未来の私へ
拝啓
鬱陶しい梅雨の時期がやってきましたがいかがお過ごしでしょうか。貴方は高校を卒業しましたか?大学に進学していますか?無事に成人できましたか?それとももう社会人になっていますか?生きていますか?これらが出来ていなくても咎めるつもりはありません、教えて頂かなくても結構です。ただ、一つだけ約束をしてください。この手紙は貴方の昔の出来事です。貴方は人の不幸話が嫌いでしょうがこの手紙を読むことが出来るのなら私を思い出しながら最後まで読んでください。
さて、私にはいま患っている病気があります。うつ病です。うつ病により毎日毎日自分の体調とにらめっこしながら生きていくのに私は疲れてしまいました。今日は雨の日で調子も悪く学校にも行けていません。午前中は布団から出られない上に重い物が私にのしかかっているような倦怠感がずっと続いています。学校に行けない分、勉強をしようとしても教科書が読めません。私は今、そんな私が情けなくて悔しくて仕方がありません。文字すらろくに読めなくなった私、貴方が読めているこの手紙すら読み返すことが出来ないのです。私は合唱が好きですがもう楽譜も読めません。情けない。悔しくて涙が出たのは何度もありましたがこれほど理不尽なことはないでしょう。そう思い文章にしたくなったのです。手紙を書いたきっかけですね。
まだまだ書きたいことはありますがとりあえず次の話題にしましょう。私には発達障害がありますね、そして貴方にも。私はまだ診断名を知らないのですがおそらくはアスペルガー、ADHDなどでしょう。貴方はもうわかっていると思いますが私は昔から「一般的な子」とは違いましたね。人の気持ちが理解できなかったり、空気を読むのが苦手だったりします。私は努力しました。一般的なことが出来るように、ほかの人には出来ないことをもっと出来るようになろうと思っていました。ただ、私は一般的なことがどうにも出来ないのです。挨拶の基本、会話の流れ、気の使い方……ひとつひとつ覚えていくには時間があまりにも足りません。周りの人は何も考えなくても出来る行動が私には努力しても出来ない。私は何も考えず出来るようになりたかった。努力すれば何とかなると思った。でも違った。私は日常生活を頑張りすぎた結果うつ病になりました。今は出来なくてもいい環境にいるのでそれほど苦痛ではありませんが昔の貴方はとても頑張っていました。おそらく今の貴方も頑張っているのでしょう。たまには休みも必要です。
最後になりますが私の今の現状は無気力で何も出来ないただのダメ人間となってしまいました。でも仕方がない部分ももちろんあります。頑張りすぎた昔の私はただその環境に合わなかった、それだけなのです。今の暮らしに満足はできていません。ただ、貴方が今、苦しくて苦しくて仕方がないというのなら私のような暮らしに少し戻ってみてはいかがでしょうか。生きることをやめたくて自殺未遂をした私でも未来を楽しみにしています。貴方に幸せがありますように。それではこの手紙を開けるときまで。
敬具
平成29年6月15日木曜日