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15000PV&3000ユニーク達成記念 幕間 身長

この話は本編とはまったく関係ありません

シーナちゃん出てきません

もっと別の話考えていたのですが、ゆっくり実況見ていたらこうなりました

作品の雰囲気がぶち壊れていますので

読む場合はお気をつけて


何時も感謝!!










 それはある日の昼の出来事であった。

 太陽は変わらず地を照らし、早朝は寒くとも、昼は暖かい、そんな季節。


 その日は珍しくルークは訓練を休み、ユアンは冒険者組合に行かず、二人とも部屋で本を読んでいる状況であった。

 本の種類は『効率の良い筋肉のつけ方』、『歴代勇者の冒険譚』とどちらがどちらを読んでいるか明白であろう。

 二人の本を捲る音だけが静かな部屋に響く。

 ふと、ユアンは何を思ったのかルークに話しかける。


「ねぇ、ルーク」

「ん~?」


 ルークは本から視線を外さず、ユアンの呼び掛けに生返事を返す。


「ルークって十五歳だよね?」

「あぁ」


 因みに、ユアンはまだ十三歳である。

 何の変哲も無いユアンの質問。

 ルークはそう思っていた。

 視線を外してユアンの顔を見れば考えは変わっていたかもしれないが、今のルークにとってユアンより本が優先だったのだ。


「僕とルークって二歳差だよね」

「あぁ」


 何を思っての質問か。

 ルークは疑問に思うが、時既に遅し。


「何で!!何でさ!!」

「うお、いきなりどうした!?」


 情緒不安定気味にユアンは叫びだした。

 ルークはその声でようやくユアンの方を見やる。

 ユアンは寝台に向かって拳を叩き付け、感情の発散を試みていた。


「おい、どうした・・・まじで大丈夫か?」


 ルークが心配するのも無理は無いだろう。

 唯質問に答えていたらいきなりユアンが暴れだしたのだ。

 何かに感染でもしたのだろうか。

 そんな考えすら思い浮かぶ。


「大丈夫じゃないよ・・・」


 急停止したユアンは目尻と下げ、ルークを見る。

 何とも情けない表情であった。


「何があったんだよ・・・」

「それはね・・・・」


 ルークの喉がごくりと鳴る。

 この一年、仲良くなった二人は色んな悩みを互いに打ち明けてきた。

 その経験が今回は根深そうだと教えてくれる。

 溜めに溜めたユアンの言葉は―


「身長が伸びない!!!!」

「はっ?」


 思わずルークの口から間抜けな音が漏れた。

 当然だろう。

 どれだけ大きな悩みかと思えば唯の身長の悩み。

 ルークは他にもっとあるだろうと言いたかった。

 虚弱体質の事とか、恋愛の事とか。


「くだらねぇ・・・」

「くだらないとは何さ!!ルークは知らないから言えるんだよ!!この一年で僕の伸びた身長はこれ位」


 ユアンは親指と人差し指で長さを表している。


「・・・まじか」


 その長さはルークも驚愕するほどであった。


「このまま、伸びなくなったらどうしよう・・・」

「だ、大丈夫だ。まだ成人まで時間はあるし、な?」


 何とか励まそうとするルークの努力は空しく散る。


「後二年でルークぐらいに・・・」


 ユアンがここまで落ち込むのには理由がある。

 目の前に後二年後の目標身長があるからだ。

 ルークの身長はユアンより頭二つ分ほど大きい。

 これが現実とばかりに叩き付けられる毎日を送っているのだ。

 凹みもするだろう。


「あぁ~・・・皆身長低くなればいいのに・・・・・・・・・・・・凹め」

「恐ろしいこと言うなよ!!」


 たかが身長で、と言う言葉は禁句である。

 身長の高い人間には分からない事だってあるのだ。

 

 その日はルークがユアンを励まし続け難なく終えたのだった。

 この後、恐怖が待っている事も知らずに・・・。



「なんじゃこりゃあああああああああ!!!!!!!!!!!」

「何!?ルークどうしたの・・・えっ?」


 ユアンはルークの叫び声(?)で目を覚ました。

 何時ものように訓練に行く時間だったのだろう。

 外はまだ朝霧が揺らめき、太陽はまだ薄い光を放つ時間であった。


「ゆ、ゆあん・・・こ、これ・・・」

「・・・」


 ルークが話しかけても、ユアンは反応を示す事が出来なかった。

 目の前の光景に理解が及ばないのである。


「ユアン?」


 何も反応を示さないユアンにルークは怪訝な表情を向ける。

 どうして何も反応しないのか。

 これで驚かなくてどうするんだ。

 そんな思いでユアンの反応を待っていたのだが。


「やったぜ」

「おい、こらてめぇ」


 なぜか喜んでいる。

 ユアンが喜ぶ理由はルークの姿にあった。


「何でこんなに身長ちっさくなってんだよ・・・」


 何故なら、今のルークはユアンの腰ほどの身長しかない。

 ユアンより大きかった身長はまるで子供のように見える。

 だが、少しおかしなところがある。


「何でそんなに頭大きいの?」


 身体と頭の比重がおかしい。

 と言うよりもどうやって支えているか分からない。

 そんな歪な体型に変わっていた。


「と、とりあえず学校だからそれまでに何とかしないと・・・」


 ユアンもさすがにこれでは不味いと思ったのか、どうにかしようと努力する。

 しかし、何から手をつけたらいいのかさっぱりだ。


「助っ人を呼ぶしかないな」

「助っ人?」


 二人で知恵を絞るより、大人数で考えた方が良いと考えたルークは一番の理解者を呼ぶことにした。

 


 しばらくして―コンコンと部屋の扉が叩かれる。


「朝っぱらから呼び出して何よ、ルーク?」

「わりぃ、今から開ける」


 扉の向こうから一番の理解者―クインの声が聞こえる。

 ルークには覚えが無いが、王都でもこんな事があったのでは、そんな思いがクインを呼び出していた。


「・・・ユアン、開けてくれねぇか?」

「ん?いいよ。どうしたのさ?」

「身長が小さくてギリ届かねぇ・・・」

「・・・あっ」


 ユアンは察した。

 悲しきかな、ノブはルークの頭上にある。

 涙を拭うルークを後ろに下げながら、ユアンはガチャリと扉を開けた―のだが。

 その先にクインはいなかった。


「クイン?」

「どうしたのよ?」


 声だけは聞こえる。

 まさか、魔法で姿を消しているのか。

 確かに男子の部屋に女子が来るのは禁止だが、今ぐらい姿を現してくれても・・・


「どこ見てるのよ?下、下」


 ユアンはまさかと思い、クインの言う通り、下を向いた。


「ちんまい!!」


 やはりと言うべきか、残念と言うべきか・・・クインも小さくなっていた。


「中に入るわよ?見られたら一大事だし」


 自分の姿に気が付いていないのか、クインは構わず部屋に入る。

 勿論、その姿を見たルークも部屋の奥で固まっていた。


「クイン、お前もか・・・」


 ルークは我慢できずに天を仰いだ。


「クイン、自分の姿がおかしいとは思わないのか?」

「ん?何が?」

「気が付いてないの?」


 噛み合わない会話。

 ユアンは少し嫌な予感を感じた。

 恐る恐る自分の予想が外れる事を願って、ユアンはクインに疑問を投げかける。


「今、自分が何頭身か分かってる?」

「・・・二頭身だけど?」

「「・・・」」


 ユアンとルークは慌てて寮の外に出る。

 そこには―


「まじかよ・・・」

「全員が・・・二頭身・・・」


 これではユアンがおかしいのではと思ってくるほど、外はちびっこい人ばかりであった。

 それもユアンにも自分の姿にも疑問を感じていない様子で、何とも変な気分になってくる。


「髭の生えた子供・・・?」

「ムキムキな子供・・・?」


 当たり前だが、そんな子供はいない。


「あら?早いわね?」


 そんな声が後ろから聞こえた。

 ユアンとルークはギギギと油を差していないからくり人形の様に後ろを向くと―


「ビュール先生まで!?」


 二頭身ビュールがそこにいた。

 ユアンとルークは頭がおかしくなりそうであった。

 と言うよりも自分達がおかしいのではないのかと本当に錯覚し始める。


「ぼ、僕組合に行って来るよ」

「俺は学園に」


 そういって二人は違う方向に向かう。

 その先に正常な人間がいると信じて・・・。



―バタン


 急いで来た組合はいつも通り早朝の依頼を求めて多くの冒険者が集まっていた。

 しかし―


「・・・くっ、この世界には僕しか普通の人間はいないのか」


 そこには依頼を求めるお饅頭顔の二頭身ばかりだ。

 ユアンがこの世界に絶望していると後ろから声が聞こえた。


「どうしたんですかぁ~」

「こ、この声は!?」


 間延びした口調の探求者。

 ちっちゃい身体に合わない鞄を背負う彼女。

 ユアンは期待を込めて後ろを振り向いた。


「ほっ・・・変わってない・・・」

「どこがやねん」


 ミロは思わずどこの方言か分からないツッコミした。


「変わって無いじゃん!!」

「変わってますよぉ~、ほらぁ~この髪型どうですぅ?」

「髪型の話!?」


 残念ながらユアンの見間違えで、ミロもまた二頭身に変わっている。

 ただ、身長は相変わらず、ちいさい。


「何なんだ、これ~!!」


 ユアンは大きく太陽に向かって吼えた。



「はっ!?」


 時間はまだ深夜帯。

 ルークも違う寝台でいびきと寝言を繰り返している。


「よかった・・・夢か・・・」

『どうした?』

 ユアンが目を覚ました事で何事かと思ったマオは同じように目を覚まし、声を掛ける。


「大丈夫、なんでもないよ」


 一応、念の為ルークの寝顔を見て、饅頭顔じゃない事を確認したユアンは心底安堵した。

 自分の夢でよかったと。


「ん~、饅頭恐い・・・嫌だぁ~饅頭になるのは~・・・」


 などとルークがうなされているが関係の無い事であろう。


「もう一回寝るよ、変な夢見ちゃって起きちゃっただけだから」

『そうか?分かった。お休み』

「うん、お休み~」


 しばらくするとユアンの小さな寝息が聞こえてくる。

 闇の中、マオは一つ思う事があった。


『どうやって俺に感知されずに魔法を掛けたのだろうか?何のためにユアンに魔法を掛けたのか?分からない』


 元魔王を以ってしても分からない事にしばらく頭を悩ますマオであった。



おまけ


「ねみぃ」

「ねむい」

「「ん?」」

「寝不足か?」

「うん、変な夢見ちゃって・・・」

「俺もだ、身長が縮まって饅頭顔になる夢だ」

「それ僕も見たよ?」

「偶然か?」

「ん~?分かんない」

「面白い事もあるもんだな」

「そうだねぇ~」

『お前ら饅頭顔だぞ?』

「・・・えっ?」



 太陽は変わらず地を照らす。

 例え、饅頭顔でも・・・。

まぁ、なんやかんやネタを入れたらこうなりました。

おかしい、なぜこうなった?

本当はセラとアレンの冒険者時代&いちゃいちゃを書く予定だったんですけど?

ま、いっか


本当は3450ユニークアクセスを頂いているのですが、キリのいい所で3000としました。


誠にありがとうございます。

本作品は再開してから4ヶ月ほどとまだまだ短い間にこれだけ多くの方に見ていただいております。

お見苦しい点もありますでしょうが、暖かく見守って頂けると嬉しく思います。


ブクマ、評価、感想、そして読んでくれている読者様、本当にありがとうございます!!

今はスランプっぽい物で荒んでいますが、必ず戻ってきますのでお待ち下さい!!


それと完結せずに終わらせる事は『絶対に』ありえませんので

時間が掛かっても完結までは行きます(どんなに下手くそでも)


これからも末永くお付き合いいただけると私は嬉しく思います

今回はこれぐらいにして、締め括ろうと思います


ではでは~

(何で昨日更新できてんだよ、予定あるとか言ってただろという質問には一言で返答したいと思います

「察して下さい・・・」と)

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