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依頼 その五

ペヤ○グのぺペロンチーノ味食べるんじゃなかった・・・

にんにくの臭いがきつすぎるのと食事風景がパスタ食っている想像しか出来なくなったよ・・・


短めです







 もきゅもきゅと口に頬張るミロを見ながらマオは机の上に重ねられた食器の数を数える。


「どれだけ食べるんだ・・・」

『見てるだけでお腹がいっぱいになってきたよ』


 その数十枚以上。

 この小柄な体のどこに入るのだろう。

 そんなことを考えながら、待ち続けても終わらないような気がしてきた為、本題を進めることにする。


「食いながらでいい。今から今回の依頼をこれからどう進めていくか決めるぞ?」

「・・・(こくり)」


 ミロは食べるのをやめず、首肯だけする。

 突っ込んでいては話が進まないことを予感したマオはそのまま話を続けた。


「私は朝から昼の鐘が鳴り、その後一刻は冒険に出れない」


 これは当然ながらユアンの学園がある為だ。

 休むことも出来るが、成績優秀者として選ばれる条件が分からない今、休んで教師の評価を下げることは避けたい。

 あくまでも今行っているのは冒険者の体験と金銭稼ぎ。

 優先順位を間違えてはいけない。

 両親からの条件を達成し、【七つの異観】を見ることが最終目標なのだ。

 依頼のせいで足踏みしては意味が無い。


「・・・(ごくん)、そんなんですか~。普通の冒険者とは違うのですねぇ~」

「そうだな。依頼など別に受けなくとも魔獣狩りで食えていけるから朝早く起きる必要はない」


 実際、金銭に関しては初めの狩りで大分稼げている。

 ユアンとマオ程度ならしばらくは過ごせる金額だ。

 

「では午後から森に出ると言うことでぇ~・・・(もぐもぐ)」

「そうだな」

「・・・でも迅速にって言われているのでぇ~。調べる範囲を限定しなきゃですねぇ~」


 原因の特定を正確に片付けるのであれば、森全域を調べるのが得策であろう。

 しかし、長引けば冒険者ひいては住民に不安を与えてしまう。

 出来うる限り、最小限の動きで最大限の成果を。

 これが理想だろうか。


「浅層と中層はいらないですねぇ~」


 ミロは考えるまでもなく調査対象から浅層と中層を省く。

 

「そうか?」

「えぇと、一応今日調べておいたんでぇ~。・・・これが資料ですぅ~」

「ほう、一人で、か?」

「そうですぅ、薬草とか色々採るんでぇ。良く行くんですよ~。で、なんか森が変だなぁって思ってぇ」


 専属契約出来るほど優秀なのは間違いないのだろう。

 異変を察知して自分から調べる。

 更に中層までいける実力の持ち主と言うことだろうか。


「いえいえ~、隠れて逃げていただけですよぉ」


 気配を消すことは出来ると知り、マオは評価を上げる。

 

「拝見させて頂こう」


 手元に資料を手繰り寄せ、紙を捲り中身を見る。


 そこには浅層と中層の情報が載ってあった。

 魔獣の種類別に数、どこで、何をしていたか。

 どんな様子であったか。

 糞の形状、食事後の様子、仲間内でどんなことをしていたか。

 時間と動きも書かれている。


「・・・これを一人でか?」

「そうですねぇ~。さすがに全部は見れていないですし、ある固体に印をつけてそれを観察しただけですけど」


 もう一度、資料に目をやり、内容をじっくりと読む。

 その間、ミロは食事を続けていた。


「なるほどな・・・。怯え、恐れ、警戒、怖れの感情あり、か・・・。これは組合に見せたのか?」

「勿論、真っ先に見せましたよ~」


 それで強者として噂が出ている『銀色』に依頼が来たと。


「なるほど、多くの魔獣が危険を察知するほどの大物か。面白い」


 ユアンに依頼をさせると言う約束はもうマオの中に残ってはいなかった。

 

「少しばかり、退屈していたところだ。さすがに牛鬼程度では物足りなかったからな」

「牛鬼ってそれなりに強いんですけどぉ・・・」 

「楽しみでしかない」


 ミロの声はマオに届いていなかった。

 

『この飲食店ってまともな人、ダンテさんぐらいしかいないんじゃ・・・』


 当然ながらこの言葉もマオには聞こえていないのである。



「明日昼過ぎて一刻半ぐらいに東門集合でよいな」

「はい、深層を調べて何も出てこなかったら山登りですねぇ」

「そうだな」


 ジギン山脈の山頂から北は小人・巨人族の領域だ。

 そこも調べたいのは山々だが、さすがに不法入国は不味い。

 山の南側だけでも調べるべきであろう。

 それでも出てこないのであれば、国に進言し、小人・巨人族に北側の調査願いを出すしかない。

 だがこれは組合や国の管轄なのでマオたちには関係ないのだ。


「さっさと見つかればよいが・・・」


 見つかったとしてもそこから森に魔獣が戻るのに何年掛かるのか分からない。

 いつ組合が冒険者や住民に発表するのか。

 そして混乱をどう治めるのか。


「なるようになりますよぉ~」


 能天気なミロの言葉がなんとなく救いのような気がしたマオであった。





「あ、おかわりください~」

「まだ食べるのか・・・」

『はは・・・』


 ミロの食欲は止まらない・・・。

三話目~


ハンドスピナーなるものを買ってみたのですが

すでにうちの猫の遊び道具

可愛いからいいんだけどね?

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