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魔王様の魔法講義

説明回です

平人=平原に住む人つまりユアンなど

魔人=マオなど

森人=エルフ

竜人=ドラゴニュート

海人=人魚、魚人

天人=天使の輪がない天使

小人・巨人=コロポックル・タイタンのようなちっさいのとおっきいの





 それは最近、日常となった光景であった。

 ケルト村の中央部から北寄りにある小高い丘、その傍を流れる小川。

 川の傍を道なりに南に進めばダナのパン屋やセラが働いている協会、主婦達の談笑の場となっている噴水があり、北に進めばユアンの家がある。

 その場所には二人で何かを話している姿があった。

 ユアンとシーナである。


「ユアンは何か夢があるの?」

「夢?う~ん」


 それは取り留めのない普通の会話から始まった。


「僕には大切な友達が二人居るんだ。その内の一人がシーナちゃん」

「えへへ」

「でもう一人の友達の夢が七つの異観を見つけることなんだって。だから僕もそれを一緒に見てみたいんだ」


 それはまだ両親にすら話していない夢であった。

 だがそれは別の意味にシーナは聞こえた。


「ねぇ、村を出て行っちゃうの・・・?」


 七つの異観をユアンから聞いて知っているシーナは夢を追うにはこの村を出て行くことになる。

 幼いながらにそれに気づいてしまった。

 ようやく出来た友達、自分を見てくれる人が出て行ってしまう。

 それは彼女にとって大きな衝撃であった。

 しかし、ユアンはそのことに気づかず夢の内容をキラキラした目で語っている。

 シーナの複雑な心境をまだ子供の彼に察することなど出来はしなかった。


「だから、最近はね。魔法の勉強をしているんだ」


 魔法。

 その言葉を聞いたときシーナに天啓めいた閃きが頭に響いた。

 ユアンがこの村を出て行くときに自分も魔法を覚えていれば一緒に行けるかもしれない、と。

 その衝動が淡く幼い恋心だと彼女が自覚するのはまだ先のことである。


「魔法、私にも教えて!!」


 必死な表情の彼女に若干押されぎみのユアンは魔法の先生でもあるマオに相談することした。


(マオ、どうしよう。教えても大丈夫?というかどう教えよう)

『いいではないか。何事も競う相手や一緒に進むほうが何倍も捗るであろう。俺が言う言葉をそのまま彼女に伝えればよい。質問されたら俺が答えよう』


 マオの許可を得たところでユアンも復習の意味も込めて一緒に聞くことにする。


『魔法を理解するにはまず魔力という物を知らねばならん。魔力は大きく分けて二つ、外魔力とない魔力である。外魔力とは―――』


 外魔力とは体外に存在する魔力のことで大気にも地中にも存在する魔力を指す。

 反対に内魔力とは体内、つまり魂に存在する魔力のことだ。

 内魔力は寿命と関係が深いといわれ、竜人、魔人、森人、天人など寿命の長い者ほど体内に内包する魔力が多いとされる。

 しかし、平人は内魔力が非常に少ないため基本的には外魔力を使い魔法を行使する。


 外魔力や内魔力どちらを魔法に使うかで長所と短所が如実に現れる。

 外魔力では周囲に魔力があればあるだけ魔法を行使できるが威力や射程、魔法発動速度が下がる。

 内魔力はその反対で威力や射程は伸びる代わりに体内の魔力の枯渇により魔法を行使できなくなることがあり、最悪の場合死に至る。


『故にユアンやシーナには外魔力の魔法の扱い方を教える』

「もし人間が内魔力を無理に使おうとすればどうなるの?」

『死ぬ。小規模の魔法しか発動できずに魔力が枯渇する』


 そう、それまでにして平人の内魔力は少ない。

 マオはあまり脅したくはないのだが、と続け話し出した。


 平人には内魔力を回復する手段がない。

 魔人などは寝る、食べるなどで回復可能だが、平人には不可能であることが実験で明らかになっていた。

 理由としては外魔力を内魔力に変換する機能がない為と言われている。


「・・・そうなんだ」

「き、気を取り直して魔法について話すね」


 話を無理やり魔法に持っていった。


『平人が魔法を行使するには外魔力を使うといったが少しばかり違う。発動したければ―――』


 周囲の精霊の力が必要であるとマオは続ける。

 精霊の存在は平人には認知されていないが魔法を行使するためには最も重要な存在である。

 順序として、まず魔法を想像しそれを頭の中で確立・定着をする。

 それを発動したい部位(ほとんどが掌)に流し、精霊に伝える。

 伝える方法としては何もしなくてよい。

 精霊がその想像を汲み取り理解すれば、外魔力で想像の具現化する直前の物をその部位に魔方陣として現し、発動可能となる。

 つまり、精霊が理解しなかったり精霊の属性が違っていたり、拒否したりすれば発動できずに霧散してしまう。


『だからお前達にはまず精霊と仲良くなるために日向ぼっこでもしていろ』

「「はいっ!!ん?どういうこと?」」


 二人は仲良く小首をかしげた。


『例を挙げれば風精霊は風が吹くところに存在し、光精霊は太陽の元に存在する。つまりそこに行けば精霊に仲間だと認識してもらえる。だから小川の傍で日向ぼっこ。その次は暗闇の中蝋燭の火の傍に、これで火、水、地、風、光、闇の精霊と仲良くなれるわけだ。分かったらさっさとしろ』

「「はい!!」」


 そうして彼らは夕方まで日向でウトウトするのであった。




最後のほうはもうユアン君も返事するようになって微笑ましくなってしまいました。

こんなはずではなかったんですけどね


週一更新目標にやってますがまあ無理ですわ

日曜日も忙しくて大変なのよね

頑張って続けるんでゆるしてつかぁさい


皆さんも無理しないように、ではでは

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