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ジギンの森で その一






 ユアンの姿はジギンの森にあった。

 マオが狩りをしていた深層ではなく、浅い場所で狩りをすることに決める。

 そのためか比較的若く、防具も傷が少ない冒険者も見受けられた。


 ジギンの森はコロギの町から一番近い森で、小人・巨人族との国境線ともなっているジギン山脈のふもとの森である。

 浅層、中層、深層と奥に行けば行くほど魔獣の強さも段違いで上がっていく為、冒険者の間では人気の狩場だ。

 浅層は小鬼(ゴブリン)や魔虫が数種類と余りてこずる魔獣は居ない。

 中層からは小鬼が群れを成し、策を弄す。

 更に、大鬼(オーガ)や毒、麻痺を持つ魔虫も現れ、初心者では厳しくなってくるだろう。

 深層は更に厳しくなってくる。

 体力が多く、脂肪によって刃が通りにくい豚鬼(オーク)、超高度から奇襲をかける八目鷹。

 そして、筋肉の塊で自身を強化する魔法を使う牛鬼(ミノタウロス)

 それらが跋扈している場所には、さすがの熟練者を持ってしても深層には行かない。

 

 中層や浅層で強くなったと勘違いした冒険者が幾度となく、牛鬼やその他多くの魔獣の餌となっている。


「ここがジギンかぁ~」


 ユアンははじめて見る圧巻の森に感嘆の言葉を漏らす。 

 そんなユアンにマオはこれからの行動を告げる。


『魔獣を見たことがないお前のためにとりあえず浅層で様子見するが、その後すぐに深層に向かうぞ。時間は有限であるからな』

「・・・確か深層って行かないほうがいいんじゃなかったけ?」


 森に入る時、すれ違った冒険者達に多少森の話を聞いたユアンは、深層が危険だと教えてもらったばかりだ。

 マオの言葉におかしな部分があったようなのでユアンはそれを指摘する。


『俺が居るから大丈夫だ』

「・・・」


 胸を張るように自信満々にマオは言う。

 マオに敵う魔獣など居ないのだろうが、それでも初めてということを考慮して欲しいと思うユアンであった。




 森の浅層は木漏れ日が美しく、自然の空気が肌で感じられ、何とも落ち着けるような場所である。

 魔獣がいる為、難しいであろうが昼寝にもってこいだ。

 マオに任せて寝てみるのもありかもなどとユアンが考えていると、森の中から小さく音が聞こえる。


―・・・グ・・・


「?」

『小鬼だな』

「僕にはまだ聞こえないけど・・・」


 マオがそういうので戦闘体勢を取る。

 しばらくするとガサガサと草が揺れ、風に乗って若干不快な臭いが運ばれてくる。

 小鬼確定であろう。

 

―グギャギャギャギャ


「おぉ~、これが小鬼・・・こんにちは」


 やはりユアンは何処かずれているのだろう。

 とりあえず、挨拶をするユアン。


『小鬼に挨拶する馬鹿がどこに居るんだ・・・』


 マオは堪らず呆れた声を漏らす。

 

 小鬼の様相は子供のように小さな体で、不健康児のように骨ばっている。

 体色は緑色で体毛が少なく、服を着れば人間と見間違う人が居るというのも頷けるほどだ。

 しかし、顔には特徴があり、後姿限定だろうと考えられる。

 まず、醜悪な顔に出張った鼻、眼球が飛び出そうなほどギョロリとした目をしている。

 そして、もう一つ特徴がある―


「・・・臭いね」

『まぁ、体を流す習慣がないからな』


 臭いだ。

 汗の臭いと腐った卵、糞尿の臭いを混ぜれば、小鬼の匂いに近づくのではないだろうか。

 総じて相当な臭さだ。


―グギャ、ギャギャ


「臭いって言って怒ったのかな?ごめんよ」

『だからなぜ話しかけるんだ・・・』


 小鬼は一匹で木の棒一つ持っているだけでさしたる脅威には思えない。

 それがユアンをこういう態度にさせているのだろう。

 そう思ったマオはすぐさま深層に行くべきだと、予定の変更を決定した。


『まぁたいした事はない。魔法で仕留めろ』

「素手じゃ駄目?」

『可能だが臭いが付くぞ?』


 前回マオが深層に入ったとき、素手で小鬼の頭を粉砕していたが、実は臭いが付かない様に拳に魔法で覆っていたのだ。

 その魔法自体に強化要素はなく、粉砕したのはマオの実力なのだが。


「それはいやだね・・・」


 そういうと魔法を組み上げる。

 想像は風の刃。

 全てを切り裂くように。

 何を持ってしても阻めぬように。

 鋭く、鋭く、深く、深く。


「・・・『裂断の刃』」


 魔法陣が現れたということは魔法の完成を意味する。

 魔法陣が消えた後、周囲の空気がそこに集まり可視化できるほど濃密な風が現れた。

 それはユアンの言葉と同時に対象に放たれる。

 魔法を想像していた時間はそう長くない。

 小鬼が木の棒で殴る様に振りかぶった直後にそれは飛んでいく。

 当然、目の前に居た小鬼を切り裂いて。


『馬鹿だろう・・・』


 マオが呆れるのも無理は無い。

 ユアンの魔法は小鬼にぶつかった後も木々を倒しながら森の中を直進していく。

 幸い、マオが探った結果、人は居なかったようだが、森が禿げ、道が出来上がる。

 

「・・・やりすぎちゃった?」

『そうだな・・・』


 マオが呆れたのにはもう一つ理由がある。

 それはユアンの成長速度だ。

 ルークと戦ったとき以上に魔法の練度が上がっている。

 勇者補正というやつだろうか。

 成長速度が留まる所を知らない。


「あはははは・・・・」

『深層で魔法を組み合わせることを教えようと思っていたが、先に自分の力を扱えるようにしなければいけないな・・・』


 マオはこの後の訓練内容の変更を余儀なくされたのであった。

 その後、森に来た冒険者達が組合に「森が禿げた!!」と知らせ、事が大きくなったことは彼らのあずかり知らぬことである。

 

三話目です


皆さん、本当にごめんなさい。

三日(?)も更新が滞ったこと、本当に申し訳なく思っております。


出来るだけ、更新をしようと思っていたのですが・・・無理でした!!

難しいわぁ

・・・え?何してたのかって?

そりゃあお仕事ですよ?

ほ、本当ですよ?

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・ちゃ、ちゃうねん

た、短編なんか書くつもりはなかってんって・・・

信じてぇな・・・

気が付いたら手が勝手に短編書いててん

体の反抗期やってん

ファンタジーばっかりじゃなくて他のも書きたいって・・・


嘘ちゃうで?

頭の中では「一人組」更新したいなって思ってたんや


・・・はい、茶番ですね


マジでごめんね

それとよければ短編も読んでみてね

作者マイページから飛んでくれれば読めるから


書きたいものをすぐに書く癖直したほうがええな・・・まじで


ではでは~

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