表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Limite  作者: 菊月 巡流
6/10

対ファントム用武器

次の日、刹那は燈真と祈を連れて朝から外出していた。

目的は2つ。

1つは、麗光学園の制服、その他鞄や靴などだ。

2つ目は、燈真の武器。これは特定の人物の元でしか買えない特殊なものだ。

ファントムには普通の銃や刀などでは全く歯がたたない。対ファントム用の武器には特殊な術が籠められているのだ。


まず先に制服類を揃えることにした。

昨日のように街を歩くだけで視線を感じる。

刹那は変装なんかする気がないし、見られていることを気付いているくせに気にもしない。

祈は街中を歩いてるだけで怖いようで刹那の手を握ってはなさない。

店に着くと刹那が2人分の制服を注文する。

話しかけられた女性店員は刹那に見惚れて数分間放心していた。

刹那が声をかけると我に返り、慌てたように試着ですね?と服を取りに奥に引っ込んでいった。

少し待つとさっきの店員が制服を持って戻ってきた。

制服を受け取り、2人は早速試着をする。

麗光学園の制服は薄茶色のブレザーだ。

ネクタイやリボンは学年ごとにわかれており、現在1年生は赤、2年生は緑、3年生は青となっている。

燈真と祈が試着をしサイズを確認する。その間刹那は祈のカーディガンを選ぶ。

刹那が選んだのはシンプルな淡いピンク色のものだった。

試着が済んだ祈に確認をする。

刹那が選んだことを知ると、祈は嬉しそうに刹那に抱きつく。抱きつかれた刹那は慣れたように微笑を浮かべ祈の頭を撫でた。

制服を揃えた後は祈のローファーを買うために靴屋に向かう。

祈は街中を歩くことになれたようで楽しげにキョロキョロと周りを見ている。

靴は焦げ茶のローファーを選んだ。

鞄は、燈真は赤いシンプルなリュック、祈は黒のレザー生地にピンク色の音符がワンポイントとしてあるスクールバックを選んだ。

買い物が終わると既に1時過ぎになっていた。

少し遅めの昼食を近くのファミレスで摂り、武器を買うために移動した。


その武器屋は人通りの少ない路地裏にあった。

「竹爺、久しぶりだな。」

刹那は奥にいる70代後半ぐらいの老人に声をかけた。

「おお、刹那か。久しぶりじゃのう。

今日は一体どうしたんじゃ?ん、その赤髪は新入りかの?」

老人は見定めるように燈真を見る。

「そうだ。何か武器をと思ってな。新入りの皇燈真だ。」

「燈真か。よろしくの。わしは藤堂竹千代じゃ。竹爺と呼んでくれ。」

竹爺は穏やかな屈託の無い笑顔を浮かべて話しかけた。

その様子に最初は緊張していた燈真もいつもの調子を取り戻して話し出す。

「よろしく、竹爺!!」

挨拶を交わすと早速本題にはいる。

「燈真、武器の希望はあるか?」

刹那がいうと、少し考えるような態度を見せたがすぐに、みんなはどんなの使ってんの?と質問を投げかけてきた。

武器を使うのは今のところ刹那と黒陽だけだった。

黒陽は針、刹那は刀を使う。

針は竹千代特製の30㎝程度のもので、大抵は投げつけて使う。

説明を聞き終わると、

「俺にはどんなのがあってると思う?」

と聞いてきた。少しは自分で考えろと思った刹那だったが、仕方ないと思い直して考えた。

「…炎だからな、刀か拳銃あたりがいいんじゃないか?」

「炎か。それじゃあ、拳銃がいいかものう。」

「え?なんで?」

「弾が必要ないからじゃよ。炎を弾丸として込めるのじゃ。」

それを聞いて燈真は決めた。

「んじゃ、拳銃にしようかな。あっ、二丁拳銃がいい!!」

「ほっほっほ、わかったわかった。じゃあ、来週あたりに取りに来とくれ。用意しておくからのう。」

「サンキュー。」

「それじゃあ、来週また来る。武器の方よろしくな。」

「用が無くてもたまには顔を見せに来るのじゃぞ。」

刹那は苦笑しながらもわかったよ、と告げて2人を連れて家に帰った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ