表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/17

プロローグ(1)

初投稿です。ゴールデンウイーク中に思いついたネタなので、温かい目で見守ってください。

  プロローグ(1)

 


 6月15日、上条龍一かみじょうりゅういちは息子の上条空ソラの誕生日を祝うために仕事を早く切り上げ、龍一は雨の降りしきる中、会社を出た。車に乗り込みエンジンをかけると、彼は独り言をつぶやいた。


「急に雨降りやがって…せっかくの息子の誕生日なのにな」


 愚痴を零しながら視界の悪い中、車を走らせていく。先ほど妻の愛里から「ケーキ屋さんの前で待ってる」とメールが届き待ち合わせのケーキ屋に向かう。

 十数分後、目的の場所に到着するとケーキ屋の前で雨宿りをする妻が、あっちもこちらの存在に気付いたようで車が停止した瞬間ときお腹に何かをかばう様に助手席に乗り込んでくる。見るとお腹にはケーキの箱を抱えていた。案の定、車に乗り込んだ愛里がボヤく


「はぁ~さっきまで晴れてたのにお店から出たらありえないくらい降ってびっくりしたよ~」


 溜息をこぼす愛里に龍一は話しかける。


「お疲れ様。ケーキは大丈夫?」


「うん!ちゃんと濡れないようにガードしたから!それより~私よりケーキの心配ぃ?」


「イヤイヤ…ケーキと張り合うなって……」


「フフッ、冗談よ。さぁ!早く帰ろうっか!」


「はいはい…」


 ゆっくりと車を走らせた龍一は視界が悪くなっていたため、スピードを抑えながら運転する。そんな姿を察してか愛里も話しかけもせず大きな雨音だけが響く、そして十字路の信号が赤になり車を停止させると愛里が話かけてきた。


「それにしても、今日早かったね?」


「うん。ソラの為に今日の分は早く終わらせた。」


「まったく…いつもこれくらい頑張ってくれればいいのに…」


「ぜっ…善処します…それにしても今日で十歳になるのか…早いな」


「……本当ね……あともう十年で二十歳……大人になっちゃうのか」


「子供の頃は、十年なんて長く感じられたのに大人になったらこんなにも早く過ぎるんだな」


「ほんと……ソラを産んだのがつい最近だった気がする」


 微笑みながらも複雑そうな表情をする愛里を横目に青信号となった道路をもう一度走り出す。


「あっ……そう言えばソラの誕生日プレゼント買った?」


「うん、買ってるよ。今後ろの座席に…………………………


 ガーーーン!!!!と大きな音と衝撃が体を襲った、次は永遠にも感じた浮遊感と再度数回に渡る衝撃、それは悪天候による視界不良。右片車のトラックが赤信号と車に気付かず直進そのまま衝突してしまった不運であった。しかしそれは過ぎたこと…結果のこったのは大破した乗用車が一つ。


「ぐ……」


 朦朧とする意識の中で、助手席にいるはずの妻に視線を向ける。そこには血まみれで潰れたケーキの箱を抱えた愛里があった。そんな妻が呟く……


「リュウぅ………………ソラ……………………」


 そのまま静かになる愛里。


「愛里……………………ごめんな……ソラ………………」


 意識が遠のく中、龍一はそう呟いたまま、龍一と愛里はその場で息を引き取った。

 辺りは、車のブザー音と大破した車両に打ち付ける雨音だけが響いていた。


誤字・脱字の指摘。評価がありましたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ