デトロ!開けろイト市警だ!(inグアム)
注意:作者は平和主義です。
というかAIKOKUの会話書くのめちゃくちゃ時間かかるんですが••••?ウィキペディアなかったら大変なことになってましたよ••••?
「少しでもまともと思った俺が馬鹿だった」
「馬鹿だ。僕は馬鹿だ。」
「あのー?夕さん?何故に『こころ』?そしてK?」
やめとけ。漱石先生があの世から魔法棒で化石にしに来るぞ。
結論から言うと、AIKOKU組はやっぱりまともじゃ無かった。
俺は目の前の光景に目を薄め、夕の方は背けて、現実逃避している。
それもその筈、
「ここが我が国の兵が鬼畜米兵と鎬を削った大宮島か!」
「ええ大和さん!ここが重要拠点、大宮島ですよ!」
「おお〜!大宮島!」
これである。その後も高射砲が〜やら、7月8日〜20日やら、艦砲28764発〜やら、水際〜やらとてもやかましかった。あっ、現地の人が変な目で見て来てるじゃん。恥ずかしい。
「大宮島ってなんだよ。グアムだろここ」
「それな?ここグアムだよね?それに大宮島なんて場所知らないし」
日本支部組(と美納葉)がひどく興奮した様子で会話をしている。俺と夕は訳が分からない、と顔を見合わせた。
「ああ、大宮島ね。日本軍が統治していた頃の名前だよ」
「アーソウナンデスカ」
「タスカリマシタ、ルガーサン」
「なんか棒じゃない?」
「「ソンナコトナイヨ」」
全くためにならないことを覚えてしまった。
••••帰る頃には忘れることが出来たらいいなぁ。
遠い目をしている俺達に気付いたのか、美納葉がこちらに近づいて来た。
「オーケー千隼!旅行楽しくないの?」
「俺はGo○gleかよ。••••はぁ。楽しいも何もねぇよ。普通だ普通。というか何だよこの旅行」
「グアム旅行」
「思想強い面々の中で?」
「うん!」
「楽しい旅行とは」
「私は楽しいよ?」
「あーうん。ソウダネ。お前はそうだろうね」
そもそも、「楽しそう」と思わなかったらお前は来ないだろ。
美納葉が夕の方を向くと、首を傾げた。
夕はそれに少々••••いや、結構歯切れ悪く返答をよこした。
「夕ちゃんは楽しくないの?」
「うーん、そうだねー?独創的••••な?旅行かなぁ?」
「やったー!」
独創的な旅行ってなんだよ。
けれど美納葉はその回答に満足したのか、今度はドイツ支部の連中の方へ向かって行った。
スーツケースを何処ぞの大佐がロケットランチャーを担いでいる風に走る美納葉を横目に、俺は溜息をついた。大丈夫?背景で\デェェェェェェェェェェン/とか鳴ってない?••••というか、あれでよく肩を壊さないな。
夕も俺につられたのか、溜息をついた。
「褒めてないんだよなぁ••••」
「大丈夫だ夕。こいつはいつもこうだから」
「うん。知ってる。••••てかあのねぇ?私が千隼達とどれだけの付き合いだと思ってんの?」
「確かにな」
互いにくすりと笑う。
人の心とは現金なもので、少しの微笑みで疲れやら、怒りのトントン拍子やらが打ち止めになる事がある。
現に、俺たちもさっきよりは気分は前向きだった。
「ま、頑張って楽しみましょうやー」
「頑張って楽しむって何だよ?」
「さぁ?」
「ま、とりあえず。何十年か前にフェードアウトしてる人達を現代に呼び戻しましょうか?」
「そうしようか。あのままじゃホテルのチェックインの時間に遅れちゃうし」
二人して日本支部の連中を見やると、声を張り上げた。
「はよ来てくれませんかねぇー!?」
「チェックイン遅れるよー!」
俺達は地味に暑いグアムに来たのだった。
◆◇◆◇◆
ホテルのチェックインを済ませ、部屋の鍵を貰った俺達は、各々の部屋の階へ向かう。
勿論、美納葉達と一緒の部屋な訳がない。男性四人と女性五人で別々に部屋を予約してあるらしい。因みにだが「すみません何かの手違いで••••部屋が〜」といった出来事は起こらなかった。というか起こってたまるか。あんな奴らと一緒に雑魚寝したくねぇわ。
「女の子しかいないからって、夜這いしちゃダメだぞ?」
「するか殺すぞ。お前こそ絶対来んな」
「えーやだー!」
コイツ••••!?
••••よし。これは今夜中に要塞化を進めるべきだな。
俺はもう止められない事を悟り、夕の方を見た。
「後は頼んだ」
「任せて」
夕が力強く頷く。おそらく美納葉の起こした地獄を見ていた女だ。面構えが違う。••••まぁ同時に地獄開発の第一人者だけど。
◆◇◆◇◆
ホテルの部屋は男性四人が使っても十分広く、各々がのびのびと過ごせそうだった。
「へぇ〜!案外大きな部屋を予約したじゃん!ソ連君!」
「あのねぇバルツァー君?いい加減ソ連君って呼ぶのやめてくれない?バルバヤットって名前があるんだけど?」
「それVtuber名じゃん••••」
「まぁまぁ、良いではないですか」
うーん••••今の所、会話は不穏な感じではないな。リアルでは思ったより平和な人達なのかも。
そう思っている時だった。
「さて」
「では」
「始めるであります」
ん?
真剣な口調に変わったAIKOKU三人組に何処となく不安感を感じていると、唐突に三人が声を揃えて大声を発した。
「「「第128回ッ!各国軍事力論争ッ!」」」
「何それェ!?」
コンマ一秒で叫び声に近い何かを出した俺に対し、三人はきょとんとした表情をした。おい「どうしたどうした急に」みたいな顔をするな。俺は正常だぞ。
「何って••••ねぇ?」
「そのまんまであります」
「各国軍事力論争だけど?••••ま、学生のノリみたいな感じだな!」
「「「ねー!」」」
「••••」
いやそんな「みなさんご存知」みたいなテンションで。というか学生のノリで何でそんな物騒な会話になるんだよ。全国の学生に謝れ。そして俺にも謝れ。
俺が内心でツッコミをマシンガンのように激しく撃ち込むのとは対称的に、三人組は穏やかな空気で論争を始めた。
「いやーやはり我がドイツ国防軍が一番だろう」
「何ですと!?海軍力が高い訳でもないのに一番などと妄言も程々にしてください!」
「そっちこそ紙装甲の戦車しか作れないではないか!それと比べティーガーを筆頭とする我らの戦車は圧倒的だ!」
「紙装甲とは失礼な!帝国陸軍の戦車は対歩兵用なのです!用途を考えてから物を言いなさい!それに貴軍の航空機は広大な太平洋戦線は毛程も役に立たないでしょう!」
「それこそ運用思想の違いではないか!」
「おいおい••••我がソビエト軍を忘れてはいないかい?」
「「アメリカの戦闘機のガラスの透明度に驚いていた国が何を言ってる!」」
「仕方ないだろう!その時はまだ透明度の高いガラスは作れなかったんだから!」
「他国は作れたであります」
「うるさいうるさいこの枢軸ども!粛清するよ!」
「お前が言うと洒落になんねぇ••••」
「大☆粛☆清」
••••あー•••••••••••だめそう。
何というか、この人達がヤバイって言われる理由の深淵に触れた気がする。
"思想の強いキャラクター"なんじゃなくて、素で思想が強い人達なんだわ。
通常、Vtuberは多少は声やキャラクターを作って成り切るものだ。それがこの人達には一切無い。因みに美納葉も無い。どうしてコイツらは自身を曝け出そうとしてるんだ。もっと隠密しろよ。
どんどん苛烈になっていく論争を横目に、俺は関わらないように、関わらないようにと、部屋の一番端のベッドに潜り込んだ。
◆◇◆◇◆
ベッドに潜り込んだはいいものの、AIKOKU三男子はの会話は煩くなる一方で、とても休めたものじゃなかった。
誠に遺憾ではあるが、話が収まるまで俺は部屋から出る事にした。
机に無造作に置かれていたカードキーを手に取り、ノブに手を掛けた。
カードキーを翳すと、ガチリと音がして、腕に伝わる抵抗感がなくなる。
「はぁ••••外に出たら少しはマシになるだろ••••」
軽い頭痛を覚えながら、ノブを引くと、
「やぁ!」
「来ちゃった♡」
部屋の前にルガーさんと美納葉が居た。
ぱたん。
俺は扉をそっと閉じた。
ドンドンドン!
扉を殴りつける音がする。
俺は扉を突破されないように、扉に背中を押し当てた。化け物が殴りつける度にぐわんぐわんと揺れる。
くそっ!このままじゃ突破される!
そう思うと、俺は一か八か会話で奴らの意識を逸らそうとした。
「何で来たんですか!?というかどうしてそんなに力が強いんですか!?」
「お前の身体を抱きしめるためさ!」
「どこの"赤ずきん"だよ」
あとこのシチュエーションなら、どちらかというと"狼と七匹の子山羊"の方が正しいだろ。
「アケテーオカアサンヨー」
「心を読むな!?てか、お前チョーク飲み込んでないだろ!」
「流石美納葉ちゃん!旦那のことはお見通しってことか!」
「怖ぇよ!?」
どうやって心読んでんだよ!?それに心読めるなら俺が嫌がってる事も分かるはずだろうが!
「うん!」
「だから心読むなって!?••••てか今『うん』つったよなぁ!?分かってるなら辞めてくれ頼むから!?」
「僕は嫌だ!」
「こっちの方が嫌だよ!」
美納葉が不協和音に恐れるぐらいになってくれたら助かるんだけどなぁ!?
「私は私らしく生きていく自由があるんだ」
「ならそれ俺にもありますよねぇ!?都合よく歌詞改変すんのやめてくれねぇかな!?」
あとお前の場合ノイジーマイノリティだからな!?
そう内心絶叫しながら、俺は震度7レベルで揺れる扉を押さえつけるのだった。
最後まで読んでいただき、感謝です!
ご報告です!今まで作中で「・・・」だったのが、「•••」にすることができました!これから修正を入れていきます!
あとメリークリスマスです!




