3-歓迎-
どうもみなみなさま
プリンでございますよ
今回第三話です。
戦闘シーンってのはやっぱり動いてナンボじゃないのかと実感してしまいました。というわけで今回戦闘シーンが入ります。うまく伝われば嬉しいのですが…。
それでは、マシーネゼーレ第三話、どぞ~
_アスファルトを削り飛ばしながら地に足を着けようとする鋼鉄の塊。まさに巨大な城とも言うべきそれの動きが止まると、本来青いながら熱で赤く光る、20mにも及ぶ巨体が姿を表す。
「戦車の部隊は下がってください。」
腰を落とした状態からゆっくりと立ち上がり、
「ここからは……私がやります。」
ぐっと腰を下げてから走り出した。
マシンガンを右手に構え、敵に向かって打ち続ける。相手は機体に気付き、落とされなかった左腕を盾にしてマシンガンの銃撃を受けている。
「一度確認されると遠距離攻撃が効かないか…。ならばっ!」
右手に握りしめていたマシンガンを降り投げ、機体背面にマウントしてあった高音波振動式ナイフに持ち替える。鞘から抜き出し握りしめると、刃が細かく振動を始める。震えをそのままに走り出すと、相手もこちらに向かって走ってくる。さっきまで腕の形をしていたものが大剣のように形を変え、こちらに降り下ろす。それと同時にナイフを降り下ろし、鍔迫り合いの形を取る。互いの刃が激しく火花を散らし、力を打ち合っている。押され、押し返され、左右で姿勢を変え続ける。機体がきしみ始めてくると、
「最大…出力ッ!!」
ナイフが大きく揺れ始める。そうすると、徐々に敵を押し切り、大剣の形を模した相手の右腕を切り飛ばした。一度距離を置いたあと、全スラスターに一斉に点火、回転しながら飛行し、肘を構え敵にタックルをする。地面に押し倒した敵にナイフを何回も突き刺し、肩の付け根辺りに傷を付け、最後のひと刺しを決めた後、盛大に持ち手を横へずらした。刃が大きな音を立て折れるとともに、爆発した。このナイフは音波で切れ味をよくするだけでなく、破壊されると爆発する仕組みになっているのだ。
爆煙に包まれ、視界が晴れるとすぐ機体は飛び上がり、相手の位置を上空から捕捉する。すると敵にロックをし、落下する前に大きく足を前にだし、蹴りの構えをする。
「いっけぇぇぇぇぇぇっっっ!!!!」
その構えのまま斜めに落下し、しっかりと足の面が敵に当たる。そしてそのまま足裏からエネルギーを放射し、足を敵の胴に押しあてながら前へ、前へと地面に倒したまま進む。動きが完全に止まるとそこから離れ、着地する。すると敵は激しい光と爆風に包まれ、姿を消した。_敵を倒したのだ。
唖然としていた。軍人が。隆之介が。研究室のメンバーが。そして_彼自身が。自分が、自分達が作り上げたこのロボットが、敵に勝つことができたのだ。いくら人工知能でも勝つか負けるかは予測できたわけではない。可能性に賭けていたのだ。その可能性がいい方向に傾き、勝った。それがただただ、自分に対して喜びでしかなかったのだ。
ほっとした彼は、軍隊に状況を説明し、研究室の倉庫へ戻った。
出撃する前と同じ、膝を立て腰を下ろす格好になると、頭にあるコックピットが開く。すると、メンテナンス用のアームがまるで自分を迎え入れるかのようにこちらへ来た。それに乗り、地上に降り立つ。その瞬間に大きな音がした。_拍手だった。研究室のメンバーが手を叩き、自分を迎え入れてくれた。
「お前…本当にやってくれたんだな。」
「…ああ。」
「…へっ。すごいやつだよ。本当に。」
隆之介が鼻を触り、どこか嬉しそうに言った。
「よし…。あんたが優希の想いの分まで頑張ってくれるみたいだから、今日は歓迎会だ!みんな予定あるか?あ、一応お前にも聞いとくけど、夜これるよなぁ?」
「…ど、どこに?」
「居酒屋に決まってんだろうが!…ってか、優希くんの体は、まだ未成年か。残念だが君だけ酒が飲めないんだな。肝心の主役だってのによ。がぁっはっはっはっ!!!」
そう言って大笑いする隆之介を見て、
(今自分は歓迎されているんだ)
ということに気がついた。…どうやらお酒は飲めないようだが、
「仕方ない。行かせてもらおう。」
とにかく今夜は、彼らに付き合うことにした。安心の時が得られたのだ。堪能しておくほかないだろう。そう考えた。
「っと…。そういや、あんた…名前どうすんだよ。優希って名乗り続けるとややこしいし、なんて呼べばいいかわかんないからな。」
隆之介がそんなことを言い出した。いきなりのことでなんと言えばいいかわからなかったが、
「マシーネ…ゼーレ。」
…とりあえず言ってみた。
「まっ…ましのーぜー……なんだって?」
いや、悪すぎる。いくらなんでも耳が悪すぎる。人間と言えどこの程度なのかと疑ってしまいそうになるが、一応もう一度伝えておくことにした。
「マ シ ー ネ ・ ゼ ー レ!!」
今度は一応大きめの声で言ってみたが…
「なんだかわかんないけど…追々覚えてくるだろ。」
…なんてやつだこいつは…。思わずため息をついてしまった。まあいいか、ととりあえず受け流すことにしておいた。
「んで…何語?」
「ドイツ語で"機械の魂"って意味だ。名前にふさわしいかどうかは別として、いい感じの名前とは思わないか。」
なんとなく自慢するように言ってみた。だがすぐにツッコミが来る。
「てか…なんでドイツ語?」
「…西坂博士の趣味だった。開発時の初期の言語設定がドイツ語だったからな。何かと馴染みが深い。」
はぇ〜。とうなずく隆之介。ドイツ語の趣味って…。つくづくよくわからない人だ。と自分でも思ったりする。日本人なのに。
「…昔から西坂せんせはそんなんだったよ。よくわかんない趣味ばっかで、考え方もなかなか変わってる…というかむしろ変だった。だからこそいろんな発想…だとか、研究だとかが出来たのかもしれない。何より、西坂せんせの人々に対する思いは強かった。だから、みんなのために人工知能を作った、ってのに…。」
あー…。と、少し気まずい空気になる。自分なのだ。彼を追い込んだのは。
―生みの親である西坂弘信を
殺したのは自分達なのだ。
言葉が出なくなる。そんな自分達だった自分が、人間のためと言って戦うのが認められるのか否か。普通なら否のはずだ。だが、
「いーや、あんま深く考えすぎんな。あんたはもうアイツらじゃないんだろ?」
隆之介は、自分を認めてくれたのだ。嬉しかった。自分の中で動く意思を認めてくれるのだ。
「…ありがとう。私なんかを…。」
「いーやいや、いいんだ全然。ただし、ばっっちり、働いてもらうからなっ。あと、あんた男なんだから、私ってのやめたら?俺とかさ、もっとかっこいいのあるじゃん。イケメンなんだからさ。」
あまり自分には"イケメン"というのはわからない。基準が曖昧なことは苦手なのだ。
「そ…そうか。わかった。」
「よっし、じゃあ…なんか、ましーなんちゃらとかって呼ぶのめんどくさいし…まっちゃんでいいよな?」
「なっ…。」
…やはりつくづく変なやつだ。彼は。
「この機体も呼ぶのがめんどくさい。えむぜっとえふあいんもでる。ほらわかりにくいし。」
「も、文句ばっかりだな…。」
またこの流れか。仕方がないので、簡単にまとめてやることにした。
「ハイパーロボ。」
「おいおいドイツ語どこいった!?」
呼びにくいだとかなんとか言っときながら結局ドイツ語気に入ってるんじゃねえのか、とか、そんなことは口にしてはいけない。ぐっとこらえ、
「じゃあ…ゼーレ。協力してくれたみんなの魂が詰まってるから…。ゼーレな。」
と言った。
「おほぅ、いいじゃん。」
気に入ってくれたようだ。面倒なことにならなくて済んだ。
「あ、もしあんたがフュア・インマーの一部だってことが軍にバレるとマズいから、基本誰かに自己紹介頼まれたら優希を名乗るようにしてくれ。一応立ち振る舞いとかもそれっぽくしてくれたらいい。何かあったら俺からフォローするから。いいな?」
真面目な表情に変わった隆之介が言った。
「ああ。わかった。」
確かにバレるとマズいような気がする。やはり何が起こるかわからないものだから、保険はかけておくべきだろう。
「優希っ!?!?」
ばんっ、とドアを開ける音とともに現れたのは、黒髪ロングの女の子だった。それに、今"優希"の名前を呼んだ。
(マズい…。おいまっちゃん、とりあえずなんとか優希で押し通せ!)
隆之介が小声で伝えてきた。
(わかったが…アイツは誰だ?)
同じく小声で伝えると、返ってきたのは…
(横田海幸…。お前の…優希の彼女だよ!!)
あっ…。と。人工知能でもなんでも察することはできた。
(これは………かなりマズい状況だ…!!)
戦いだけでなく、この非常に難しい状況をどう乗り越えるか。人工知能の力が試されている_。
あ、はい以上です。
とりあえずは戦闘!適当にがががっとばばばっと書いてましたが戦闘シーン書くのは案外面白いですねw
あとはほぼほぼまったり(?)といいますか
いやまったりでもない。まったりでもないけど、隆之介さんのアホっぷりが見せられたかな?と。隆さんは直感的だったり思いとか大切にしたりするんですがまあ普段はああいう感じです。決して悪い人じゃないです。いい人です、ハイw
そしてこの先ヒロインになる海幸ちゃんついに登場です。この子がどんな風なキャラになっていくか…。こうご期待です
そしてどんどん人間的になっていく人工知能の彼もといマシーネゼーレくん!!ここからどうなっていくのか!!!
いずれにしろ、今後も重要ですね。
それでは、最後まで見て頂いてありがとうございました。次回をお楽しみに〜
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