初めてのお買い物。
「ふわぁぁ〜。」
俺はねむそうに窓を見る。窓の外には小鳥がチュンチュン鳴いていた。したに降りるかと俺は思い、後ろにふり向いたら、妹がいた。
「お兄ちゃん。おはよう。」
「う、うわぁぁぁぁぁ!!!」
まさかの全裸だった。
「な、なんでお前っ!俺の部屋に全裸でいるんだよっ!」
「着る服がなかったから」
ちょっとてれたようにいった。
「おまっ!照れてんじゃねーよ!服着ろ!服!」
バサッと俺はありさにTシャツと短パンを投げた。
「……ん。ありがとう。」
「さき下で待ってるからな!」
「了解。」
朝食を食べている途中、母がこんなことを言い出した。
「えー、で。着るものがないんだっけ?」
こくん。
ありさはそううなづいた。
「着るもの。ない。」
「じゃあさ!2人で買いに行ってよ!お母さん、仕事今から行くからさ、お金おいてくからあとは2人でよろしくね!では!」
足早に去ってしまった。
しょうがない。2人で行くか。
「凄い。派手なお店、いっぱいある。学校でならったとおり。」
「あぁ、そうだな。」
俺達は今、大きなショッピングモールに来ていた。
「ねぇ!見てこれ!美味しそう。」
ありさがさっそく指を指したのは……クレープだった。
しかも、一番高いイチゴとバナナとチョコレートソースがのってるやつ。でも、母さんから貰ったのは、五千円。クレープなんて食べている暇があったら、服買えだ。それに、女の子向けブランドの服はものすごく高い。ワンピース1枚で、4000円するときもる。もっとするかもしれない。
「ごめんな、ありさ。今日は五千円しか持ってきてないんだ。だから、買えない。すまんな。」
「むう……。分かった。しょうがない。許してあげる。」
ありさは口を尖らせながらゆっくりとファッションコーナーに歩いた。