I
初めての作品です。
至らない部分もあるかと思いますが頑張ります。
楽しんで頂けたら幸いです。
その昔、この世界は2つに別れていました。
人間の住む「地上」
天人の住む「天界」
それぞれの世界には干渉しない。
それが暗黙のルールだったのです。
何百年、何千年と時が流れたある日。
1人の人間の男と1人の女の天人が出会い恋に落ちました。
あってはならない禁断の恋でした。
2人はこっそりと逢いせを繰り返し愛を育みました。
人間は夢を語り、天人はそれを聞き地上に大層夢を抱きました。
そんな中、地上と天界が激しく対立をし始めました。
地上の王は天界をも自分のものにしたくて仕方がなかったのです。
人間は武器を取り天界へ攻め入る。
戦争の始まりでした。
そして戦争が激しくなり2人は離れなくてはならない時が来たのです。
戦火の中人間はある約束をします。
「絶対に君を迎えにいく。
そして君を自由にしてあげる。」 と。
それを聞いた天人は
「バカね。 私達天人と人間では命の長さが違うのよ。
それにこんな争いの中では、迎えに来るまでにあなたの命が尽きてしまうわ。」
と笑いました。
「それに私はあの天界の王の娘よ?
自由になんてなるれるわけないわ。」
そう暗く俯く天人に人間はこう答えたのです。
「いいや、絶対にできる。
確かに僕と君では命の限界に差がある。
でも、僕が死んだらその次の僕に、そしてまた次の僕が君を迎えに行く。」
「もしかしたら僕ではないかもしれない。
でも誰かが、僕の意思を継いだ誰かが必ず君を探して迎えに行く。
約束だ。
すぐに君を見つけたい。
だからこれを君に渡しておくよ。」
そう言って人間が渡したのは真っ赤な宝石でした。
「絶対迎えにきてね。」
天人はその宝石をぎゅっと握りしめそっと涙を流したのでした。
そんな約束をした数十年後。
互いの王が和解し、二人は再び出会い平和に暮らしました。
そんな話を昔、誰かに聞いたことがある。
いつだっただろうか。
もう思い出せもしない。
ただ1つおもいだせるのはあの真っ赤な宝石に吸い寄せられたこと。
そうあの真っ赤な宝石に……