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幼馴染Vtuber、暴走するってよ  作者: 日陰浴
デビュー編
3/131

新・Vtuber-幼馴染暴走-レッツゴー!初配信

時系列としては2018年の5〜6月ごろです。

 配信が始まる前のコメント欄

『今度の新人はコンビらしい』

『おっ百合か⁉︎』

『いやBLの可能性も••••』

『早くも腐の香りがして草』

『あぁ百合の音〜』

『なんか白昼夢を見てる人多くね?』

『てぇてぇはよ』

『水素のやつ混ざってて草』

神凪(かんなぎ) ハマ『新人漁りタイムだァァァァ!!!』

『ハマちゃんwwwww』

『相変わらず新人漁りしてるの草』

『個人勢の方にも来るのかよあんたw』

『wwwww』

『大手の企業勢が来てやがるwwwww』

『プレッシャーで死なないかな?』

『↑大丈夫だろ』

『限界オタク状態はよ』

神凪 ハマ『わくわく』

『期待値上昇中』

『頑張れ新人(純然たる善意)』

『↑全くもって善意がなさそうで草』


 大手の企業勢が来てたりしたが概ね好印象のようだった。


「ぽちー」

「あああああァァァァ!!!!!?」

 押しやがった!?コイツとうとう押しやがった!?

「はいマイクつけて!」

「ぐはっ」

 無理矢理ヘッドセットを頭につけられる。痛え。

 せめてもの抵抗に画面に映らないポジションに逃げるがそれも虚しく画面の前に引きずり込まれる。

「はよ座れや」

「やりたくねぇ。まず許可してねぇ•••••」

「まぁまぁそう言わずに!先っぽだけ!先っぽだけだから!」

「じゃあ髪の毛の先だけ映るわ、そして喋らないわ」

「先っぽじゃなくてしっかりいこっか♪」

「あっコイツ反論する言葉持ってなかったな?」

「ほら!待機時間終わるよ〜」

「スルーしやがった」



「初めまして〜新人Vtuberの延暦寺 小町です〜」

「こんにちは。無理矢理連れてこられた本能寺 我炎です」


 始 ま っ て し ま っ た 。

 グッバイ俺の平穏。••••でもよく考えたら平穏なんて今までなかったわ。

『男••••だと!?』

『男』

『男は帰れ』

『氏ね』

『このリア充が』

神凪 ハマ『初手燃えとるw』

『別に男女ぐらい••••やっぱり爆ぜろ』

『そして禿げろ』

『↑どっかで聞いたことあんだけどw』

『無理矢理だ?ふざけるな!』

『よく見たら男の方ハイライトなくて草』

『絶対嫌がってただろw』


「••••なんか燃えてない?俺、要らなくない?」

「あれ〜おかしいわね〜••••コンビは話題性があると思ったのだけど••••」

 首を傾げるアホ幼馴染。 

「いや知らねぇよ••••こちとらVtuberの存在知ったの昨日だからな!?」


『理不尽で草』

『まさかの無知』

『女子に選ばれるとか、氏ね』

『コメントの方が理不尽かもしんねぇ••••』


「ところで••••そのキャラ何?お嬢様?」

「私は昔からこんなのですわよ」

「絶対嘘だ。本当のこと、言ってみ?」

「ウソデスアバレタイデス」

「ほーらな」

「••••そんなことより早く設定解説しろや!」

「化けの皮はがれたな」


『早くもキャラ崩壊してるw』

神凪 ハマ『男の方超冷静で草ァ』

『ハマちゃんからは好印象のようです』

『他の人からは?』

『よーし、戦争だ』

『ろくでなし!』

『しね』

『くたばれ』


「あーありがとうございます。コメ欄のみなさん。『よーし、戦争だ』『ろくでなし!』『しね』『くたばれ』上から読んだら『よろしく』ですね」


『その解釈は無かった』

『そうはならんやろ』

『↑なっとるやろがい!』

『メンタル強靭で草』


「舐めんな?コイツの奇行を四六時中止めてるんだ、こんくらいなんてこたぁねぇ」

「ちょっと!私そんなに奇行してないよ!」

「昨日大安売りのパソコン値切ろうとしたの誰だったっけ?」

「それって何か変?」

「うっそだろお前」


『うっそだろw』

『まじかよガワとキャラ合ってないやん』

『いや案外合ってる』

『よく見ろ!スポーツウェアだ!』

『↑活発キャラってことね!成程!とりあえず男氏ね』

『↑脈絡isどこ?』

『理不尽ェ』

『草』


 何故か美納葉の反応は良いらしい。••••え、何で?女尊男卑なのこの世界?早くも闇を知ってしまった気分なのだが••••。

 コメント欄に書き込まれていたガワという言葉はVtuberの皮、つまりキャラ画像のことらしい。俺はこれをさっき教えられた。

 因みに俺のガワは、黒髪に赤メッシュ、黒いウィンドブレーカー風の服といった黒ずくめのスタイルだ。••••てか誰だこのイケメン。

 美納葉のガワは、黒髪ロングに青メッシュ、白いスポーツウェア風の服、俺と対比された形となっている。••••見た目は美納葉の面影があるのか?電話だけで性格を見抜くとは、イラストレーターさん恐るべし。

 イラストレーターさんの底力に戦慄していると、一つのコメントが流れ込んできた。


ソハル『事情を知らずに描いてごめんやで••••本能寺くん』

 

「ママぁ!!!!!」

「え、誰!?」

 それを見るや否や、大きな声を出す美納葉。

「超大手イラストレーターのソハルさんだよ!私たちのガワを描いてくれたの!」

「え、教えてもらってないんだけど!?遅くなりました本当にありがとうございます!それと悪いのはこのアホなんで大丈夫です!」

 この界隈ではガワを描いたイラストレーターをママと呼ぶらしい。


『ソハルさんが描いてたのか!?』

『ガワとか言うなよ生々しいw』

『まじかよ神絵師じゃん!?』

『それを知らない本能寺•••••』

『爆発しろ』

『くたばれ』

神凪 ハマ『え、マジで知らされてなかった感じ!?』

『そしてソハルさんに謝らせたとか••••』

『さっさと消えろ!』

『もう辞めちまえ!』

『女子の方だけでいい』


 コメント欄を見た限りでは、ソハルさんはかなり有名な絵師みたいだ。

「あの〜すいません、神凪ハマさん••••でしたっけ?••••どなたかは存じ上げないんですが••••本当に知らなかった感じです。••••マジで無理矢理引っ張られてきて」

「この業界って男女で配信するだけで燃えるんだ!初めて知った!」

「うっそだろ延暦寺ィ!?お前!?何で"Vtuberになろう!"とかほざけたの!?ねぇなんで!?」

 久しぶりにコイツの行動で動揺してしまった。画面内の俺のアバターが超高速で首を振る。あ、ライブ2Dって基本首から上しか動かないのか〜ってそこじゃない!


『神凪 ハマを知らないとか••••燃えたな』

『挨拶配信なのにこの炎よ』

『ハマ推しを敵に回したな』

神凪 ハマ『本能寺は苦労人だったのか••••』

『お二人はどんな関係性ですか?』


「えーとね!幼馴染!」

「馬鹿ァ!?炎上の種ェ!?そこはスルーしろよ!?」


神凪 ハマ『なんか可哀想••••頑張れ』

『何やら苦労人の匂いが••••』

『まぁ幼馴染だししょうがない』

『今日は祭りだ!』

『燃やせー!』

『爆破しろー!』


「本当にコイツが失礼致しました!謝罪文書かせますんで!改めて挨拶は行うつもりです!それでは!」

 アバターには特に影響が無いと知りつつも、咄嗟に美納葉の頭を無理矢理下げさせる。

因みに、コイツは事の恐ろしさをまだ分かっていないようで、

「え〜!まだ始まったばかりじゃん!」

と、配信を続けようとする。

 このままではやばい。俺は急いで配信終了ボタンを押し込む。

「馬鹿!炎上が始まったんだよ!」

   <配信は終了しました>


 翌日、何故か俺だけプチ炎上した。

 解せぬ。

最後まで読んでいただき、感謝です!

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