AIKOKU式実写配信活劇 戦場は爆発だ!
<配信が始まりました>
「ニイタカヤマノボレ!やぁやぁ諸君!大和魂は猛っているか?大和 ムサシだ!」
「臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。AIKOKU大日本帝国支部所属のあきつ 隼であります。本日は実写であります」
「Sieg Heil! 裏切り者には電動ノコギリを!バルツァー・タッフェローグだ!」
「祖国に響く尺取り虫!ルガー トグル!」
「あなたの心にバグラチオン!カラーシュニコフ・アレフチーナよ!」
「バルバヤット・トビリャーヴィチだ。我らがレーニンに栄光あれ!」
「こんこん〜!トワイライトプロダクション、ライバーズ所属!なんでぼくがいるのかが分からなくてヤケクソだよ!そんなぼくの名は神凪 ハマ!」
「ご機嫌いかが皆々様!延暦寺 小町です!今日はAIKOKUさんとコラボ!」
「どうも、バーチャル配信者なのに実写とはこれいかに、というツッコミはし飽きた本能寺 我炎です。えーこの配信はAIKOKU公式チャンネルが大変らしいので、バルバヤットさんのチャンネルでしてます」
『指』
『!レボノマヤカタイニ』
『독도는 우리 영토(独島は我が領土だ)』
『日本果然應該滅亡(日本はやはり滅ぶべきだ)』
『忘記南京事件了嗎(南京事件を忘れたのか)』
『↑中韓のAIKOKUファンさんこんにちは』
『Sieg Heil』
『Sieg Heil!』
『Ураааа!』
『こんこん〜』
『風景的に射撃場••••?•••••••••••いや何で?』
『この濃い連中に紛れても違和感のない延暦寺と本能寺は何なんだよw』
『ハマちゃんがこの中でまともすぎて浮いてる』
『↑何だと!ウチの本能寺がまともじゃないって!?』
『↑事実まともじゃねぇだろ』
『↑確かに』
『というか、指人形かよw』
配信画面には射撃場を背景に、俺達の指人形が写っていた。随分とシュールな絵面である。指人形の訳は知らん。AIKOKU組が用意してた。射撃場は••••うん、時を遡るまでもないだろう。AIKOKU組が貸切で予約してて、何も知らないままほいほい連れてこられた、以上である。
「何で俺は射撃場に来て人形劇をしてるんだ」
「だよな本能寺くん!射撃場場に来たなら銃を撃たないとな!」
「違う、そうじゃない」
俺が言いたいのは、『何で射撃場に来てるのか』と『何で人形劇をしているんだ』という意味であって、別個なんだよ。断じて『射撃場に来て銃を触ることなく、人形劇をしているのか』ではないんだよ。••••ああもう。頭がこんがらがってきた。
そもそも普通の高校生が射撃場に行くのだ。その異常性を理解してくれ、AIKOKUさん。
◆◇◆◇◆
なんやかんやあって、場所を移動した後、配信が再開される。
••••したのだが。
「ヒャッハー!撃つぜー!超撃つぜー!」
あきつさんの様子が非常におかしかった。
彼は据わった目で、銃を構えて的に向かって乱射している。轟音が響く。
この前の学力テストの時に配信を見ておいて良かった。それがなければ今頃どうなっていたか。
けれど、事前情報を知らなかった夕は目をひん剥いた。
「何なのこの人ォ!?」
「あきつはトリガーハッピーなんだ!いつものことだから安心していいよ!」
大和さんが諭した。
「安心できるか!?」
夕が若干性格を崩壊させながら突っ込んだ。これに関しては夕に完全同意だ。
『おっ画面戻った』
『草』
『早速トリガーハッピーしてて草』
『あきつさんw』
『そうそう。いつものこといつものこと』
『いつものこと••••?』
『ハマちゃんがご乱心してらっしゃる』
『ハマちゃん、キャラキャラ』
『それでも声が銃声に負けないように、ちゃんと声を張り上げてるところを見るに「配信者だなぁ」って思う』
「誰かこの人止めてくださいよ!?」
「いや〜無理無理」
「この状態のあきつくん止めたら撃たれかねないし」
「それでも止めるのが同期の職務でしょ!?」
「私同期といっても海軍だし?陸軍を止める筋合いないし?」
「こんな時に陸海軍の不仲を理由にするなよ!?というかあんたら結構仲良いだろ!?」
『大和さん••••』
『確かに撃たれかねないなw』
『陸w海w軍w不w仲www』
『海軍としては陸軍の提案に反対である』
『↑逆ゥ』
『実際にこいつら仲良いよな』
『↑一緒にカラオケで軍歌配信してるしな』
『なんなら一緒に何回も旅行してる』
『↑てぇてぇ••••!』
『↑AIKOKUってカップリングあったんだ••••』
俺達がわーぎゃー言っている間にも、あきつさんは銃を乱射する。
因みに、乱射と言ってる割には的には殆ど命中している。この人何者だよ。
すると、ぴたりと銃声が止まった。弾切れになったようだ。これで静かになる。
かに思えたが、
「全軍ッッ!突撃いいいいぃぃぃッッ!!!!」
銃剣を小銃に装着して窓に向かって飛び出した。いや何してんだあの人。ドイツ組もロシア組も射撃を始めているから非常に危険である。
勿論、店員さんがすぐさま止めに入る。
「お客様!?何してるんですか!?危険ですよ!?」
「弾がないなら銃剣があるッッ!!!!!」
「何言ってんですか!?弾が当たりますよ!?」
「鉛玉に当たるなど日本男児の名折れ!」
「クレイジー!?」
マジで何してんのこの人。店員さんに迷惑かけないでくれ本当に。そっちの方が日本男児の名折れだよ。
『誠に草』
『この人普段は比較的落ち着いてるのに、銃持った瞬間メーターが右に傾くんだから』
『↑元から右だろ』
『インストラクターさん••••ごめんやで』
『ていうかドイツ組とロシア組は?』
『↑多分射撃してる。後ろから銃声が響いてるし』
『銃声的にDP28とGew43かな?』
『↑何で分かるんだよ』
『↑こえーよ、ホセ』
『てかその中に飛び込むの怖え』
『インストラクターさんが止めるのも納得の理由で草』
◆◇◆◇◆
その後、何とか俺がロープであきつさんを縛り上げて事なきを得た。
「くっ、殺せ!」
「あんたが言うと女騎士じゃなくて、日本軍の腹切りになるんだけど」
「洒落にならないよねぇ••••」
『くっころ』
『腹切りしそう』
『本能寺的確』
『大和殿の方が洒落にならないんですがそれは?』
『実際海軍より陸軍の方が人命優先だったし、海軍側の大和殿の方がぽんぽん腹切りしそう』
「何言ってるのだ?腹切りは罪を償い尽くしてからするものだぞ?」
「あ、一応するにはするんだ」
「それはそうと、本能寺くん。君は撃たないのか?延暦寺ちゃんはもう撃ってるぞ?」
「えっ!?マジっすか!?」
首を超速回転し、近くにいるはずの美納葉を索敵する。
数分掛かって、やっとこさ美納葉を見つけるとそこには。
「爆発は芸術だ!」
とか言いながら手榴弾を投げていた。それを言うなら「芸術は爆発だ!」だろ。ただの爆発大好き戦闘狂になっちまうじゃねえーか。••••ん?案外言い当て妙かもしんない。
『ばくはつだ!』
『ばくはつだ!』
『ばくはつだ!』
『げいじゅつだ!』
『↑これまた懐かしいものをw』
『べらぼうな夢がありそうですね』
『自分の運命どころか全世界に盾つきそうな勢いなんですけど』
「コメント欄が古いんだけど••••」
「流石AIKOKU。年代がバグってる」
「おや?神凪ちゃんも銃に手を掛けてないじゃないか?折角だし、撃たないか?」
「そんな軽いノリで言うことじゃねぇよ。ふざけんな」
「大丈夫大丈夫!日本でも銃所持ぐらいできるからさ!私もしてるし」
「資格持てるのは20歳ぐらいからだろうが」
「薬物みたいなノリで銃を勧めるな。世紀末ですかここは!?」
『本能寺着眼点そこ!?』
『銃所持の年齢で突っ込むやつ初めて見た』
『ハマちゃんのツッコミが正常な日本人のもので安心した』
その後も俺達は、配信中に何度も銃を勧められることになるが、毅然と断り続けるのであった。
最後まで読んでいただき、感謝です!




