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サムナーの相談


サムナーとセリーナと私で楽しくお茶をしていた時、


「先生はどんな時にドキドキしますか?」


―ゴクッ


「ゲホッゲホゲホ」


「大丈夫ですか?ソフィ様」

サムナーの突然の質問に紅茶を勢いよく飲んでむせてしまった私の背中をセリーナが心配そうにさすってくれる。


「大丈夫よ。ありがとう。」


落ち着いてからサムナーに向き直り


「なぜ、そんな質問をするの?」


「以前、口説いても落ちない女性がいると話したのを覚えていますか?」


「えぇ、私の誕生日パーティーの帰りに言っていた相談ね。」


「はい。そのことなのですが、他のご令嬢と同じように口説いても全く反応もしてくれなくて・・・。妹に聞いたり、女性の間で流行っている小説を読んで勉強した口説き方もダメで・・・・。」


サムナーはそういって少し落ち込んでいる


これは由々しき事態だ。サムナーが口説いても落ちないご令嬢がヒロイン以外にいると、サムナーがヒロインに興味を持ち、口説き落とそうとするということが起こらなくなる。

そうなると、ヒロインがサムナールートに入らなくなる。

自動的に私の死亡確率も上がる・・・・・。


「それは大変ね。すぐに対策を練りましょう!」


私はアビーに口説くことについて書いてある本を持ってくるように言ったが、笑顔で断られた上、昼食は生のゴーヤにすると言い出したので本は諦めて紙に三人の意見をまとめていくことにした。


セリーナは最近流行っているという小説の中に出てくるセリフをまるで滝のように言っているが、

この世界に来てから恋愛物の小説を読んでいない私ではいまいち良いアイデアが出せない。

前世の記憶を頼ろうにも喪女だった私に経験などない。

なので、前世の日本で流行っていたものを思い出してみようと頭をひねると


確か、少女漫画で流行ったのが、『壁ドン』。

壁ドン、それは選ばれしイケメンのみに許されるという理不尽極まりないものだった。

それに種類がたくさんあり、『床ドン』『股ドン』『蝉ドン』『足ドン』『肘ドン』『かつあげドン』・・・などなど沢山の『ドン』が生まれていた。

だが、この沢山の『ドン』をやるには少々無理がある。


自分が好意を抱いている男性ならまだしも、よく知らない人にいきなり『壁ドン』されても恐怖の方が大きいだろう。


なので壁ドンは却下。


他にいい案は無いものか・・・・。


・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・。


私としたことが、あるじゃないか!


『ギャップ萌え』が!!


「そう、ギャップ萌えよ!」


いきなり大きな声を出して立ちあがった私を見て二人は驚きで固まっているが、その状況が見えていない私はそのまま話を続ける。


「ギャップ萌え。それはイケメン限定じゃない誰にでも平等に与えられたもの。普段いじわるな人に優しくされるとキュンとくる。普段喧嘩ばかりしている怖い人が捨て猫に猫語で話しかける姿を目撃してキュンとくる。これがギャップ萌え!」


拳を握りながら力説する私に戸惑いながら手を上げて質問するサムナー。


「ギャップ萌え?とはその、僕の場合はどうしたらいいのでしょう?」


サムナーは普段色々な女の子に声を掛けている。

今の彼は間違いなく『チャラ男』認定されているだろう。


「誠実な所を見せてみるのはどうかしら?」


「誠実な所、ですか?」


「えぇ、あなたのように女性を口説いて回っているとその人に不誠実にみられている可能性が高いわ。だから本当は誠実なんですってところを見せるのよ。」


普段チャラチャラしている人が実は一途でしたと言うギャップは個人的には大好きだ。


私は良い意見が出せたと一人で満足していると、サムナーが顎に手を当てながら何やら考えている。


「先生。女性は誠実な人の方が好きなのですか?」


ポツリと呟くように質問をするサムナーに


「人によると思うけど・・・。私はどちらかと言うと誠実な人の方が好きね。」


と答えると何やら納得したかのように少し頷いた後、サムナーは私の手を握り真剣な表情で


「先生。・・・・いえ、ソフィ。」


突然、名前を呼ばれてドキッとする。

サムナーは視線を彷徨わせた後、何かを決意したかのように私の目をまっすぐに見つめ、


「僕とこ・・・・・」



―バタンッ


サムナーが何かを言おうとしたその時、突然扉の方から大きな音が聞こえた。

驚いてそちらを見ると笑顔のアレク王子が立っていた。



年始で仕事に忙殺され、最後にインフルエンザで止めを刺されて寝込んでました・・・・。

皆さんもインフルエンザにかからないようにお気を付けください。

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