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ダンケルの魔方陣講義

読み飛ばしても何ら問題はありません・・・

これは読者様がイメージしやすいようにするためのダンケル先生講義です









 一時間目でもうほとんどのやる気が削がれた形のユアンとルークだったが、それでも魔法という興味のある授業では背筋を伸ばし、ダンケル・アダムンの話に耳を傾ける。

 ルークやクインは王都で習った内容であったが、ダンケルの授業は王都の教員よりも分かりやすく、それでいて面白い物であった。


「魔方陣について話すのじゃが、前線の兵士を希望する生徒は寝てても良い構わぬぞ?逆に衛兵や警備兵、冒険者を目指すものは寝るんじゃないぞぉ」


 魔方陣の説明の前にダンケルは生徒にそんな言葉を言った。

 教室の全員が疑問符を浮かべている。

 ユアンも同様であった。


(ねぇマオ・・・どういうこと?)


 ダンケルが答えるであろうが、マオに聞くことが当たり前になっているユアンは心の中でマオに質問する。


『魔方陣というのは魔法を発動するとき、精霊を介する魔法―つまり外魔法を使う場合だ』

「魔人たちはのぉ・・・内魔法を基本的に使うんじゃよ。つまり、精霊様を介することなく発動できる内魔法は魔方陣の発生がないのじゃ」


 マオの説明に被せる様にダンケルは授業を進める。

 後は教師の話に耳を傾けておけとマオはユアンに促し、自分もダンケルの話に集中する。

 間違いがあればユアンに訂正するつもりで。

 しかしそんなことはなく、授業は淡々と進む。


「魔方陣の勉強をする理由は魔方陣の構成を少しでも理解しておれば、相手の外魔法の内容を予測し、対抗処置が取れるからじゃ。魔人と戦う前線ではなく、盗賊や犯罪者を取り締まる警備兵などが学ぶべき授業なんじゃよ」


 だから初めに寝ていても良いと言ったのだろう。

 当然ながら寝るものはいない。

 頷くダンケルは生徒が自分の授業に興味を持ってくれた事に満足なのか。

 それとも、前線に行けば生徒の多数が死んでしまう戦争に対して否定的なのか。

 マオはダンケルの瞳の奥の感情を覗き、後者のなのだろうと思うのだった。


「魔方陣とは多くの幾何学的な紋様の集合体じゃ。例えば・・・『火球』」


 ぽっと指先に火の魔法を発動させる。

 『火球』とはその名の通り、火の球を作る魔法だ。

 

「今見えたかのぉ?」

 

 ダンケルが魔法を使用した際、赤い魔方陣が指の周囲に現れた。

 しばらくすると収束し、その場に火の球が出来たのだ。

 魔方陣が姿を現したのはわずかであり、見えたものは少数であっただろう。


「さすがに大きな魔法ではこのような早さで消えることはないから安心するが良いぞ。判断が早いことに越したことはないがのぉ?」

 

 さすがに今の時間で理解するのは不可能に近い。

 ただし、マオは見えていたが・・・。


「今の魔方陣を分解すると『火』、『球』、『留まる』、『一瞬』の四つが見て取れるのじゃ。『水球』という魔法では『火』の部分が『水』に変わるだけで、『留まる』の部分を『直線的に飛ぶ』にすれば飛んでいくのじゃ」


 詰まる所、その紋様一つ一つ覚え、瞬時に解読し、対処する魔法を構築すれば良いという話である。

 難易度はかなり高いだろう。

 生徒の顔は引きつり、寝ておけば良かったと公開している生徒もいたとかいないとか。

 しかし、そんな生徒の様子を気にかけることなく、ダンケルは話し続ける。


「魔法の発動後も魔方陣を解析することは出来るのじゃ。もちろん魔法によってじゃがな。発動後、消滅する魔法は不可能じゃ、つまり今やった『火球』は可能というわけじゃのぉ」


 シーナにマオの掛けた魔法をセラが解読出来た(理解はしていない)理由がこれであった。

 魔法が一定点に固定された魔法は魔方陣の残滓がそこにあるということだ。

 それを読み解くことも魔方陣の授業なのだろう。


「これを極め、一瞬で判断し、対処できれば立派な宮廷魔道師になれるじゃろう」


 ダンケルの言葉を聞いた生徒は皆一様に同じ事を思ったに違いない。

(((((基礎じゃないのかよ!!!)))))

 と。



 ダンケルの授業が午前最後の授業であった。

 午後からは実技であり、その前に昼食だ。

 生徒は皆、空腹で知り合いを誘い、教室を出て行く。

 学食などないので、やはり午前と同じ学外に出るのだろう。

 ユアンはルークに誘いの言葉を言おうとしたその時、くいくいと袖を引っ張られる。


「え?」

「あのぉ、一緒に食べない?ユアン君のお話聞きたいなぁ、なんて」


 同級生の女子であった。

 頬を染めながらユアンを昼食に誘う様はなかなかにあざとい。

 答えられずにいると更に集まってくる。


「ずるーい、私も混ぜてね?ね?」


 誘ってくるのは全て女性。

 当然ながら男達の視線が嫉妬の視線から憎悪に変わる。

 ユアンが困っている後ろではクインの笑い声を噛み殺す声とルークのため息が聞こえる。


「ぼ、僕ルークと・・・「私達と食べるの!!」いやだから・・・「私達よ!!」えっと・・・「むー」」


 女性達同士がユアンの取り合いになり、ユアンの意思関係なく勃発した喧嘩の炎がメラメラと燃える。

 にらみ合う女性からそっと、こっそり、するりと逃げ、教室を出た瞬間、ユアンは急ぎその場から立ち去るのだった。



「ルークもクインも助けてよ・・・」


 相も変わらず二人はユアンを助けようとはしない。

 ユアンの現状を楽しんでいるのだ。

 それはユアンも気づいており、ため息を付くばかりである。


「モテモテうらやましー・・・ぷぷっ」

「笑ってやるなよ・・・ぷぷっ」

『くっくっ・・・』


 マオも含め、三人とも笑いを噛み締めている。

 そんな三人にユアンが敵う筈もなく、諦めることを選ばざる得ないのであった。


 昼食は学外の通りにある朝食も食べた店で済ませる。

 どこも賑わっており、この時間帯なら中央通りに負けないぐらいであろう。

 

「次は実技だねぇ。ルークもユアンも昨日の怪我大丈夫?」

「俺は頑丈だが、こいつがなぁ」


 朝のことを思い出したのかルークは疑問の視線をユアンに向ける。


「だ、大丈夫だよ・・・たぶん」


 実は節々がまだ痛かったりしたのだが、馬鹿にされるのが嫌なのだろう。

 強がりで返す。

 

『ユアン、午後の授業、俺にくれないか?』

(え?)


 マオが突然そんなことを言う。

 学ぶことなどないはずだが、マオは代わってくれとユアンに頼む。


『おそらく、初日は魔法の使えない生徒のための授業だろう?俺達には必要がない授業だ。教師も放っておくと考えられる。少しだけ試したいことがあるのだ。・・・駄目か?』


 なぜか昔からユアンはマオの頼みは断れない。

 それは初めて出来た友達だからだろう。

 そして、マオがいつもユアンのためを思って行動するからだ。

 何かしら意味があるのだろうとユアンは思い、承諾するのであった。


魔方陣の説明分かりましたかー!!(先生風)

読者「分かりませーん!!」

うんうんいい感じですね(人の話を聞かない)


ってな具合で書きました。

分からなかったら活動報告に掲示板的なものがありますのでそこでお答えしましょう。


全く話が変わるのですが、小説を読んでる読者の皆様の中には自分も書いてみたいけど・・・

てな人もいるのではないでしょうか?

私は思うのです。


書いてみればいいじゃないか!!と。


何を怖がる必要があるのです?

何を戸惑っているのです?


文章力がない?

私もです


感想でボロクソ言われるのが怖い?

感想を受け付けないっていう設定が出来ますよ?(私はしていませんが《ここ重要》)


読まれるのがいや?

開示設定が出来ますよ


書くだけならタダじゃないですか。

書きましょう?

自分の読みたい本が書けるのですよ?


続けられないとか更新頻度がとかあるでしょうけど

私もそうですよ・・・

やめたっていいじゃない。(私はやめませんが)

遅くたっていいじゃない。(いつも遅くってごめんなさい)


書きたいのを我慢する必要はどこにもないんです

読むことが好きな人は想像するのも好きなはずです。

想像が現実のものとなるそんな体験をしてみませんか?


書くことを強要しているわけではありません。

ただ、私は読むのも好きなのでいい作品、いい物語、いい想像、それら増えることを望んでいるのです。


皆様の作品を目に出来る日が来ることを楽しみにしています


ではでは


・・・何がしたかったんだ私は

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