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自由気ままにいきたい少女と魔王  作者: 潮見不可
魔界の王城(魔王城)生活
4/8

よくわからない人

少し、今日は長め

4.




「まぁ、「聖女」なのかと聞かれたら、是と答えるほかないのだけど」

「だけど‥‥?」

「一つ、訂正させてほしんだけど、私は別に聖女と名乗っているわけではない」

「‥‥‥」



一度、話を止めて紅茶を飲む


ん、美味しい



「周りが言っているだけだと」

「そう」

「だが、お前は確かに光魔法が使えるだろう?」

「‥‥‥」

「私もそう、伺いましたが」



本当に聖女ではないのか


男とラーラ(二人)表情()がそう、雄弁に語る



「まぁ、使えるには使える」

「ならば、聖女としか言いようがないだろう」



聖女であるならば、何も問題はない


そういって男は無理矢理に話の流れを止め、立ち上がる



「陛下‥」

「ラーラ、お前はこれから聖女の世話係だ

 ある程度の自由は許可するが、余計なことはさせるな。王城から出すことは許さぬ」

「‥‥承知いたしました」

「なにやら、気になる口ぶりだが、お前が聖女ならば良い」



かしこまるラーラにそれだけを告げ、部屋から出て行こうとする男をレナータが引き留める



「ねえ」

「なんだ」

「あなたは、魔王?」

「そうだ。今更なんだ」

「そう。わかった」

「‥‥では、俺はこれで失礼する

 聖女よ、くれぐれも余計なことはしてくれるな」



男は不思議な色合いの紫の瞳を鋭く細め、レナータに忠告する



「もし、なにか怪しい真似をしたら殺せられることもやむおえない思っておけ」

「‥覚えておく」



レナータの言葉に今度は何も反応を返さず、男はふっと背を向け去っていく


よくわからない人だな


髪は重厚な黒銀(くろがね)を思わせる真っ直ぐな黒髪

瞳はまじりあうよ前のような赤と青の紫眼

端正な顔立ちながらも冷えた表情

黒を主としたマント付きの衣装。ところどころに使われている赤が良く映え、“魔王”の名にふさわしい格好だった


一言で言うと、カッコ良かった


でも、感情がよくわからないというか、何を考えているのかよくわからない人だった

さっきまでは怒ったり、呆れたり表情豊かだったのに‥‥


なんなんだろう



「‥‥‥」



もやもやとした気持ちを抱えながら、レナータはボスッと寝台に寝転ぶ


もういいや、寝よう

疲れた



「お疲れですか?」

「うん‥‥もう、ひと眠りするね、ラーラ」

「わかりました

 おやすみなさいませ。良い夢を」



ちょっと寝すぎだろうか、という気持ちは疲れと眠気の前にはひどく無意味だ



「‥‥すぅ‥すぅ」



よっぽど疲れていたのだろうか、驚異的な寝つきの良さで、レナータは本日、三度目(?)の夢の世界へと落ちていく



「‥‥‥」





こうして、もやもやとした気持ちと謎を残しながら、聖女(レナータ)と魔王の一度目の邂逅が終わった


カッコよく終わらせるって難しい‥‥‥

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