ロリっ娘メイドの必殺技
やぁ、タイトルからして気になりますねー
ロリっ娘メイドの必殺技!
目からビーム!
ロケットパーンチ!
はたまたトルネードキック!
さてっ、どんな必殺技が出てくるのでしょうか?
酷すぎる授業が4限終えた後、昼休みを迎えた。
後ろに座るアリスの周りには女子が集まり、頭だけのリア充能力がほぼ皆無の男子は、遠くからアリスを見ている。まぁ、アリス可愛いからな。無理もない。
さすがかしこい学校は違う。勉強だけ出来て、リア充スキルはないんだからな。もちろん女子にもない。
勘違いするなよ? そんな高度スキルは俺にも備わっていない。
んで、休み時間はずっとこうだった。
これが転校生あるあるの一つか。きっと質問攻めされるんだろうな。ある意味恐ろしい。
俺は席を立ち上がった。もちろん昼飯を食べるためにだ。
しかし残念ながら弁当など持って来ていない。だがその心配はない。
たしかこの学校には学食があった。といっても大学部の校舎まで行かないといけないが、学食の広さは半端じゃなかった記憶がある。2000人は余裕で入るんじゃないだろうか。
でもこの学園には7000人もの生徒がいる。だから入れないということもあるだろう。
もし学食に入れなかった場合は購買でパン販売も行っているため、昼飯抜きということはない。
たしか購買のパンはかなりの数が用意されていたはずだ。
数ヶ月振りの学校というのに、我ながらなんて記憶力だ。
俺はそんなことを考えながら、廊下を歩いていた。
すると、後ろから聞き慣れた声が掛けられる。
「ご主人様、待ってくださいー!」
俺はその声の方へ向く。
その声に反応したのは俺だけではない。周りの生徒も、声の主、それとその主に話し掛けられた人物を見る。
つまり俺とアリスを見ているわけだ。
こんな奇妙な呼び方されては誰だって注目するに決まっている。
言ったらやめてくれるかな……
さすがに“ご主人様”は恥ずかしい。それに、もしその呼び方に慣れてしまう自分がいたとしたら、とてもじゃないが恐ろしい。
でも抗議したところで、「この呼び方はメイドの務め」とか言ってきそうだな……諦めよう。
「ふぅー……やっと追いつきましたよ。ご主人様はどこへ行かれるのですか?」
「昼飯食いに学食に行くだけだ」
「そ、そうですか……その……お昼を食べるのであれば……」
アリスはうつむきながら、両手の人差し指をくっ付けたり、離したりを繰り返しモジモジしている。
早く行かないと学食の席が埋まってしまう。なるべく早く会話を済ましたいのだが……
「お弁当……作ってきたので、よければ……ご一緒しませんか?」
うはっ⁉
また出た必殺上目遣い‼
俺を殺す気なのかこのメイドは⁉
可愛すぎてこのまま見つめていたい。だがそれをしてしまうと、理性を保てる自身はない。
すぐに緑色の目から視線をそらす。
「お、おう。食費も浮くしな。一緒しよう」
なんで偉そうなんだよ俺。
そんなことは気にしていないのか、アリスは顔をパーっと明るくさせた。
「あ、ありがとうございますっ! では屋上へ行きましょう!」
喜ぶその姿はどこか子供らしくて。
ーーあつ……ちゃ……
「ーーッ⁉」
一瞬、何か記憶がうごめいたような気がした。
小さな女の子が出てきてーー
「どうしました?」
「ん? あぁ、なんでもない」
俺はそれだけ言うと、アリスと共に屋上へ向かう。
本当になんだったのだろうか。
それにあの女の子……どこかで見た気が……
胸の中はなんだかモヤモヤした気持ちでいっぱいになっていた。
なんだ、大した必殺技じゃないよ
アリス登場シーンで1回上目遣い出てきたわけ……だし……
「ジー……」←アリスの上目遣い
どわはぁ⁉
(ポタポタ)←鼻血
これは必殺技ですわ……
多分人殺せますね_(:3 」∠)_