ここ、どこ?/とりあえず、眠いので寝る
初作品。初投稿
細々と書いていきたいと思います。どうぞよろしく
1.
ゆっくりと意識が浮上し、うっすらと瞼から透ける光の感覚に眉をしかめながら、少女は身を起こす
「‥‥‥‥」
そして、少女はパチパチといくらか瞬きをして、あたりを見回す
ここは‥‥どこだ?
少なくとも私の家では絶対に無い
というか、私、普通に家の中で寝てたはずだよね
なんか、すごい豪華なとこだし
というか、なんかすごく小説であるあるな展開を体験しているような気がする‥‥‥
いや、本当にここ、どこ
う~んと少女は呑気に首を傾げ、わかんないと思考を放棄する
ボスッ
早々に諦め、再度、身を投げ出したベッドは柔らかく少女の身体を包み込み、再び眠りの世界へ誘う
眠くなってきた‥‥‥
いいや、寝ちゃおう。最近忙しかったし
ギィ カツカツ
うとうとと少女がまどろみ始めたその矢先、固く閉じられているかに見えた重厚な扉が開き、一人の男性が現れた
誰だろう‥‥
正直に言って、迷惑だ
少女は今、まどろみ始めたばかり。つまり、睡眠の中で一番心地が良いとこなのだ。邪魔をされたくない
その思いを体現するがごとく、少女の身体は寝の姿勢から変わることなく、まぶたもほんのわずかにうっすらと開かれただけである
「呑気なものだな。見ず知らずの場所で二度寝をする余裕があるとは」
ハンと意地悪気に男(?)は鼻を鳴らす。たぶん
あなた、誰?と少女は口に出そうとしたが、出なかった
身体はすっかり機能を停止し始めているようだ
「うん。‥‥‥ふっ」
「?」
なんかもうめんどくさくなってきたので、適当に男が話す内容に合わせて――そもそも、そんなに話してない――口から空気が漏れる音で頷いておいた
あ、これ以上は無理だ。限界
開始して数秒足らずで、少女の意識はまたもや途絶えようとする
「‥‥おやすみ‥‥‥なさい‥‥‥‥」
「は、おい!」
途切れ途切れのおやすみの挨拶に男が焦って起こそうとするも、少し遅かった
「スー‥‥スー‥‥‥」
「おい!‥おい‥‥本当何なんだこいつ‥‥‥」
少女は穏やかに寝息を立て、寝台に転がっている
その姿に男は心底わからないといったように角が生えた額をおさえ、はぁ、とため息を漏らした
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