プロローグ
まずはじめに本作品を手に取っていただきありがとうございます
この作品は自分の妄想と趣味でできていますことをご理解くださいませ
思いつきということで辻褄が合わない、拙い文章、稚拙な表現、誤字脱字がありますゆえ寛大なお心で見ていただけるとありがたいです
指摘などありましたらすぐに直しますので待っております
長々と申し訳ありません、ではどうぞごゆっくりお楽しみくださいませ
そこでは一人の魔族と一人の人間が対峙していた。
魔族のほうは息も切れず、ただ悠々とそこにたたずんでいる。
一方、人間はというと剣を杖代わりに立ち、頬や腕にある切り傷ややけどによって服には血が滲んでいた。
「クソッ、これだけ集めたっていうのに!!」
どれだけ叫ぼうと、どれだけ悔いようと過去は変えられない。
周りには百人以上の死体が転がっていた。
もちろんそのすべてが人間である。
足りなかったのだ、力が・・・
侮ったのだ、魔王という存在を・・・
夢を見てしまったがゆえに死なせてしまった、仲間を・・・
圧倒的力の差を見せ付けられた人間。
逃げることはできない、勝てるわけがないそう思ったそのとき、魔王の胸に銀色の光が差した。
「ぐっ!?」
何が起こったのか平人である彼にはわからなかったが、光が剣であるそのことだけは理解できた。
「さすが魔王様、ご苦労様でした」
その言葉は魔王の後ろつまり影から聞こえた。
影がぬるりと揺らめき一人の魔族が姿を現す。
その右手には魔王の胸を突き刺した白刃があった。
「――エンヴィかっ・・・」
エンヴィと呼ばれた魔人は漆黒の羽根に鋭く尖った爪、魔人特有の紅眼に死人のような白い肌をした男であった。
「・・・やはりお前が裏切るか」
苦しそうに胸を押さえよろめく魔王。
「腕利きの冒険者パーティーを三十組をまさか無傷で殺されるとは、いやはや驚きを隠せません」
「馬鹿言うな、この程度お前でも可能だろう」
全く驚いた様に見えない表情でつぶやくエンヴィ。
先ほどまで悠然と立ちふさがっていた魔王が冷や汗と掻きながら魔人をにらみつけている。
斬っても焼いても傷がつかなかった魔王が今にも倒れそうなのを見て、平人である男には意味を理解することは叶わなかった。
「前に来た馬鹿からとっておいた剣か・・・」
エンヴィの持つ剣、それは対魔人用の聖剣であり、肉体を切り裂く剣ではなかった。
大量の魔力を持つ魔人、斬れば斬るほど対象の魔力を二倍に膨れ挙げさせ、魂に付随する自分の魔力に肉体が持たず死に至らしめるそんな剣であった。
「いやぁ、ゴミ共がもっと魔王様を疲弊させてくれるかと思ったんですがね、所詮ゴミはゴミですね。副官になって三百年長かった・・・、今日というこの日を待っていたんですよ」
エンヴィは心底うれしそうに魔王を見下ろしていた。
「・・・」
「さようなら『元』魔王様、後始末はやっておきますので」
そういいながら振り上げた聖剣は月に照らされ不気味に輝いていた。
そうして歴代最強と呼ばれた魔王の人生は部下の裏切りにより生涯の幕を閉じた・・・。
気に入っていただけたのならこれ幸いです