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幕間 異変

ミロ視点?

短いよ







「・・・森が変な感じ」


 私が森の異変を察知したのはいつも通り組合からの依頼で、森の生態系やその他の情報を集めているときだった。

 浅層から中層に生える薬草を採取し、木に登って太陽の位置で時間を確認する。

 

「この時間帯なら・・・」


 印をつけた魔獣が今の時間帯、どこにいるのかは把握している。


「最近、印をつけた魔獣の数が減ってるんだよね」


 魔獣は生存の入れ替わりが激しい生き物だ。

 いつ死ぬか分からない。

 そのため、印は多めにはっているのだけど・・・。


「仕方ないなぁ。新しく印をつける魔獣も探さなくちゃ」


 一人で作業していると自然と増える独り言を呟き、森の奥に足を進めるのだった。



「もう日が暮れるしこのぐらいが潮時かな」


 ただ、気になることがあった。


「小鬼と魔虫の数が多くて、豚鬼とかが減ってる」


 弱い魔獣は生き残り、強い魔獣の姿が減った。

 この時、中層は減少程度で収まっていたが、深層は殆どの魔獣が消え去っていたのを知ったのは組合に戻り、他の探求者たちから情報を得たときであった。




 組合の受付の振りをしているモーデルさん。

 彼のところに行き、依頼である情報を紙にまとめて渡す。


「ご苦労様・・・うん、いつも通りいい出来ですね。助かります」

「いえいえ~、探求者として当然のことですよぉ~」


 他人と話すときはちょっと間延びした口調で話すことにしている。

 子供っぽさを出していたほうが何かと便利だから。


「ではこれでぇ~」

「ミロさん、ちょっと待ってください」

「?」


 何時もならこれで終わりで夕食に行って幸せな時間が過ごせるのですが。

 この日はモーデルさんに呼び止められました。

 森のことでしょうか?


「上に行きましょう」

「はい~」


 彼の後ろについていき、二階の個室に入ります。

 ここは魔法陣で外に声が漏れない作りになっていて、よく他人には聞かせられない依頼などの話をここですることが多いのです。


「依頼ですか?」

「えぇ、今回ミロさんから受け取った情報と他の探求者から買い取った情報を照らし合わせて考えたのですが」


 他の探求者から買い取った情報。

 ちょっと気になりますね。


「深層で魔獣が激減しているそうです」

「深層に入ったのですか~?」

「と言ってもその人も中層で異変を感じ、ちょっと覗いてみただけらしいのですが」


 深層に入るのには勇気が要ります。

 一撃で肉片と化す場合もあるのですから。


「・・・森の魔獣がいなくなってる?」


 確かに印のつけた魔獣も減ってはいましたが・・・。


「出来ればミロさんにその原因を探って欲しいのです」

「それは深層で探って来いと言うことですか?」


 少し口調が乱れてしまいました。

 反省反省。


「出来ればお願いしたいです」


 モーデルさんは気が付かない振りをしてくれたようでした。


「ん~・・・無理だと思います~」


 深層に入ったことは何度もある。

 だがそれは強力な魔獣に追いかけられたときなど必要に駆られてのことだ。

 出来れば入りたくない。


「大丈夫です。護衛をつけますから」

「護衛ですかぁ~?」


 護衛・・・。

 深層で活動できる護衛―冒険者は少なかったような気がします。

 更に言えば、私のようなお荷物を抱えて生き延びれるほど優しい場所では無いとこの人も知っているはずですが・・・。


「そんな強い人いましたっけ?」

「ええ、その人を何とか護衛につけるのでお願いできますか?」


 居るのであればそれは心強いし、深層の薬草などめったに手に入らないものが手に入るのであればそれは嬉しい。

 本当に居るのであればですけど・・・。


「分かりましたぁ。お受けします~」

「良かったです。それともう一つ依頼をお願いしたいのです」

「依頼を二つですかぁ?」


 森の異変を探るとなれば大掛かりなので、二個目の依頼はお断りしたいところなのですが・・・。


「その護衛について、ちょっと調べて欲しいのです。何でも構いません。好きな食べ物でも何でも買い取ります。定期的に渡す金額とは別に、です」

「何かしたのです~?」

「分かりません」


 そんな人、護衛にしないでくださいよ・・・。

 でも、受けてしまったものは仕方ありません。


「その人の名前は何でしょう?」

 

 さすがに名前ぐらいはと思ったのですが。


「分かりません。ただミロさんも聞いたことがあると思います。『銀色』と」


 ・・・。

 なんですと?


「『銀色』ですよ」


 なかなかの大物が出てきました。

 最近、有名の冒険者さんです。

 何でも牛鬼を無傷で倒したとか。

 名前もどこに居るのかも分からずじまいと。

 

「枷を付けたいんですかぁ?」

 

 大体予想は付きました。

 組合は彼の手綱を握りたいのでしょう。


「印をつけるのは得意でしょう?」


 モーデルさんはそういい、お願いしますねと笑いかけてきました。

 相変わらず、狸みたいな人です。



 そんな会話の数日後、私は組合の建物の二階に行き、扉の前に立っています。

 中から声は聞こえてきません。

 緊張を孕んだ息を吐き、グッとお腹に力を入れます。

 大好きなご飯を減らして来てよかったと思いました。

 なにせ、緊張で吐きそうです。

 いい人だと良いのですが・・・。


 私は扉を叩き、モーデルさんが開けてくれるのを待ちます。

 ガチャリと開いた先でモーデルさんは額に汗を浮かべていました。

 それほど暑かったでしょうか?


 そう思いながら、モーデルさんの後ろの人に視線を向けます。

 

 私が感じた彼の第一印象はいろんな意味で大きい人だなぁ、でした。



今日最後です


組合はミロにしか依頼を出しません。

依頼と言う形ではなく、探求者が得てきた情報の中で有益な物は買い取ります。


態度とかオーラとか図体とか大きいなぁって感じ(ミロ談)


依頼編終了したら幕間挟みます

これは決定事項です

変更はされません

絶対シーナちゃん書くんだぁああああああああああ!!!!!!!

あ、ルークとクインも書くよ


ミロは本来存在しないキャラクターでした

勿論モーデルさんも

依頼編なんて書くつもりはなかったのです

さっさと王都に行ってもらう予定だったのに


ではでは

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