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三話 創造神、冒険者ギルドに入る①

 さて、降りたはいいが、どの方向に行けば街に着くのかが分からなかったなぁ。

 周りは鬱蒼とした木ばかり、ここは森のようだ。


≪個体名 シオンの起動を確認、【固有スキル 黙示録 固有名 エル】を発動しますか?≫


「ああ、頼む」


≪了承を確認、発動します。

 お久しぶりです、マスター≫


「久しぶりだな、エル」

≪マスター、周辺に生体反応を感知しました≫

「確かに何やら声も聞こえるなぁ。そっちに行くか」

≪これまで同様サポートは任せてください≫

「頼りにしているぞ」


 ・・・


「~~~~~」

 だいぶ、近づいてきたな。声がだんだん大きく聞こえてくる。

 シオンはスキル 隠形を発動しながら近づく。


「グォォォォ――――――――――」

「まずいよ、オーガだ。あまり持ちそうにない。はやく逃げて」

「いや、ジータも一緒に逃げるの」


 ふむ、女冒険者二人がオーガ一匹に襲われているという状況か。

 とりあえず恩を感じさせて情報を取得とするか。

「あのー、そのオーガ殺していいですか?」

「はっ、はい。お願いします。すみません。助けてください」

「ふむ、では」

 オーガもこちらに気づく。

 体躯に見合った巨大な拳をかわし、オーガの懐に【スキル 縮地】で接近する。

 【スキル 宝物殿】から適当な剣を出して一閃。

 オーガを切った。


「ふむ、こんなものかな」

≪レベルが上がりました≫…

 …≪レベルが上がりました≫

 レベル1の状態だったため頭の中が少々うるさい。


「オーガが一撃で?!」

 剣を納刀して腰に装備をする。


「あっ、ありがとうございました。」「ん、ありがとう」

「私はジータといいます。Eランク冒険者をしています」

「キリハ、Eランク冒険者」

 ジータはボーイッシュな感じで、キリハはおとなしめの感じだった。


「俺はシオンだ」

 俺が振り向くと、キリハとジータは目を見開いて驚き、何故か急にしおらしくなった。

 よく見ると、頬を薄く朱に染めている。


「しかし、なぜ勝てない相手に挑んだのだ?」

「実は、ゴブリンを倒して帰る途中にこのオーガに襲われて」

「ん、危なかった」

「なるほど、しかしオーガはランクDの魔物、倒せたのではないか?」

「いやいや、オーガはランクCの魔物ですよ」

「ん?」

「「ん?」」

 なにか食い違っているな。怪しまれないように合わせておくか。


「そうだったか。オーガはランクCであったな」

「もー、そうですよ。そういう勘違いは危険ですよ。私たちが言うことじゃないかもしれないけど」

「ん~~」

「?、どうしたのキリハ」

「この人、空間魔術」

 と、キリハが俺を指さして言う。


「えっ! シオンさんは剣使ってたよ。それなのに魔術が使えて、しかも空間魔術までできるの?!」

「空間魔術くらい誰でも使えるだろ?」

 使ったのはスキルなのだが、空間魔術と間違えてしまっているようだ。

 わざわざスキルを開示した甲斐はあったみたいだ。


「使えませんよ!!」

「どちらにしろ手の内を自分から話はしないのが、冒険者だろう。そんなことよりオーガを回収して街へ行こう」

「そんなこと?! 他の奴らなら自慢してきそうなことだと思うけど」

「魔物、来ないうち行こ」

 よし、うまく街への移動を促せた。

 そして、オーガを回収して近くの街へシオン達は行った。


 ・・・


「ん? 検問があるのか」

「そりゃありますよ。ここは王都なんですから」

「ん、当然」

 そうか、王都の近くに転移できていたのか、俺。ここに来たのも久々だなぁ。

 列に並んで待っていると検問の人に呼ばれた。


「そこの三人、冒険者カードを見せろ」

「俺、持ってないぞ」

「えぇー、今時シオンさんは持ってないんですかー?!」

 ジータやキリハ、検問の人にも驚かれた。


「はぁー、今時冒険者カードを持っていないやつがいるとは。じゃあ、この玉に触れてくれ」

「これは?」

「これも知らんのか。これは称号に盗賊などが入っていないかを見る魔道具だよ」

 今度は呆れられた。しかし、便利になったものだな。俺がギルドを作った時は、ギルドカードなんてものは作っていなかったな。昔は、鑑定のスキルでささっと賞罰を視ていた。今は鑑定のスキル持ちが少ないのか? まぁ、これが時間の流れか。


「よし、なさそうだな。ちゃんとギルドで冒険者登録をするんだぞ」

「ああ、すまなかったな」

 忘れていたが、ギルドで冒険者達のステータスを鑑定しとかなければいけなかったな。


「早速、ギルドでシオンさんの登録をして、魔物の死体を売っちゃいましょう」

「ん、シオンのステータス、楽しみ」

 ふむ、普通はスキル 鑑定を持っていないのか。



 ・・・



 ジータとキリハと一緒に冒険者ギルドの正面に向かう。

 街中には住民や商人、冒険者が入り混じっている。レベルはなんと1~20程度と低すぎる。ちょっと高めのレベルの者も冒険者だったり実戦経験がある者だった。


 入って右手に会議ブースのような場所があり、ギルド職員らしき人間と商人らしき人が商談をしてる。


 奥には銀行のようなカウンターがあり、6つほどあるカウンターのうちの2つだけに受付の職員がいる。受付は、20歳ほどの可愛らしい女性と、眼鏡をかけた30過ぎの男性の2人だけだ。

 そして、何故か女性の方のカウンターが空いていて、男性の方が混んでいた。


 周りの男性冒険者ににらまれ、女性冒険者からは頬を染めて騒ぎ出した。

 近くにいた男が話しかけて来る。

「ここのギルドはCランク冒険者(中堅)が多いからな。坊主みたいに弱い奴は騒ぎに巻き込まれないように注意するか、他の支部に行った方がいいぜ!俺は、ジドって名前だ。お前は?」


「シオンだ。教えてくれてありがとよ」


 空いている女性の方に向かうと、

「あのかっこいい人誰だろう。王都では見たことないよね。服装もここら辺の国の服じゃなさそうだし」

「黒衣の子、頼んだらパーティー組んでくれるかなぁ」

「おい、ガキがあいつのとこにいくみたいだぞ」

「あーあ、オリガのやつの所はまずいだろう」

「あの男、何も知らないでこのギルドにきたな」

「ちょっと、あんたら、はやくあのイケメンくんに教えてやんなよ」

「知るかよ、ここはギルドだ。冒険者なら面倒事は自分で何とかするだろうよ」

 ふむ、聞こえる声に耳を傾けていると、こちらの女性は何かあるようだ。


「あっ、そっちは――――」

 ジータが何か言いかけていたが、そのままカウンターに行った。


「――――――――初めましてですね。私、担当させていただきますオリガと申します。本日は魔物素材の買取ですか、冒険者登録ですか?」


「初めまして。冒険者登録をお願いします」

 オリガさんが周りの女性冒険者同様、頬を染めてテンパり、早口で聞いてきた。


「あのー、お名前を聞いてもいいですか?」

「はい、シオンといいます。よろしくお願いしますね、オリガさん」

「はっはい! こちらこそ末永くお願いします」

「ん?」


 オリガさんと会話をしていると、後ろでギルドの扉が開き、

「おい、小僧。誰の女に手を出してると思っているんだ!!」

 いきなり筋肉のおっさんに絡まれた。


「前から言っていますが、私はあなたの女でもなんでもありません!」


「え! 何の関係もないのに彼氏面をしているんですか?!」

 あまりに驚いてしまって、つい言ってしまった。でも、どういう精神をしているんだろう。


 絡んできたおっさんがプルプルと震えて怒っているのがひしひしと感じる。


「とにかく、あなたは、この石板に触れてください」

「ちょっ、ちょっと待ってください」

≪エル、頼む≫

≪了解です、【スキル 鑑定】を発動し、ステータスの平均を表示致します≫

 俺は急いで近くにいた7人の冒険者のステータスを覗く。



 ステータス

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 [名前] 

 [年齢] 21~44

 [レベル] 17~40

 [種族] ヒューマン

 [職業] 剣士×2、斧士、弓士、魔術師、薬師、プリースト

 [HP]  2401~4007 

 [MP]  1105~5005

 [力]  1503~5001

 [器用] 1608~5002

 [敏捷] 1505~2801


 スキル 【剣術LV.2】、【槍術LV.1】、【斧術LV.2】、【弓術LV.2】、

     【風魔術LV.1】、【神聖魔術LV.2】、【解体LV.2】、【直感LV.1】、

     【瞑想LV.1】、【怪力LV.1】、【火魔術LV.2】


 [特殊スキル(エクストラ)] なし


 [固有スキル(ユニーク)] なし


 [耐性] なし


 [称号] 【剣士】×2、【斧士】、【弓士】、【魔術使い】×2、【修行僧】、

     【薬師】、【冒険者】×7


 [加護] なし


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 さすがに冒険者なので【スキル 解体】のレベルはまぁまぁ高いらしい。

 しっかし、レベルも何もかもが低いな。ここの冒険者の質が低いだけかなぁ?

【スキル 怪力】は絡んできたおっさんかぁ。このスキルがあるから誰も何も言えないわけだ。

【スキル 直感】はキリハが持っていた。珍しいスキルなのに、持っているとは運がいいな。

 おっ?










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