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十九話 創造神、王子(兄)に会う

 アリオットとシオンの決闘が終わり、学園は休日を迎えた。

 その休日を利用し、シオンは国王であるイスタールのもとに転移する。

 案内されたいつもの部屋に入ると、イスタールによく似た少年が寄ってくる。


「お前が弟たちの護衛をしてくれているという者か。本当にルーファスと同い年なんだな」


「ああ、そうだか、何か問題でも?」


「いやいや、護衛にしては若すぎると思っただけだ」

 青年は口の端をつりあげ笑う。


「お、もういたのか、アドニスも」


「お爺様、なぜこんな子供にルーファスの護衛をさせているのですか?」

 部屋に入ってきたばかりのイスタールにアドニスと呼ばれた青年が異議を唱える。


「子供というが、お前も彼の一つ年上なだけじゃぞ。まぁ、そんなことはこれから決まるのだからいいだろう。それよりアドニス、お前のところの騎士が彼に決闘を挑んだようだが、日程はいつだ?」


「明日」


「あ、明日か?! それは早すぎるのではないか? 彼にも準備というものがあるだろう」


「俺はいいぞ」

 シオンはアドニスの注文に賛成をするが、アドニスは顔をしかめ、不機嫌な顔になった。


「そうか、貴殿がいいならわしも賛成だ」


 アドニスは祖父の反応を見て驚く。

 子供だからというのもあるのかもしれないが、それでも王族が対等に話すことは不思議な光景であった。

 最初から謎だ。いくら目の前の子供が強くてもそれは子供の話、大人相手では相手にもならないだろう。しかし、祖父はこの子供を選んだ。

 さらには、貴族ではないようだ。貴族であれば高位の指導者に訓練をしてもらえるが、平民であればできない。

 そんな者を護衛にするなどどうかしてると思うしかなかった。


「俺はここで失礼します」

 アドニスが不機嫌そうに部屋を去っていった。


「すみませんな、初代様」


「何かあったのか?」


「ええ。次期国王の件で、アドニスには国王は向いていないと儂は思っていまして、先日それをアドニスに伝えたのですが、それからあのような状態になってしまったのです。今は自分の弟――ルーファスに何かしようと企む始末でして。まぁ、家族なのですから特に何かを仕出かすということもな

 いでしょう」

 いや、あからさまだろ。


「今回の事は?」


「今回は部下である騎士が勝手に暴走したことですから、アドニスは関係ないでしょう」


「ふーん。なんでそんなに国王なんかになりたいのかねぇ?」

 自分の王になった後のことを思い出し、ため息が出る。


「ははは。儂も同感はしますのぅ。国王になどなっても苦労が多くなるだけだというのに」


「そうそう。やっぱりさ、門から城の入り口まで長いよ。面倒なんだよ」


「そうですかな? 儂は気にしたことがありませんでしたよ。外には、馬車移動が基本でしたから。あれにも何か逸話が?」


「いや、大層な事があった訳じゃないんだ。みんながみんな、城は大きい方が良いって言っていたから釣られて大きくしてみたらやっぱり移動が面倒になっただけだ。でも、馬車かぁ。俺、馬車移動はしてなかったんだよ。基本転移だからさ。でも、客人の時なんかは馬車がないから徒歩移動になるんだよ」


「逸話で思い出したのですが、初代様の国王になった時の書物が代々受け渡されているのですが、これはいったい?」

 イスタールはそう言って本を取り出した。


「え!? 俺、そんなの知らないぞ? ちょっとこの本貸してくれ」

 俺はイスタールから本を見せてもらい、中身をチェックする。


「あぁー、この字はスヴァルトだ。あいつこんなものいつの間に書いていたんだよ。うわっ、本当に俺が王になった時のことが書いてんじゃんか。他は……」


「スヴァルト殿というと、初代様の従者の方の?」


「ああ、その時代の時も一緒にいた、というより、冥界の統率者がスヴァルトの成長のために送り出したんだよ。最初は俺に嫌悪感丸出しで時々攻撃をしてきたりしたんだが、途中でめっきりそれが止んでさ。代わりに俺に向けられる眼が輝いていた気がするんだよ」


「あのお方にそんな時期があったのですか。いやはや、何があったのでしょうなぁ」


「さぁな。本と言えば、まだあの本使っているのか?」


「ええ。あれこそ正しく国王を決められるものですからな。人では、環境や立場で揺らいでしまいますので。アドニスとルーファス、それからアリスにも使う予定でいます」

 あの本とは、王城の宝物庫に仕舞われている一冊の王の宝典。選定の剣とかじゃなくて本。


 王となることを望む者に資格があるのかを量る物。

 中身は白紙となっている。しかし、王の才がある者には閲覧が可能となる。ただそれにもまだ仕掛けがあり、その才を判定して見える部分が変わってくる。

 完璧な王としての資格がある者なら全て。それ以下なら、一部のみ。

 ただし、現王の許可さえあれば見ることはできる。だが、古代の文字で書かれているために翻訳は自分でしなければならない。かなり難解だ。


 それ以外にも王城から持ち出されるようなことが無いように防御系の魔術と反撃用の魔術が付与されている。それから、万が一にも持ち出されてしまった場合、本に仕掛けられている転移の魔術で元の位置である王城の宝物庫に戻る。


 その本に書かれている条件を満たす者こそ真の王であるとされている。

 ただそれでは、全ての王族がそれを満たせるとは限らないのでその条件内の過半数を満たせれば良いことになっている。


 何もこの本が絶対という訳じゃない。

 この本で選ばなくたって勝手に時代の王を決めてしまえば良い。この本を完全に満たした場合でも王にならなくたって良い。

 そう思っていたが、今でもその本が使われていた。


 そのおかげでこの国は長く繋ぎ、今も衰えることがない。上から腐ることがない。


「そうか。それは嬉しい事だ。ところで俺、学園でも決闘を挑まれたんだよ。何か絡まれない秘訣とかない?」

今も現役なことを聞き、つい笑顔になってしまう。


「そんなことを聞かれたのは初めてですよ」


「俺もこんなことを言ったことは初めてだよ」


「しかし、ルーファスの近くにいれば大丈夫なのでは?」


「入学の前にも言っていたな。だが、実際は近くにいることで絡まれるのではないか?」


「むむむ、では、圧倒的な力の差を見せつけるというのはどうでしょう?」


「それって大丈夫? 恐れられそうなんだが」


「物は試しですよ」

 シオンはイスタールとの会話を終わらせ、王都の家に向かう。


「お帰りなさいませ、シオン様」


「「「「お帰りなさいませ、ご主人様」」」」

 メネアとメイドたちが家の前でスタンバっていた。


「今日は全員そろっているんだな」


「はい、ようやく慣れてきたようで」


「ただいまー」


「「「「お帰りなさいませ、エインリオ様」」」」


「やっと訓練終わったんだねー、私と一勝負しないー?」


 エインリオは最近俺の決闘を見て、自分も戦いたくなってしまったのだ。


「では、私がお相手をさせていただきますわ」

 ゼノビアがエインリオに挑む。


「おーい、エインリオと戦うんだったら1人対5人でやった方がいいぞ。それなら2分はエインリオが遊んでいられる」


「なんと! では、我々も参加させていただく」


 そこにタイタンやライドウ、摩耶、さらにはウルまでもが参加した。


「実はですね、メイドたちを冒険者ギルドに登録させまして、魔の森にて訓練をしていたのです。ですので、彼らも自分の力を試したいと言っていたのです」

 メネアが理由を説明する。


 それ聞き、シオンはライドウたちを鑑定する。



 ステータス

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 [名前] ライドウ

 [年齢] 38

 [性別] 男

 [Level] 70

 [種族] 獣人

 [職業] 騎士

   [HP]  40103

   [MP]  13045

   [力]  8907

   [器用] 3841

   [敏捷] 6181


 [スキル] 【火魔術LV.2】up! 【剣術LV.4】up! 【体術LV.3】up!

      【威圧LV.3】up! 【礼節LV.3】up! 【怪力LV.3】【鉄身LV.1】

      【回避LV.1】new! 【瞬動LV.1】new! 【戦意向上LV.3】

      【騎乗LV.3】【騎乗戦闘LV.3】


 [称号] 【奴隷】【熟練騎士】【元騎士団長】【執事】


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 ステータス

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 [名前] ゼノビア・シルフェーン

 [年齢] 145

 [性別] 女

 [Level] 84

 [種族] エルフ

 [職業] 弓士

   [HP]  37603

   [MP]  13143

   [力]  10103

   [器用] 12345

   [敏捷] 10586


 [スキル] 【付与魔術LV.3】up! 【弓術LV.4】【解体LV.3】【索敵LV.2】new!

      【風魔術LV.2】up! 【鑑定LV.2】【跳躍LV.2】new! 【隠密LV.2】

【戦意向上LV.2】【疾走LV.3】【狩猟LV.3】【単独行動LV.2】



 [称号] 【氏族長の娘】【奴隷】【熟練弓士】【メイド】


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 ステータス

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 [名前] 椎名 摩耶

 [年齢] 22

 [性別] 女

 [Level] 55

 [種族] ヒューマン

 [職業] 勇者

   [HP]  11501

   [MP]   6202

   [力]   9005

   [器用]  3903

   [敏捷]  7402


 [スキル] 【瞑想LV.3】new! 【回避LV.3】new! 【危機感知LV.3】new!

      【地魔術LV.2】new! 【火魔術LV.3】new! 【省略詠唱LV.2】new!

      【MP回復速度上昇LV.2】new! 【礼節LV.1】new!


 [特殊スキル]【自動翻訳】


 [固有スキル] 【無限収納庫(インペントリ)】【武芸百般LV.3】up!


 [耐性] 【状態異常耐性LV.2】up!


 [称号] 【異世界人】【勇者】【メイド】


 [加護] 【転生神プロスの加護】


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 ステータス

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 [名前] ウル

 [年齢] 10

 [性別] 女

 [Level] 40

 [種族] 鬼人

 [職業] 暗殺者

   [HP]  5509

   [MP]  2604

   [力]  5107

   [器用] 2603

   [敏捷] 4308


 [スキル] 【奇襲LV.2】new! 【採取LV.1】new! 【隠密LV.3】new!

      【分身LV.3】new! 【夜目LV.1】new! 【瞬動LV.3】new!

      【武器破壊LV.1】new! 【暗殺術LV.3】new! 【索敵LV.2】new!


 [称号] 【奴隷】【暗殺者】【メイド】


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 ステータス

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 [名前] タイタン

 [年齢] 89

 [性別] 男

 [Level] 50

 [種族] ドワーフ

 [職業] 鍛冶師

 [HP]  6684

 [MP]  6183

 [力]  6626

 [器用] 6133

 [敏捷] 4139


 [スキル] 【武器作成LV.4】up! 【錬成LV.2】【威圧LV.3】up! 【抽出LV.2】

      【武器技巧LV.4】up! 【付与魔術LV.4】up! 【斧術LV.3】new!

      【武器強化LV.2】【精錬LV.2】


 [特殊スキル] 【職人の眼LV.3】


 [称号] 【奴隷】【鍛冶師】【執事】


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「ほぅ、だいぶ上がったな。全員がレベル40以上だな」


 ウルは勇者にあこがれていたはずなのだが、暗殺者になっていた。あこがれの対象が勇者からメネアの変わったのだろう。一応そこに勇者はいるんだがな。

 治療とかで人を助ける。から、悪徳を殺して被害を受けている者を助ける。に変わっている。


 ライドウたちもかなりレベルが上がって成長している。他のメイドの子たちもだ。

 最初に見かけた時に摩耶なんかは魔術が使えるようになってはしゃいでいた。

 だが、訓練の最後に見たのは戦場から帰ってくる戦士の風貌になっていた。

 メネアよ、お前はいったい何をしたのだ。


「そういえば、俺もワイバーンを倒してから自分のステータスを見ていなかったな」

 シオンは自分も鑑定する。




 ステータス

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 [名前] シオン

 [年齢] 10

 [Level] 56

 [種族] ヒューマン

 [職業] 魔術師 剣士 (最上位神)

   [HP]  20000(∞)

   [MP]  20000(∞)

   [力]  20000(∞)

   [器用] 20000(∞)

   [敏捷] 20000(∞)


 [スキル] 【剣術LV.5】【体術LV.3】【回避LV.2】【威圧LV.4】【鑑定LV.4】

      【隠密LV.3】【魔力感知LV.2】【縮地LV.3】【隠蔽LV.2〈LV.10〉】

      (偽装LV.2)【無詠唱LV.3】(思考加速LV.3)【気配察知LV.3】

      【料理LV.4】(防具作成LV.7)(鍛冶LV.10)(裁縫LV.10)

      【空間魔術LV.3】【風魔術LV.2】【召喚魔術LV.1】(全魔術LV.10)


 [固有スキル] なし (成長促進LV.10)(再生LV.10)(宝物殿LV.10)

           (ステータス異常成長LV.10)(黙示録(エル)LV.10)


 [権能] なし (創造)


 [耐性] なし (痛覚無効LV.5)(即死耐性LV.5)(雷属性耐性LV.5)

        (火属性耐性LV.5)(水属性耐性LV.5)(地属性耐性LV.5)

        (風属性耐性LV.5)(氷属性耐性LV.5)

        (闇属性耐性LV.5)(神聖属性耐性LV.5)(精神異常耐性LV.5)

        (状態異常無効LV.5)(魔術耐性LV.5)(物理耐性LV.5)

        (恐怖耐性LV.5)


 [称号] 【フェンサー】【メイジ】【竜殺し[下級]】【学生】(創造神)

     (武術を極めし者 仙人)(魔術を極めし者 賢者)


 [加護] なし(創造神アイゼンファルドの加護)(龍神カリオスの加護)

       (魔神タナトスの加護)(炎神ヴァジェの加護)

       (水神クリストの加護)(雷神メルの加護)

       (風神アリファールの加護)(大地神アドの加護)

       (時空神クロケルの加護)(幻神イグヴァの加護)

       (武神ミロクの加護)(邪神ケイムの加護)

       (生命神アイズの加護)(遊戯神ロキの加護)

       (破壊神ロイの加護)(賢神イヴの加護)(技能神メクアの加護)

       (商業神ムクの加護)(転生神プロスの加護)


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 やはりステータス異常成長は異常のようだ。数が多いと邪魔になるし減らすのも一興か。

 称号が増えている。ワイバーンを討伐したときに付いたようだ。


≪エル、いるか?≫


≪はい。なんでしょう?≫


≪使てみたかった固有スキルがあるんだ。【形態変化:刃身】ってできるか?≫


≪はい、出来ますが、急にどうしましたか?≫


≪前に勇者が使っていて面白そうだったからな≫


≪かしこまりました! 今回の旅はあまりつまらなさそうだったので、これでマスターが喜んでくれてよかったです!≫

 エルから喜びの感情を感じる。


≪まぁな、昔は強者もいて俺らは零からのスタートだったから強者を倒していくのは楽しかったな。今回は生物が衰退してしまったからあまり強者もいないようだしな。しかし、それもまたいいぞ。強者からのスタートはしたことがなかったからな≫


≪それで、明日の装備ですがどうしますか?≫


≪ボコボコにしようと思う。イスタールからも圧倒的な力の差を見せればいいと言っていたしさ。だから、不滅の聖剣デュランダルと幻想の書ラーグリフでいいだろう。これならちょうどよくボコボコにできるだろう、ちゃんとした騎士なら≫


≪了解しました。幻想の書ラーグリフを数々の宝物殿に探すよう通達しておきます≫


 シオンは多くの素材、道具など色々な物を持っているのだが、多すぎてインペントリでは何を入れた

 のかわからなくなるので宝物殿に移し、それぞれに管理者を配置したのだ。


「じゃあ、始めるよー」


 エインリオとライドウたちの遊びが始まるようだ。














弓士<アーチャー<熟練弓士<シューター<ホークアイ<弓聖

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