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異変の原因 その三






 この前と同様にマオとミロはユアンが切り開いた道を進む。

 丁度、目的地の深層に続いているからだ。

 それにもし、魔獣などが襲ってきたとしても見晴らしの良いこの状況下であれば、不意打ちを食らう可能性が減るという利点もあった。


「それにしても、私の知人が切り倒した木がないな」


 切り株は残されたまま、倒木だけがなくなっている。

 この答えはミロが持っていた。


「それはですねぇ~。組合が回収していったからですよぉ~」

「ふむ」


 彼女によれば、木々は組合が依頼を出して力持ちの冒険者だけでなく、魔法で浮かせることの出来る探求者総出で運び出したらしい。

 周辺の警戒も必要なため、それなりの人数が動員されたという。


「昨日の一日でか?」

「報酬が良かったみたいで夜中もずっとしていたみたいです~」


 ユアンの学園もあった為、マオは早めに引き上げたのだった。

 金銭面で困ってはいないが、無いよりあったほうが好ましい。

 

「もったいなかったか・・・」

「木工商の人間も切り倒す手間が省けたと喜んでいたみたいですよぉ~」


 モーデルに後で請求しようか、そんなことを考えている内に二人は深層へと足を踏み入れていく。

 太陽光が地に届くことが少なくなり、空気が湿気を含みだした。

 纏わり付く感覚が深層の不気味さを表現しているようだ。


「ここが深層・・・」


 ミロは感慨深く呟く。

 彼女も深層に入ったことはある。

 しかし、それは魔獣から逃げる為であり、こうしてじっくりとこの空気を感じる余裕など無かった。


「どうした?行くぞ」


 それもこれも心強い『銀色』という冒険者が作り出している圧倒的な安心感のおかげである。


「ええ・・・」


 マオは悠々とミロは好奇心を胸に、深層の探索を開始した。



「わぁ~!!!!」


 ミロは深層に入って半刻もしない内に深層という場所を堪能していた。

 

「見て下さい!!これカンブラカ草ですよ!!こっちはエンデル草!!・・・テトルテ草まで!!」

『マオ・・・僕には全部同じに見えるんだけど・・・』


 ミロは興奮を隠しきれない様子で周囲の草を毟り取っていた。


「何をはしゃいでいるんだ・・・、そんなに喜ばしいことか?」

「当然ですよ!!冒険者は魔獣を狩って金銭を得ますが、探求者は情報と薬草で稼いでいるのです!!」


 深層は殆どの冒険者は入らない。

 戦闘力の低い探求者なら尚更である。

 つまり、採取のされていない薬草が生い茂っている状態だ。


「ここは薬草の宝庫ですね~」


 うっとりと周囲を眺める彼女は確実に危ない人だ。


「カンブラカ草とエンデル草は違いが分かり難いんだったな」

「違いが分かるのですか!!」


 ミロはがばっという音が聞こえるような速さで首をこちらに向ける。


『怖い・・・』


 彼女の目には薬草と金貨で埋め尽くされているように見えた。

 ユアンが恐怖を覚えるのは仕方の無いことである。


「あ、あぁ・・・知り合いに森人が居てな・・・そのときに教わったのだ」


 マオはその時の事を思い出す。

 懐かしい顔と共に知識も蘇って来た。


 カンブラカ草は傷薬になるのだが、効能が普通の薬草に比べ非常に高い。

 傷薬自体が高値で取引されている為、原料であるカンブラカ草も金額にすれば一株銀貨二枚になる。


 エンデル草は根は猛毒になり、その葉は毒消しになる。

 これもカンブラカ同様に他の物よりも効能が高い。

 カンブラカに比べ、値は落ちるがそれなりの金額になるのだ。


 カンブラカ草とエンデル草はどちらも珍しく、見分けも付きにくい。

 よく流通している薬草の代表格プツナ草と比べれば、カンブラカは葉の先が赤く変色し、枯れているように見える。

 エンデルは根の長さが若干短いのだ。


「あの閉鎖的な森人に知り合いが居るなんて驚きですが、そんなことより一緒に採取をしてください!!売れた金額の三割を出しますので!!」


 重要な情報をそんな事と済ます辺り、ミロの必死さが見て取れるだろう。

 勿論、ミロは情報をさらりと流したのではなく、頭の中に書き留めていた。

 端のほうで・・・。


「構わんが調査は・・・」

「そんなことは後です!!今は薬草を!!」


 優秀な探求者という肩書きはどこに行ったのだろう。

 そう思いながらマオは彼女の横で薬草採取をする。


「それカンブラカじゃないです!!エンデルですよ!!混ぜないでください!!」

「あぁ・・・」


 ミロの剣幕に押され、ちまちまと薬草の葉や根を見るマオに元魔王としての威厳はない。


「・・・ユアン、代わらないか?」

『絶対に嫌』

「何しゃべってるんですか!?手を動かしてください!!後、周囲の警戒も!」


 ミロはユアンの声が聞こえない為、マオが独り言で愚痴を言っていると思ったのだろう。

 マオは理不尽な叱責と要求にため息を付く。


 のんびりと間伸びた口調が消え、薬草採取に集中する彼女の内心は―


(これを売ればご飯がいっぱい食べれる!!)


 ―といった食欲に駆られてのことだったとはさすがのマオも気が付かなかったのである。


 この後、探索が再開されたのはミロの顔がホクホクと笑みを浮かべた一刻後。


「時間はまだ大丈夫か?」

「えぇ勿論!!」


 その間もマオはずっと時間を気にし、早く終われと願うばかりであった。

 

ごめんなさい!!

また三日休んでしまい、申し訳ございません!!(スライディング土下座


言い訳はいたし・・・ます!!

貧乏暇なしとはよく言ったもので

働かねば食えぬ・・・


まぁ、リアルの話は置いといて(逃げ


探索編が長引いていますが、まぁ後二、三話で終わるでしょう(テキトー


あ、そうだ

言わなきゃいけないことがあるのでした

私の作品は出来るだけ健全な物にしようと思っていたのですがね?


また後書きに書きますが

読者様、この作品はR15です

次回かもしくはその次の話で

R15?ぐらいの『えっちぃ』話?書いて見せます!!


脳漿ドパーみたいなグロだけでないことを証明してみますよ!!

・・・いやね?

いろんなことに挑戦してみたいお年頃な訳でして・・・(もう過ぎてるだろ!!


≪15歳未満の皆は見ちゃダメだぞ☆≫


期待しないで待っててね


ではでは~

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