』

『あー、締めって言っても告知ぐらいだろ?テストがあるから配信頻度が減る的な』

『告知かぁ••••VOMKとかかな?やっぱ』

『↑今回は沢山のVtuberが参加するらしいからな』


「リスナーが俺の味方だ。••••あーそうだね。そろそろ期末テストがあるから配信頻度が低くなります。ご了承下さい。VOMK••••は知らないな」

 最近、VOMKという単語をよく見かけるようになった。何かのイベントらしいが一体全体なんなんだろうか?以前、美納葉に一度それとなく聞いてみたが、興奮して暴れ出すばかりだったので結局知らないままである。

 一息吐く。

 パソコンの横に置いてある時計を見やる。いくら日の長い夏でも外が真っ暗闇になる時間帯、それを針が刺していた。

「じゃあ、そろそろ配信を終わりm「••••ぷは!••••••VOMKやるぞッッッ!!!!!」

 そうして配信の流れのまま、締めの言葉を切り出そうとした時だった。

 かつてないほどの声量で、美納葉が叫んだ。

「馬鹿なッ!?今回は猿轡を特別硬く取り付けたんだぞッ!?」

 俺は目をひん剥く。

 それを美納葉は無視して、再び叫ぶ。

「私達はッッ!VOMKにッッ!参加するッッッッ!!!!」


『ファッ!?』

『速報 延暦寺・本能寺、VOMK参戦』

『本能寺さんや本能寺さんや、その台詞はバトル漫画なんよ』

『あっれぇぇ••••?』

『このパターン懐かしいなw』


「じゃ!配信を終わります!まーたーねー!」

「えっ、ちょ、待てや延暦寺———ッ!?」


      <配信が終わりました>

        ◆◇◆◇◆

 こうして俺は、また厄介な出来事に巻き込まれたのであった。

最後まで読んでいただき、感謝です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ