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ミニョーリは天地無用?

「ただーし、その前に図面を一通り書かせてくださいね。

ジル・サンダーと釣り合いをとるためにとか言って早めに外堀を埋めるのはなしですよ」

養子縁組を承諾した後、人差し指を立ててそう言った私に、王様は、

「むぅ」

と口を歪める。やっぱりそれも選択肢にあったのか、アブナいアブナい……

「一応、理由も含めて頭に入れてきたんで、そこそこ記憶は定着してますけど、人は忘れる生き物ですからね、忘れてしまわない内に全部アウトプットしておきたいんです」

特に、電気の技術はジル・サンダーとの長年の約束でもあるし、絶対に完成させたいから。


「それに、今ジル・サンダーと私が婚約するのも不自然だと思いません?」

19歳の歳の差はともかくとして、8歳のチビに懸想する26歳のおっさん(敢えて言うけど)ってのがねぇ……。まぁ、だから今まで一人なのかと納得するのもいるだろうけど、逆にロリフラグが立ってしまったら困るじゃない? ただ、ミラクロアは日本より数段初婚年齢が早いから4~5年も経てば大丈夫だと思うけど。


 にしても、それでもジル・サンダーは30歳越えちゃうんだよね。ホント釣り合わないよね。

 いや、若くなったからおじさんはイヤだとかじゃないよ。見た目は子供だけど、中身は私もしっかりアラサーだし、よーく考えてみたら、今ジル・サンダーと私、同い年だもん。ただの絵面の問題。いくら今の歳が釣り合うからって、大臣の息子とか連れてこられて『遊びましょ』の方が断然ムリっ! 間違いなく裸足で逃げるよ、私。


 すると、

「しかし、アレングリアがそれに耐えられるかな」

と言う王様。ううっ、一番痛いとこ突かれた。

そうなんだよね、8年間さわれなかったストレスから解放されて、今、ジル・サンダーのハグがすごいんだよね。私の見た目が子供になったのをいいことに、座るときはジル・サンダーの膝の上を定位置にされてるからね。

「……なんとか我慢させます」

と言ったものの、いまいち自信はない。

ま、電気を作るというおいしい餌をぶら下げれば、なんとかなるでしょ、ならない?


 そして私は、ジル・サンダーの両親が亡くなってから空き家(城?)になっていた離宮に住むことになった。それを聞いて、

「ミニョーリは余と住むのがそんなにイヤなのか」

かわいい孫が懐いてくれないと王様がオーバーリアクションで嘆いてみせたりしたけど、お城で工房の作業なんかしてたら目立ちすぎて身バレの元だって! それに、ダヌルウークを除く庶民組は、この離宮にだって最初難色を示したんだからね。貴族じゃないメンバーには、敷居が崖ほど高いんだってば。ホント、辞められでもしたらどーすんのよ。開発が遅れたら、結婚も延びるんだからね。かわいい甥っ子がどんどんとおじさんになっていくよぉ。


 まぁね、私だって、ジル・サンダーのことは嫌いじゃないし(というかジル・サンダーにもう一度会うために命を懸けてングリーアスに飛び込んだわけだし)たぶん結婚しようがしまいが今のスタンスは変わらないと思うので、調べたものを頭から放り出せれば、私も考えますって。


 ?怪しいって? 絶対に開発が楽しくなって結婚を後回しにする?(ぎくっ)ははは……イヤ、ソンナコトハナイトオモウヨ(棒読み)

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