表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染Vtuber、暴走するってよ  作者: 日陰浴
企業編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/159

キャラ渋滞のVtuber学力テスト 国語編

     <配信が始まりました>


 待機時間という緞帳(どんちょう)が上がると、ダムが決壊した後の水のように声が溢れた。


「さぁさ皆ちゃん皆く「ご機嫌い「ニイタ「臨時ニ「こんえ「米食「閑居とい「翅は生え「そんなぼくの名は神凪 ハマ!」

「あ゛〜・・・・うるせぇ!いっぺんに喋るな!お前らは発情期のカエルか!?」


『初手うるさくて草』

『ちょいちょいちょいちょい!?』

『いやいやいやうるさいうるさい』

『同時に挨拶しだすなw』

『カオスw』

『Ich bin gekommen, um es mir anzusehen(視聴しに来ました)』

『독도는 우리 영토(独島は我が領土だ)』

『日本果然應該滅亡(日本はやはり滅ぶべきだ)』

『忘記南京事件了嗎(南京事件を忘れたのか)』

『コメ欄も大概カオスだなぁおい』

『↑AIKOKU名物怒涛の多国語』

『発情期のカエル的確』

うたて カエル『私そんなにうるさくないもん』

『カエルちゃんおるやんけ!?』

『よう見とる』

『本人!?』

『いやまぁカエルちゃんは美声だから・・・・』


「カエルちゃんおひさー!」

「カエル殿お久しぶりです」


うたて カエル『ムサシちゃん隼くんおひさー』

『AIKOKU組と知り合いなんか?』

『まぁカエルちゃんは最古参勢だから。古参勢のAIKOKU組と関わりぐらいあるさ』

『↑確かAIKOKU組の曲を作ったんだっけ?』


 AIKOKUの面々がコメント欄に出現したライバーとそのまま会話を続けようとするが、このまま話が脱線してはかなわない。

 俺は手をパパンと叩き、流れを遮るとコラボ相手に声を掛ける。


「一人一人!一人一人順番に挨拶をしていってください!」

「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」

・・・・俺って保育士だっけ?

 思考回路が逆走を始めそうなのをグッと堪え、ライバー達を促す。


「米食え〜。どうもコメ=クエです」


「裸足で潜ろう海の底。灰被りな現実は目を背けてさ。やぁ、ボクは海中乙女のアトレイア!・・・・ミナトくん久しぶり!ところでうちの子にならない?」


「さぁさ皆ちゃん皆くん皆様!お立ち合い!影縫 ミナトだよ!今日はコラボだね!アトレイアちゃん!久しぶり!その申し出は丁重にお断りするよ!」


「翅は生えてる!アゲアゲ行こう!アノトガスターです。あ、今日のおやつはゴキブリとカメムシコーラでーす」


「閑居という名前なのに、世俗から離れられないかむなでーす。徒然過ぎてつれぇわ。テスト嫌い」


「こんえし。景風でごしゃす。こんな新人がこんな所にいていいのじゃきろうか?」


「こんこん〜!トワイライトプロダクション、ライバーズ所属!ぼくは現役高校生だからね!負けないよ!そんなぼくの名は神凪 ハマ!」


「ニイタカヤマノボレ!やぁやぁ諸君!大和魂は猛っているか?大和 ムサシだ!」


「臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。AIKOKU大日本帝国支部所属のあきつ 隼であります。本日は学力テストであります」


「ご機嫌いかが皆々様!延暦寺 小町です!」


「では最後に。・・・・どうも。正直ツッコミと司会を同時にするのは無茶だと思っている本能寺我炎です」


『面子が濃すぎる』

『濃度よ』

『アトレイア殿が早速ミナトくんを養子にしようとしてる・・・・』

『↑懐かしいやり取りやな!』

『そういえばアトレイアは影縫と同時期にデビューしたんだっけ?』

『↑せや。コラボも何回もしてる。その度にアトレイアがミナトくんに養子になるように迫るのよ。それが面白くてなぁ・・・・』

『アラサー男(ボソッ』

『↑おいやめろ!アトレイアは女だ!』

『バ美肉おじさん(ボソッ』

アトレイア=マルーン『お願い赦して』

『なんで目の前で配信してるのにコメ返信するんだよw』

『相変わらず酔狂なものをお好みなようで』

『速報 アノトガスターちゃん、今日のおやつゴキブリとカメムシコーラ』

『↑普通やな』

『なんか風景画が混じってない?』

『↑新人の景 風くんやな』

『うわぁ!山がうにょ〜って!?山がうにょ〜ってなった!?』

『↑景 風が喋った時になる現象やな。気にするな』

『いや気にするやろ。てゆうか景 風の語尾つよっ!?』

『こんこん〜』

『こんこん〜!』

『ニイタカヤマノボレ!』

『!レボノマヤカタイニ』

『!レボノマヤカタイニ』

『本八日未明、AIKOKU日本支部はネットの海にて個人、他企業ライバーとコラボ状態に入れり』

『↑本当に八日なの何かのバグだろw』


 彼らが挨拶を始めるまでに数分の時間が過ぎたが、彼らも一端の配信者だ。一人が口上をスタートさせるとそれ自体は滞りなく進む。この切り替えの上手さが古参とされる所以だろう。

 一人、景 風という名前の新人Vtuberもいると事前に聞いていたが、すらすらと話す姿はとても新人とは思えない程だった。というか俺らも先輩にカテゴライズされるのか・・・・?何かの間違いだろ。まだデビューして三ヶ月そこらだぞ。

 俺はVtuber業界とはかくも流れの早いものだったのか、と感じ入りながらも、司会を始めた。


「では、初めに国語と英単語のテストの回答を発表する。先に言っておくが、非常に頭のおかしな回答となってる。国語だからか点数は全員割と高かったが、ちょくちょくあたおかな回答があるからそこを晒す」


「えー!」と驚いたような声が響くが、俺にはその感情が理解出来ない。

 俺はわーきゃーとうるさい人達を無視して、今回の配信の方式を説明していく。


「今回の配信は、回答を晒す形だ。基本的に正解者は名前が呼ばれなかった人と思ってくれていい。あと、撮れ高的につまらなかった問題は取り上げない。虚無配信はリスナーが嫌うからな」

「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」

「・・・・さっきから俺が引率の先生みたくなってんだけど。誰かこの苦労手伝ってくる人いないの?副担任的な人急募」

「いなーい!頑張れ本能寺!」

「延暦寺この野郎。後で決闘だ。覚悟しろ」

「つまり求婚!」

「俺は野生動物か何かか?」


『最初は国語と英単語か・・・・』

『他教科と比べるとまだ楽な方かな?』

『本能寺不憫タイムだ!』

『本能寺不憫タイム!』

『待ってました!』

『本能寺不憫タイム•••草』

『↑知識人ニキ知能落ちた?』


「・・・・まぁいいや、では最初に「ところで質問なんだが」

 俺が問題文を読み上げようとすると、大和 ムサシが割り込みを入れた。

「・・・・何ですか」

「何故私の用紙がピンク色だったんだ?」

「召集令状じゃねーかよ!?しかも末期の!」

 太平洋戦争末期の召集令状は物資不足により従来のような赤い紙では無く、ピンク色の紙となっていたのだ。

 ってそんなこと解説している場合じゃねぇ!?

「ちょっとミュートしまーす」

「え、ちょっ」

        ◆◇◆◇◆

 俺はミュートボタンをクリックすると、美納葉の首根っこを掴み、部屋の端まで引きずる。

「何で用紙を赤紙にした?」

「面白そうだから!」

「まじでやめろ!?思想系は燃えるんだよ!」

「AIKOKUは燃えてないよ?」

「あの人達は燃えてるのがデフォだからな?お前が気付いていないだけで」

「うそだぁ」

「本当だよ!あの人達の配信のコメント欄見てなかったのか!?」

 美納葉をある程度叱った後、俺は配信に戻る。

        ◆◇◆◇◆

「戻りました。時間を取ってしまいすいません。では早速、」

 配信画面に事前に作っておいたスライドを表示する。


≪Q 以下の単語を用いて文を作りなさい

 ①あたかも

 ②ごまをする≫


「はい。これでミスする人話あまりいないと思ったんだけど、テンプレのようなミスをした人がいます」

「いやぁ!こんなんでミスるなんて日本人失格だなぁ!」

「かむなさん、あんたです」

「WHAT!?馬鹿な!?俺は世俗から離れてるんだぞ!?」

「世俗の意味知ってる?」

「本能寺くん辛辣ゥ・・・・」

「では、回答。どん!」


≪閑居 かむな 回答

①お前は俺を意外とハンサムだと思ったことがあたかもしれない。

②胡麻をすってドレッシングを作る。≫


『これまた分かりやすい問題来たな』

『煽るなかむなw』

『相変わらず世俗に塗れてらっしゃる』

『悲報 かむな、非国民』

『草』

『wwwww』

『国語の教科書じゃねーかw』


「戸部くん!?」

「星の花が降りそう」

「"あたかも"は『〜のようだ』という意味で、"ごまをする"は『人に気に入られる、おべっかを使う』的な意味合いで使ったら正解とした。因みにかむなさんの①はアトレイアさんと影縫くんが言うように、国語の教科書に出てきた台詞だな」

「もういっそ殺して」

「今時こんなミスするとかw閑居も地に落ちたな!」

「そう言っているアノトガスターさん、あんたもだ」

「ファッ!?」


≪アノトガスター・ドラゴンフライ 回答

②護摩をする≫


『閑居が消え入りそうな声をしている』

『wwwww』

『www』

『アノトガスターw』

『煽っている奴がミスするのほんま草』

『悲報 アノトガスター、地に落ちる』

『違う、そうじゃない』

『護摩、違う』

『護摩•••ヒンドゥー教や密教で行われる儀式。火を起こしその中に供物などを放り込んでいく。語源はサンスクリットのホーマ。』

『↑知識人ナイス』


「もうこのミスは誰が見ても明らかなので、次の問題です。どん」


≪Q 漢字の読み方を述べなさい。英単語なら意味を答えなさい。

①baseball ②現 ③比 ④ flower garden ⑤憧憬≫


『英語と漢字の落差が酷い』

『漢字むずくね?』

『思ったよりテストテストしてた件』

『↑テストテストってなんだよ』

『マイクテストなんじゃない?(小並感)』


「これは漢字を難しく、英単語を簡単にした問題なのだが、何故か英単語もミスをしている人がいた」

「本能寺さん。そ、そいつは、だ、誰ですか?」

「閑居、若干声震えてるぞ。びびってる?」

「うるせぇ鬼畜米野郎」

「はいはい。静かに!本能寺くんが喋れないでしょ」

「「アトレイアにママみを感じるとか、世も末じゃん」」

「なにぃ!?」

「まぁまぁ、アトレイアちゃん落ち着いて。ね?」

「コメさん・・・・ボクの養子にならない?」

「俺もうすぐ45歳なんだけど?というか、アトレイアちゃんの方こそウチ来ない?最近米農家も人手が足りなくて・・・・」

「悲しい米農家の現実」

「・・・・あの、もう言っていい?」

「アッハイ」

「こほん。えーその人物は、コメ=クエさん、大和 ムサシさん、あきつ 隼さんです」

「結構いるな!?」

「まじか・・・・私が間違いとは・・・・」

「悔しいです」

「因みに、大和さんとあきつさんがぶっちぎりにやばい回答です。御三方の回答、どうぞ」


≪コメ=クエ 回答

①バセバ11 ②いま ③くらべ ④田んぼ ⑤わらべけしき≫


≪大和 ムサシ 回答

①⬛︎⬛︎⬛︎(敵性言語) ②うつつ ③たぐい ④⬛︎⬛︎⬛︎(敵性言語) ⑤しょうけい≫


≪あきつ 隼 回答

①野球 ②うつつ ③たぐい ④⬛︎⬛︎⬛︎(敵性言語) ⑤どうけい≫


『閑居に若干トラウマできてて草』

『アトレイアは女だぞッ!(迫真)』

『↑アラサーおっさんなんよなぁ・・・・』

『速報 コメ=クエ、アトレイアの養子レースに参戦』

『養子返しやめてw』

『大和、あきつ・・・・英単語・・・・ハッ!(理解)』

『回答どん』

『誰だよバセバ11』

『ゴル○13みたいにやるなよw』

『コメさん!?花畑は田んぼじゃないよ!?』

『敵 性 言 語』

『大和さん・・・・野球ぐらいはいいだろ・・・・』

『分からなかった英単語を片っ端から敵性言語にするなw』

『あんたら最近の配信で英語の敵性言語は婦人会のせいって言ってたダロォ!?』

『あきつが野球だけちゃんと回答してるのが・・・・もう、ね?』


「何だよこの回答?」

「「「申開きもごさいません」」」

「えーっと、とりあえず正答を。①が"野球"、②が"うつつ"、③が"たぐい"、④が"花畑"もしくは"花園"、⑤が"しょうけい"又は"どうけい"になる」

「AIKOKU日本支部の方らは漢字は全問正解じゃろめろき」

「景 風さんの言う通り、AIKOKU組は漢字コンプリートしてる。まぁ英単語を敵性言語にするのはアウトだから意味ないけど・・・・ってか、景風さんの語尾可変式なんだ?」

「「ドヤ!」」

「なお英語」

「「やめてくれ神凪、その術は俺に効く」」

「話続けるけど、コメ=クエさんは全問ミスだな」

「中卒でごめん」

「別に責めてるつもりはないんだが・・・・。というか、まだまともなミスのしかたしてくれてるし」

「本能寺くん優しいね!ウチの養子になって?」

「何なのこの人?・・・・まぁいいや、コメ=クエさんのやばいミスは①と④ぐらいか?バセバ11と田んぼ」

「①はそのまま読んだだけで、④は分からなかったからとりあえず田んぼにしたな」

「11じゃねーんだわ。LLなんだわ」


『wwwww』

『草』

『おーいAIKOKUー。ドヤるなー』

『そういえばコメ=クエって中卒だったな』

『↑確か中学で祖父の後を継いだんだっけ?』

『ならしゃあないな』

『また養子w』

『LLってw Tシャツかよw』


「まぁ、国語での珍回答はこんなもんです。他の記述問題は皆さん割とできてたからな。まぁ、AIKOKU組は思想強めだったけど」

「平均ってどれくらい?」

「・・・・あのさぁ?延暦寺さん?俺にそんな暇あったと思う?」

「それを本能寺が何とかするんでしょ!」

「しばくぞ」

 第一に、俺達のような学生は学業が最優先だ。それも含めて考えて欲しい。・・・・まぁ、その学業も美納葉に邪魔されるから正直意味無いんだけど。

「平均ねぇ・・・・」

「確かにボクも気になるかも」

「ぼくも」

「はぁ・・・・計算とかしてねぇけど、多分65ぐらいあんじゃねぇの?」

「割と高いな?」

「まぁ、漢字とかそこらのミスが多かった印象だな。それと、さっき言った通り、記述は割とできてたしな」

「へぇ〜・・・・あ、そうだ!一番高得点だったのは誰だ?」

「延暦寺だな」

「「「「「「「「「なんて?」」」」」」」」」

「延暦寺だな」

「おいちょ待てあいつが?」

「うっそだろ」

「延暦寺は頭はいいからな。馬鹿だけど」

「頭バグるなぁ・・・・」

「そんな馬鹿なであります」

「フッ・・・・私の実力を思い知ったか!」

「皆が言外にお前のこと馬鹿にしてるってこと分かってる?」


『へぇ、高かったのか、意外だわ』

『平均65・・・・高めか』

『うせやろ!?』

『延暦寺が!?』

『あのぶっ飛び頭が!?』


「コメントの気持ちも分かるが、とりあえずこれで国語の結果発表を終わる。次は理科の回答を発表する予定だ。じゃあ、準備をするので五分程休憩タイムに入るぞ」


 俺は配信画面を待機背景にし、次の準備に入る。

最後まで読んでいただき、感謝です!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ