今の状況
此処は何処だろう?俺は起きてすぐそう思った。起きて、という表現は間違っているのかもしれない。俺は眠っていたわけではないからだ。正確に言うと目隠しをされ、耳栓をされて何も見えず聞こえずだった。そして、今目隠しなどが取られたのだ。
「あら?起きてたんだ?もう結構な時間が経っているのに・・・。」
こいつは俺を誘拐?したやつだ。言っておくが俺は誘拐されるようなボンボンじゃないし特に親画が目立った仕事をしているわけでもない。それなのに俺はどうして誘拐されたんだろう?この女に・・・。
「その顔は、なぜ俺が誘拐されたのだろう?と考えている顔ね。いいわ、教えてあげる。まずは誤解から解いていこうかしら?これは誘拐じゃないわ。まず順を追って説明しましょう。あなたは元々あの家の人間じゃないわ。これは知っているわよね?」
ああ、それは知っている。親は二人ともA型だ。そして俺はAB型だ。A型からAB型は生まれない。俺はそれを知ったときにビックリした。ビックリしたといっても親が違うことにビックリしたわけではない。ビックリしたのは、なぜ俺があの家族の一員になっているのか、という過程が気になり調べて行き着いた先にビックリしたのだ。
「やっぱり、知っているのね・・・。じゃあ、今更だけれど自己紹介するわ。私は氷坂美玲。あなたの実の母親よ。」
俺はこの女を知っている。いいや、俺じゃなくてもみんな知っているだろう。俺はこの女を何度も見ている。テレビの中で。この女、氷坂美玲は大女優だ。大女優だからこそこの女は信用できない、と思うだろう。だが、俺は違った。俺は氷坂美玲の言葉を信じている。というより、この言葉が真実であることを知っている。




