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ユアン、冒険者に その一

中央通り(露店や蚤の市、宿泊施設など)

北二番(住宅と店が混在)南二番(住宅と店が混在)

北三番(主に住宅)   南三番(主に住宅)

北四番(冒険者通り)  南四番(学園通り)


ギーゴ(商人)








 この日、ユアンとマオの姿は中央通りにあった。

 学園は本日、休校日で他の学生もこの中央通りや学園から最も近い、通称学園通りと呼ばれる南四番に繰り出している。

 中央通りは当たり前のように賑わっており、あちこちで肉の焼ける音やたれの香ばしい匂いがし、コトコトと煮込まれたスープなどを頬張る様子が見て取れる。

 ユアンとマオも屋台で見つけた一風変わった料理を買った。


『なんだこれは?』

「さぁ?」

『知らないで買ったのか・・・』

「いいじゃん、こういうのも楽しいでしょ?」

『まぁな』


 二人は買った料理を観察し、疑問符を浮かべる。

 それは丸く黄金色で、表面は触ると硬い。

 しかし、ただ硬いのではなく、サクサクというべきかパリパリとしている。

 触った手を見るとテカリが見えることから油で料理されたのだろう。


「お?お前さん、この料理は初めてか?」


 同じ屋台からこの料理を受け取ったのであろう男性がユアンに話しかける。

 

「うん、どんな料理なんだろうって思ってたんだ」

「はは、確かに初めてじゃあわかんねぇよな。こうやって食べんだよ」


 そういうと彼はそれを大きく頬張る。

 サクサクと音が鳴り、中から赤い具のような物が見える。

 彼はそれを口に含んだ瞬間、満面の笑みを浮かべ、感想を口にすることなくユアンに食べるよう促す。

 初めての料理ということもあり、若干の戸惑いもあったが、男性の表情を見ると幸せそうなことから同じように目一杯口に放り込む。


 生地のサクサク感が耳を楽しませ、少し辛い具が後から舌に乗る。

 口の中が熱を持つほどの辛さで、それがまた後を引く美味しさだ。

 さまざまな香辛料の匂いがふわりと香る。

 

「から~い!!でもおいしー!!」

「だろう?」


 男性はまるで自分が作ったかのように胸を張る。

 彼は何度もこの店に足を運んでいるらしく、ここの商品を初めて買った客に美味しさを吹聴しているらしい。

 店主も宣伝になると容認しているようで、ユアンの声に口元が緩んでいる。

 入れ替わりの激しい中央通りで残り続けているということはなかなかに繁盛しているようだ。


 男性と別れ、次の店を探す間にマオと入れ代わり、それを分け合う。

 感想を言い合いながら、飲み物を売り歩く女性から果実水を貰う。

 先ほどの辛さを流すように、甘めの味を選択する。

 

 ぶつかってこぼれない様にけれど軽やかに歩く。

 マオもこの雰囲気が気に入ったのか、楽しげである。


『次はあれでどうだ?』


 先ほどの料理はユアンが選んだため、次はマオが気になった物を指す。

 それは煮込み料理であった。

 コトコトと音を立て煮込んでいるようで、葡萄酒の香りと野菜の香りが混じった匂いがする。

 売り子のおばさんから器に盛り付けられた料理を受け取り、列を後にする。

 

 煮込んでいる音からドロリとしており、濃い味付けかと思いきや、葡萄酒主体で何時間も野菜と一緒に煮込んだ為か、野菜の甘味もしっかりと出ている。

 何の肉か分からないが、口に頬張るとほろほろと解け、じゅわりと肉の旨みが口いっぱいに広がった。

 

「ふむ、旨いな」

『僕これ苦手~』


 一口だけ口にした後、ユアンはそういうと中に引っ込み、マオが表に出てくる。


「そうか?なかなか屋台にしては完成度が高いと思うが」


 ユアンが苦手だったのは葡萄酒のせいだろうか。

 幾らお酒の成分が飛んでいるとはいえ、葡萄酒独特の香りは残っている。

 お酒をまだ飲んだことが無いユアンにとっては少し酷であったかもしれないとマオは反省する。

 

 食べ終わった器は屋台の回収箱に入れ、散策を続ける。

 

「もう、そろそろ用事を済ませるべきではないか?忘れていないだろうな」

『覚えてるよ。でも後一つだけ!!お願い!!』

「俺はもう要らんぞ」


 そういいマオは中に戻り、もう一度ユアンが出てくる。

 食事をするだけなら別に学園通りで済むことだ。

 しかし、ユアン達が休日にわざわざこの通りに出てきたのは理由がある。


 それは街の滞在許可証を貰うためだ。

 ギーゴが保証人になってくれていたが、彼が次の街に行くことになった時、滞在費を払ってくれていた。

 彼には恩しか感じないが、彼が払ってくれた滞在費分の日が過ぎると不法滞在で衛兵に捕まってしまう。

 ギーゴの好意を無駄にしない為に学園から貰った学生証を衛兵に提示なければならない。


「もう一つは冒険者組合に登録しに行かなきゃね」


 そう、今日は待ちに待ったユアンが冒険者になる日である。

 彼らの夢は『七つの異観』を全て見ることだ。

 冒険者にならなくとも夢を叶える事は可能であろう。

 しかし、冒険者になる利点は多い。

 これから先、物入りになる時収入がなければ厳しいであろうし、冒険者であれば滞在許可証を発行しやすい。

 何より、マオとユアンだけで冒険するのは何か物足りない気がするのは仕方ないことなのであろうか。


「じゃあ、先に冒険者組合だね。後で外に出る予定だし」


 初めての依頼も今日中に済ます予定であり、それをユアンは覚えていた。 


『そうだな・・・、っていつの間に買ったんだそれ・・・』


 頷いたマオはユアンが手に持っている果実に目を向ける。

 瑞々しく、太陽光によって輝くそれはまさしく大地の恵み。


 ユアンが齧り付くと黄色の果汁が飛び散った。

 柑橘類であろう独特の香りと酸味が口内をさっぱりとさせる。


『・・・俺にもくれ』


 ユアンが食べる様子に我慢できなくなったのか、組合に向かいながら一口貰うマオであった。

 

飯テロ~

美味しそうに書けたかな?


一つ目はパイ生地に中身は肉そぼろ&唐辛子、飴色玉ねぎ、あと味付け

二つ目はタンシチュー

をイメージしました。


ご報告

50話達成!!

10万文字達成!!

飽き性の私がすごい続いてる!!

びっくりだね!!


皆さんのおかげです。

ありがとうございます。

これからもどうぞよろしくお願いしますね。


一話大体2000文字という感じですが、短くてごめんなさい!!

許して、ゆるしてつかぁさい


それと皆気が付いてるかな?

まだ、一つ目の街だってことに(汗

以下ネタ(ゆるしてつかぁさい


読者様「学園生活全部書くつもりじゃねぇだろうな?」(注:フィクションです

私「いえ・・・もうちょっとで王都に・・・」

読者様「王都でも学園生活書くつもりじゃねぇだろうな?」(注:フィクション

私「ちょっとだけ・・・はい書きます・・・」

読者様「あ゛ぁ?」(注:優しい読者様方はこんな事いいません!!

私「すぐに冒険に出しますんで許して!!(土下座」

読者様「それと・・・ハーレムタグどうなっとんじゃああああ!!!!」(注:読者様はもっと綺麗な言葉遣いをしてらっしゃいます

私「シーナちゃんしかいなくてすみません・・・後で出しますので(クインは違います」

読者様「まだまだ言いたいことあるけど今日はこのぐらいにしといたるわ」(注:優しい読者様

私「感謝します!!」


ネタなんでゆるして

近々、またシーナちゃん幕間挟むかも・・・?


ではでは~

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