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温水へ行こう。

携帯を変えたため、不備があると思います。

表示されていない所があったら教えてくださるとありがたいです>_<


「はぁっ…っは……っ‼︎」


みなさんこんにちは。

ベタに階段から転げ落ちて気づいたら異世界にいた女子高生。東雲紅緒18歳です。

本当はね、もっと落ち着いた所でと思ったんだけど落ち着いて話せそうな状況じゃありません。


「っ…なっんじゃこれぇえええ‼︎‼︎」


只今私、獣と追っかけっこしてます。


なんでこんな状況になったかって?

ははは、私が知るわけないじゃないか。

逆に私が聞きたいくらいだ‼︎

後ろから追ってくる獣は犬のような、いや狼に近い姿をしていた。


(動物だけど…どう見ても目が血走ってる‼︎)


あれはもう獲物を前にした獣だ、目がそう語ってる。涎もだらんだらんだしもうアウトだ。


草木には申し訳ないがバキバキとなるのを無視して突っ走る。そうじゃないと私死んじゃうし‼︎

だけど私は人間で相手は獣。だんだんと近づいてくるのが後ろを振り返らなても分かる。


「やっ…ばい‼︎」


本当にこのまままでは待っているのは死。せっかく魅碌が獲ってきた魚がいたという川を教えてもらって水浴びでもしようと思ったのに‼︎


「なっ、めんぬぅわああぁああぁ‼︎‼︎…っ⁈」



もっと速度を上げようとした瞬間、落ちた。


……またか‼︎


デジャヴを感じるがそれどころじゃない。

誰だこんなところに落とし穴作ったやつ‼︎


幸い穴は浅く、木と木の間だったため狂い走っている獣は私が落ちたことも気づかず真上を横切って行った。……馬鹿め。


「…あ、っぶなかった…死ぬかと思った…ってて、それにしてもあの犬っころめ」


こんなにも私を走らせたなんてあの犬っころが憎い。あんなに目が血走ってなければ耳の裏をわしゃわしゃしてやったものの!

何故、こんなことになったか…



ーーーそう、時は数十分前に遡る。



ご飯を食べ終えた私たちはぼーっとしてこれからどうしようか考えていた。そこでふと、気になったことを聞いてみる。


「ねえ、そういえばあの魚ってどこで獲ってきたの?」

「…近く、に川があ、る」


なんと、川ですと?それは是非とも入りたいではないか‼︎朝目が覚めてから思ってたように、今の砂埃がついた体は水を欲していた。


(ちょっと、水浴びでもしてこようかな…でも)


やっぱやめた。

入りたいけどこの気温だと水温は一体何度になるのだ、下手をすれば凍ってしまう。残念だが諦めるしかない…


「寒いもんなぁ…」


お日様も出て朝よりは暖かくなったけど、水浴びとなると別だろう…


「み、ず浴びた、いの?」


え、と思い魅碌を見ると「…できる、よ」と言葉を続けた。

何ですと、この身体を綺麗にすることが出来るのか。

魅碌曰く、この世界の川には冷水と温水があるらしい。温水といっても熱湯まではいかない人も入ることができる川。

そしてそれぞれの川の生物は、冷水ならば寒色の色をしているのが基本で、温水ならば暖色をしているそうだ。まぁ、稀に違ったものもいるらしいけど


「ってことは、その川は温水なの?」

「そ、う…。だか、ら入れる、よ」


ふむ、温泉ってことか。是非ともそれは入ったみたい。


「それってどこにある?」

「そこ、の道をま、っすぐ」


そう言って木の間を指差す魅碌。

……え、道か?いや、どう見てもあれって獣道。あ、そういえばさっきもあそこから出てきた気がする。


「お、おおう…じゃあちょっと行ってくる。」


そう言って魅碌に背を向けて獣道を突き進むが……


ガサガサガサ…

ガサガサガサ…


ガサガサ…ピタッ

ガサガサ…ピタッ


「?…どう、したの」

「……。」


いや、お前が着いてくるからだよ。

振り返ると私が立ち止まった事に疑問をもった魅碌が同じように立ち止まっていた。


「いや、あのさ……なんで?」

「?…な、にが」

「何がって…別に着いてこなくてもいいからさ」

「‼︎」


そう言うと魅碌はくしゃっと顔を歪ませた。

うぅ‼︎なんでそんな顔するんだ‼︎私のりょ、良心が痛むじゃないか!


「あの、ほら、ね?私これから水浴びてくるし…」


一応これでも年頃の乙女だ。人前で、ましてや異性の前で脱ぐような事に抵抗はある。


「?…それ、が何」

「……まじか」


真顔で言いやがったよ。

もうこのままではいつまで経っても私は川と仲良くきゃっきゃうふふ出来ない。こうなったら…


「ま、待て。そのままハウス‼︎」


これで、帰ってくれるだろうか…

どきどきしながら反応を見てみると突然こんなことを言われた魅碌は驚いた顔をしていた。


(…うん、やっぱりこんなこと言われたらびっくりするよな。)


相手は人間だ。

動物相手ならまだしも人間相手にそれは無いな。正直自分でも引いた。


「ごめん、今のは」

「うん、わかっ、た」

「…え?」


魅碌はにこっと笑うと元来た道を戻って行った。

え、今ので分かっちゃうの?

自分で言っててあれだけど今ので分かっちゃうの?


「…なんなんだろう。」


もやもやしたけど、まぁ今は水浴びの方が大切だから気にすることではない。

魅碌のことはひとまず置いといて私は川へ急いだ。






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