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カラフル軍団の中ひとりぼっち

とりあえず、石畳の道を当てもなく歩く。行ったことはなくて写真だけだけど、トルコ風の町並み。

 ただ、道行く人たち(特に女の人)のファッションはかなりカラフル。若い人はもちろん、そこそこ年輩の人も色とりどりの地模様の服を着ている。


 そして、それに負けない位、髪の色もカラフル。地球でお馴染みの茶髪金髪銀髪はもちろん、紫やエメラルドグリーン、えび茶など、コスプレのウイッグでしかお目にかかれないような髪をなびかせて歩いている。ウイッグだって可能性もなくはないけど、どう見てもアラフォー? もしくはアラフィフ? って感じの恰幅のいいオバサマ・オジサマがそんなものを被るとは思えないし、こんなカラフルな髪だからこそ、服もそれに合わせてカラフルなんだろうなと思う。


 で、私はというと、黒目黒髪更に地味色通勤スーツ。このカラフル軍団の中ではかなり悪目立ちしそうないでたちであるにもかかわらず、誰の目線も感じないのが悲しい。しかも、思い切って声をかけようが、目の前でぶんぶん手をかざしてみせようが、完全スルーの絶賛無視られ状態だ。ま、幽霊だし。確かに死んだ自覚だってあるんだけど、それにしても知らない町で放置プレイはないわぁ。


 そうこうしている内に、だんだんと日は暮れ、町中から人が少しずつ消え始めた。みんな家に帰ってるんだろう。帰るとこある人はいいなぁ……


 私はひとまず歩くのは止めて、120cm位の高さの住宅の石垣に腰をかけた。ホントのことを言うと、生きていた時の名残で足は動かしているけど、ちょっぴり宙に浮いた状態で、身体は全く疲れてない。この石垣だって120cmってばかなりの高さだけど、両手をついてジャンプしたら簡単にのぼれたし。自慢じゃないけど、私バリバリの文化系。生きてたら絶対にムリな高さだ。


 そんなことはともかく、これからどうしよう。ってか、どこに行けばいいんだろうと思いつつ足をブラブラさせていると突然……

「君、そんなところで何してるの? 日暮れちゃうよ。女の子が夜に一人でいるのは感心しないな」

って声がした。いたのは金髪紫眼のイケメン。うわーっ、すみれ色だよ!


思わずキョドって辺りを見回しても誰もいないし、何よりその視線ははっきり私に向いている。


 えっ……それってもしかして私に言ってる??


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