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1 幕開けの邂逅

  1






 三人で紡いでいく物語の始まりは、この夜に。


 幾多の思惑と悪意で編まれた謀略の遊戯(ゲーム)の其の一つ。


 偶然を装った必然の果てに。


 彼女は自らの運命に出逢う。


 故に。


 ――サァ、今宵ノ遊戯ヲ始メマショウ。



 ● ● ●



 ××××年五月三日。


 午前零時。


 篠宮(しのみや)(かい)の手の内にある携帯端末――『PDA』が、『遊戯(ゲーム)』の開始を告知した。


 鋼で閉ざされた街は、この瞬間に悪意に満ちた人間(ゴミクズ)が何も知らないあわれな被害者(ニンゲン)を殺す悪趣味な『遊戯』の舞台として機能するとともに、二百を超える人間の生き残りをかけた戦場と化した。


 狩人は殺意(キバ)を剥き出しに狩りに繰り出し、哀れな被害者は困惑しているに違いない。貴重な時間を無為にして、その喉元に牙が迫るまで現状を理解できないだろう。


 世界は無慈悲で、人間の悪意は残酷で、巻き込まれた被害者は不運だ。


「くだらない」


 呟きは吐き捨てるようなもの。


 やや曖昧な、実年齢よりも高く見られがちな外見をしている学生だ。黒で揃えた服を纏った彼は、無造作に『PDA』をポケットに戻す。


 篠宮戒にとって、この『遊戯(ゲーム)』はあまり意味のない暇潰しのようなものだった。雇い主(クライアント)の要請があったから参加しただけで、実質的には大した行動をするつもりもない。


 交差点のど真ん中に無造作に立つ戒は、軽く視線を巡らせる。


 電気的な明りと人の姿が周囲に存在しないだけで、何の変哲もない日常的な街の光景が広がっている。路上駐車された車。等間隔で並ぶ木々と街灯。看板や標識。周囲はビルに囲まれているし、遠くには住宅地や学校さえも見える。コンビニもある。中を覗けば、普通に商品が陳列されている。


 この街にある全ての物は参加者(プレイヤー)のために用意されたものだ。


 もっとも、それに気づく参加者(プレイヤー)がどれだけいるかは定かではないが。


 ――たかが『遊戯(ゲーム)』の舞台のために街を一つ作り上げるのだから、つくづく主催者連中の頭の中身は狂っている。


 戒の歩く静かな足音だけが、耳に届く音だった。


 鼻を掠めていくのは『死』の臭い。幾度となく繰り返されてきた『遊戯(ゲーム)』で街に染み付いた怨嗟と憎悪と嘆きと憤怒と血と暴力……総じて死へと至る絶望が、空気に混ざって緩やかに漂っている。


 まるで戦場に積み上がった死体の山が近くにあるかのようだ。


 焼き付いた『死』の不快感が鼻につくが、それに引き摺られるほどではない。


 傍から見ればリラックスしているような足取りで、根城とするべき場所を探す。


「………………。」


 よく見れば、かつての『遊戯(ゲーム)』の痕跡を目敏く見つけてしまう。


 弾痕。固まった血。割れたガラス。服の切れ端。路地裏に転がる腐臭を放つ塊。


 ここは――街の形をした墓標だ。


 それも怨霊の彷徨う類の。


「くだらない」


 もう一度だけ、彼は繰り返した。


 それからは無言で歩き続けた。






 ――同刻。


「つまらない」


 半径二百メートル以内への参加者(プレイヤー)の接近を報せる『PDA』の警告音が鳴らない程度に離れたビルの屋上で、岸本(きしもと)爽馬(そうま)も『遊戯(ゲーム)』の開始の告知を聞いていた。


 着古してあちこちが解れたボロボロの服を着た荒んだ目つきの少年である。ただし、その瞳には光が宿らず、茫洋としている。


「………あふぁ……」


 無造作に寝転がり、欠伸をする。


 ダラダラと無駄に時間を潰す。


 爽馬にとって、この『遊戯(ゲーム)』はただの小遣い稼ぎに過ぎない。


 たった三日を無為に過ごすだけで、しばらく生き長らえるだけの金が手に入る。


『下』の住人からしてみればウマい話だが、当然のように簡単であるわけがない。ロクに話も聞かずに簡単にうなずいて、ゴミクズのようなお偉いさんの娯楽を盛り上げるためだけに生贄のように死んでいった奴らを知っている。


 彼はそんな『弱い』奴らとは違う。


 生き残るだけの『力』を持っている。


 金があれば生きていける。食うにも困らない。服がボロくなっていたから、そろそろ買い換えなければならない。


 爽馬が今回の『遊戯(ゲーム)』に参加した理由はそんな程度でしかなかった。


 自発的に『狩り』をするつもりはない。弱い者イジメは面白くないし、他人と関わるとロクなことがない。


 居眠りの邪魔をしない限りは、誰がどうなろうとどうでもよかった。


 ただし、余計なちょっかいをかけてくるなら、その時は後悔するヒマも与えない。


 組んだ腕を後頭部に回して、ひとまずは一眠りしようとする爽馬。


 しかし――


 不意に耳障りな音が安眠へと沈もうとした意識を揺さぶる。


「………んだよ。うるさいな」


 顔を顰めながら爽馬は上半身を起こす。


 耳障りな音は、傍らに投げ出していた『PDA』が響かせており、それはこれまでの経験から半径二百メートル以内に別の参加者(プレイヤー)が侵入したと伝える警告音だ。


「面倒くさいな」


 こちらに警告音が鳴れば、向こうの『PDA』も警告音を鳴らしている。


 たまたま近くに配置された参加者(プレイヤー)か。あるいは好戦的な狩人(ハンター)か。後者であれば、鬱陶しい展開になる可能性もある。


「………面倒くさいな」


 もう一度呟いた爽馬はゆっくりと立ち上がる。


 仮に『PDA』の反応で爽馬のいる場所がわかったところで、実際に遭遇するにはビルの中を捜索の手間が必要となる。


 こんな序盤での遭遇にわざわざ探索するほど好戦的な奴がいるとは思えないが、抑えていた知覚圏を広げて、その気配を探る。


 そいつは――


 警告音を気にした様子もなく、無造作な足取りでビルの前を通り過ぎようとしていた。


「はっ」


 小さく笑う爽馬。


 向こうも無駄手間を嫌う性分らしい。


 実に結構。こちらも居眠りに戻れるというものだ。


 少しばかりいい気分になったので、見えない目では(・・・・・・・)意味はないが(・・・・・・)直にその姿を拝んでおこうと『そいつ』の姿を見下ろせる位置まで移動した。






 そして――






 篠宮戒は路上から仰ぎ見る。


 岸本爽馬は高みから見下ろす。


 そんな二人の眼差しが邂逅した。


 互いの存在を認識した瞬間に胸の内側に湧いたのは奇妙な敵愾心。違和感を覚えながらも互いの存在を注視すれば、敵意は不自然なほど速やかに殺意へと昇華されていく。


 それは当事者を置き去りにする悪意に満ちた必然。



 こいつは(・・・・)生かしておけない(・・・・・・・・)



 言葉を躱すまでもなく一致したお互いの思考。


 戒は『闇』を纏い――


 爽馬はその手に『力』を凝縮して『刃』と成す。


 息詰まるような緊張感が狭間を漂ったのはほんの刹那。


 直後に二人は始動する。


 狂々と。


 廻り始めた歯車に衝き動かされるように。


 戒の地を蹴る音と同時、その姿が掻き消える――いや、そのように錯覚するほどのスピードで疾走を開始していた。


 それを『知覚圏』で認識している爽馬の鋭い呼気。


 放たれた『刃』は無色透明の不可視でありながら、その切断力は人体など手応えすらなく切り捨てる必殺の一閃。


「―――――っ!」


 ギロチンのように真っ直ぐに落ちてきた『刃』を見えているかのように回避してから、さらに踏み込んでいく戒。


 ビルの中に入るなどという真似はせずに、そのまま壁面を駆け上がっていく。


 常人離れした脚力?


 ありえない。それを可能としているのは、もっと別の法則だ。


 それを当たり前のように実践している戒は平静そのもので、またそれを認識している爽馬にも驚きの色はまったく存在しない。


 回避されたことに舌打ちを漏らしながらも、さらなる『刃』を放つ爽馬。


 標的を外した『刃』に斬り砕かれたビルの破片が、地面に落下して轟音を響かせる。


 互いに交わす言葉はなく。


 ただ剥き出しにした殺意をぶつけるように。


 この『遊戯(ゲーム)』の最初の殺し合いが始まった。



 ● ● ●



 ゆらりゆらりと彷徨う意識を、ピンッと張り詰めた何かが通り過ぎていった。


「………ぅん」


 頬が冷たい。


 世羅――桜堂(おうどう)世羅(せら)の暗闇の中で浮上を開始した意識が最初に認識したのは、そんな些細な冷たさだった。


 きっかけはその程度のものだったが、それから先は彼女にしては早かった。


 ゆっくりと閉ざしていた目を開いていく。


「ここ……は?」


 自然と声が漏れる。


 どうやら眠っていたらしいというのは理解したが、何時にも増して頭の回転が鈍い。


 ――いや、眠っていた(・・・・・)


 その認識に違和感を覚える。


 うつ伏せていた体を起こしていく。基本的に仰向けで眠る彼女にとってはその体勢ですらも違和感の対象だったが、それ以前の問題として路上で(・・・)眠ったりするような趣味などがあるはずもない。


「――ぃ……痛っ!」


 軽い頭痛に、口から苦鳴が漏れる。


 そんな些細な痛みよりも、彼女の頭の内は大量の疑問符で埋め尽くされていた。


 ここは何処だ――?


 何故、こんなところで寝ていた――?


 最たるものはその二つ。


 覚束ない足取りで立ち上がった世羅は、ゆっくりと周囲を見回す。


 その視線の先にあるのは、世羅には見覚えが(・・・・・・・・)なくても(・・・・)何処にでもありそうな街中の何の変哲もない情景だ。

 ――が、それはあまりにも不自然な光景でもあった。一切の光源が沈黙した街は、どこか墓標じみていて。生者の姿が一切存在しない街は、どこか無機質な冷たさを感じさせて。


 ただ単純に薄気味の悪い不気味さがそこにある。


 いや、正確には光源はある。


 空から降り注ぐ赤黒い光――血の色を連想させるその緋色は、先に感じた気持ち悪さを助長する演出としては上々だろう。


 見上げた空には何か違和感があったが、まだ上手く稼動しない頭では違和感の正体がわからなかった。


 だが。


 あまりにも現実離れした、しかし、確たる現実の光景がそこには在った。


「………………………はぁ」


 長い長い沈黙を挟んで、世羅はため息を吐いた。


 どうやら非常識な何か(・・・・・・)が起きていて、それに自分は巻き込まれているらしい――最初にそれを強く認識した。


 現実を受け入れ、スイッチを押すように意識を切り替える。


 あっさりしているとは自分でも思うが、些か以上に大げさ過ぎるとはいえどもこんな非現実に巻き込まれそうな心当たりはあるのだ。


 その辺の関係で、こんな状況になっている可能性はある。困ったことに。


「さてさて」


 コンパクトミラーを取り出して、まずは自分の確認をする。


 淡い色のややクセのある髪は肩で切り揃えられており、両サイドの一房が桜色のリボンで緩くまとめられている。大きな瞳といい、肌の白さといい、可愛らしさと凛々しさが両立した顔立ちは、日頃からのお手入れにも手を抜いていないので、男子にそれなりに騒がれるレベルに達している。


 間違いなく桜堂世羅の顔だった。


 やや乱れていた髪を手櫛で直してから、次に意外にも取り上げられていなかった携帯電話を取り出す。それが当然であるかのように圏外だったが、そこには期待をしていなかったので落胆はしない。


 重要なのは日付と時間の確認であり、己の意識に生じた空白の把握。そこに手を加えられている可能性は皆無ではないが、そこまで疑っても仕方がないのでとりあえずは除外する。


 五月三日午前零時三十七分。


 記憶が途切れる前――最後に時間を確認したのは、五月二日の夕方だ。


 幸いにも記憶の空白はそんなに大きくはないようだった。


「どうしたものかしらね?」


 やや乱れていた服――学園の制服そのままだ――を直しながら、ついでに何かされていないかも確認しつつ世羅は、自分の記憶を遡る。


 いつも通りの朝を迎え、いつも通りに学園で授業を受け、放課後は親友の(ひいらぎ)雪菜(せつな)と一緒に街中を散策。彼女が勧めてきた喫茶店(初回)で、高校一年のゴールデンウィークをどのように過ごすかを話していた……のだが、そこから先の記憶がぷっつりと途切れている。


 喫茶店を出た記憶もない。


 どうやら、そこを起点に考えた方がよさそうだった。


 飲み物に薬が入っていたと考えるのが妥当か。軽い頭痛と気怠さは薬の影響が抜け切っていないせいなのだろう。


 そこまで考えて、背中を冷たい汗が伝った。


「………………雪、菜?」


 まさか(・・・)――なんて、あまりに楽観的な希望を祈りながら、周囲に視線を走らせる。


 同じ学園の制服を着ているはずの雪菜の姿が同様に倒れている光景を幻視しながら、しかし、その姿を見つけられずに焦燥が募る。何故なら、改めて見回した路上に鞄が二つ落ちているのに気づいたからだ。


「……っ」


 雪菜はこの場にいたのだろうか?


 仮にそうだとしても、先に目を覚ました彼女が、この状況で自分を放置するとは思えない。非常識な状況に置かれた人間の全てが冷静に行動できるわけではないのは理解しているが、直ぐ傍にいる見知った人間を放置して行動を起こす者は稀だろう。


 雪菜はおっとりしているように見えて頭の回転は鈍くないし、緊急時にも冷静に行動が出来るタイプだ。だからこそ、直ぐに気づけるようなメッセージも残さずにこの場を離れたりはしないという確信がある。


 なら、この余分な鞄は、〝敵〟側からのメッセージ。


「雪菜の身柄は押さえている――って言いたいのかしらね。

 だったら、あたしに何をさせたいのかぐらいは告知して欲しいものだけれどね」


 二つの鞄を拾い上げながら、緩い息を吐く。


 普段は車が走っている路上に立ちっぱなしというのも間抜けなので、乗り手のいないままに配置(・・)されている車の間を通り抜けながら歩道へと歩を進める。ちょうど正面にあった服屋のショーウインドウに背中を預ける。


 唐突に放り出された状況は、意味不明で最悪の一言に尽きる。


 敵の目的は知れず、こちらに示された明確な行動指針もない。その上で親友が人質にされている可能性がある。行動をしなくてはならないのに、その行動のための手がかりすらない。手探りをしようにも、何処に手を伸ばせばいいのかすらわからない。


 そんな滑稽な状況だった。


「どうしたものかしらねぇ?」


 思わずといった風に、気の抜けた声が口から零れ落ちていた。


 そんな思考に呑気に浸っていたのが悪かったのだろう。世羅は危機感を頭の中で理解していながらも、実際に実感まではしていなかった。


 平和ボケにも等しい甘さに報いを与えるかのように、急速に事態は動き出す。


「え?」


 間の抜けた声が出た。


 最初の異変は、周辺の空気の変質。


 空気が重くなった――というのが最初の印象。


 次いで形容しづらい悪寒が頭から爪先までを余すことなく侵食した。


 それは異物感。いや、異質感というべきだろうか。世羅がこれまでの人生で触れてこなかった何らかの感情。


 今の彼女にはまだ理解できないソレハ――


 本気で殺し合おうとしている者たちが放つ殺気の奔流。途方もない密度で編まれた殺意と呼ばれる感情(いし)だった。


 ズドォン――と。


 それまでの静けさが嘘のような轟音が立て続けに鳴り響き、街の一部が破壊されていく。


 現状では正確な方角がわからないので定かではないが、その破壊は彼女の右手側からもたらされた。


 ビルの構造物が破裂する。道が割れる。車が跳ね飛ばされる。爆発と錯覚する――いや、事実そうであったとしてもなんら不思議ではない轟音が鳴り響き、大量の粉塵が衝撃波に煽られて吹き荒び、通り抜けていく。


 そして、それらの破壊とは裏腹に、たんっ――と静かな音を世羅の耳に届かせて、反対車線に止まった車のボンネットに降り立つ影があった。


 時代錯誤にも程があるマントを連想させる漆黒の衣を纏った何者かは、これまた時代錯誤な漆黒の長剣を手にしている。


 遠いので細部は見て取れないが、その影は女――いや、男のように見えた。


 彼の視線は虚空に固定されており、その視線を追った世羅は空に浮かぶ人影を見た。赤黒い光に照らされたその姿は、その容姿を影が覆い隠していたが、マントを羽織っていない分だけ細部の輪郭を見て取れた。


 確信的ではないが、虚空に浮かぶ人物は同い年ぐらいの男子のように思えた――のだが、悠長に観察している余裕を根こそぎ削り取るような密度の高い『力』が、少年の掲げた右手に収束していく――


「うっそ!」


 その現象に目を丸くする。


 頭で理解するよりも先に、本能が危険を叫ぶ。


「―――――くっ!」


 とっさに虚空の少年から可能な限りの距離を開きながら、世界という歯車が廻す機構(システム)に、強制的かつ不正な介入を行う。


 それは『魔術』と呼ばれるもの。


 自分に都合のいい神秘や奇蹟を再現する『裏技』であり、桜堂世羅の裏の顔(・・・)である『魔術師』としての能力だった。


 ポケットから魔力を溜め込む性質のある鉱石――『晶石(しょうせき)』と呼ばれている――を取り出し、それに溜め込んだ魔力を加算しながら眼前に『盾』を形成した。


「間に――合えぇっ!」


 呪文詠唱は破棄(はき)


 術式の構成を最優先に、同時に必要最小限の制御を組み込む。


 かなりの手順を省略した高速の魔術起動なために、ただでさえ歪な術式がまともな『形』にさえなっていないが、それは晶石から開放した魔力で補填(ほてん)し、修正する。


「――――――っ!?」


 一瞬の差で、少年の右手が振り下ろされた。


 狙いは――車上にある漆黒の衣を纏った彼。


 だが、彼は着刃の寸前に真後ろに跳躍していた。


 立て続けに起こる非常識に感覚が麻痺しており、もはや驚く余力もなかったが、彼はその一足飛びで十メートル以上もの距離を跳んでいた。


 直後、不可視の物理衝撃が街を蹂躙(じゆうりん)した。


 一瞬で近隣の建造物の窓ガラスは粉々に砕け、鮮血にも似た紅を反射しながら舞い荒れる。直撃を受けた道路や余波に巻き込まれた建物も同様に砕かれる。大小無数の瓦礫(がれき)が礫と化して荒れ狂う。


 地震のような衝撃は、足元を激しく揺るがす。


「あ……くぅっ」


 苦痛の呻きが世羅の口の端から零れる。


 前面の防御は完璧だったが、破壊の嵐から身を護るには不完全だったと言わざるを得ない。


 幸いにも大きな怪我はなかったが、側面や背後から迫ったガラスの破片に制服は切り裂かれ、ついでに自慢の肌もちょっと切れて、血を流していた。


 深刻なのは脇腹に直撃した瓦礫で、これはかなりの痛みを訴えている。


 それでも、その程度ですんだのだから僥倖(ぎようこう)というべきだ。


「とんでもないわね」


 普通では見えないものが、ある程度は見えるように視力強化の魔術を直前に施していた世羅の目には、虚空に巨大なギロチンのような『刃』が出現したように見えていた(・・・・・)


 それが真っ直ぐに落下するように叩きつけられた結果、大怪獣に問答無用で踏み付けられたような惨状になっている。


 さっきまでの光景など跡形も無く、被害はかなり広範囲にまで及んでいる。


 惨劇の張本人である少年は、世羅に気づいた様子もなく、眼下を見下ろしながら忌々しげに舌打ちなんかを漏らしている。


「ちっ――逃げやがったか」


 虚空を泳ぐように、少年は飛翔していく。


 そのあまりにも滑らかで無駄のない飛翔は、魔術の領域を遥かに超えている。


 少なくても、彼女の知識にはあんな飛翔を実行するだけの魔術はない。


 脳裏に浮かんだ可能性は一つ。


「まさか、『能力者』なの?」


 というか、それしか考えられない。



 ――人より生まれし、人に非ざる『力』を持ちし存在(モノ)――



「………一体、何がどうなってるのよ」


 何度繰り返しても、未だに答えを得られない呟きが漏れる。


 かつて車道だったはずの場所へと立ち、痛みに耐えながらも視線は遠ざかる背中を追う。


 何が起こっているのか――?


 その単純な疑問を解消するためには、命を危険に晒さなければならない。


 たった一瞬の遭遇(そうぐう)ともいえない出来事を通じて、それが身に染みた。


 関わるなと頭の中の冷静な部分が警鐘を鳴らしているのに、世羅はいつの間にか取り落としていた二つの鞄を拾い上げ、二人が向かった先へと走り出していた。


 理由なんかない。


 でも、そうしなければならないと胸の奥で何かが訴えている。


「く……ふふっ」


 自分はおかしくなっている。

 そんな自覚はあった。


 心臓は早鐘のように鼓動を打ち、背中には冷や汗が伝っている。裂けた傷からの流血は制服を赤く染め、脇腹の痛みは表情を苦痛に歪ませる。


 進む先からは引っ切り無しに轟音が聞こえてくるし、衝撃にすら等しい爆風に乗った土砂には体を叩かれる。異常なレベルの『力』の波動に体が震える。


 巨大な猛獣の巣に、生肉を巻きつけて忍び込もうとしているような気分だ。


 なのに、世羅の口元は笑みで(・・・・・・)歪んでいる(・・・・・)


 昂揚しているのか、興奮しているのか、それともネジが外れてしまったのか。そのどれでもあると同時にどれでもない不明瞭な精神状態だったが。


 たった一つだけ。


 何かが始まろうとしている――そんな確信があった。



 ● ● ●



 根本的な意味で移動速度に差があったのだろう。


 戦闘――というかその余波で生じた破壊の痕跡を追うことで、ようやく二人がいる場所に世羅が辿り着いた時には、かつて学校と呼ばれていたはずの施設は痛々しく崩壊していた。


 ほんの五分足らずである。移動の時間を差し引けば、三分程度か。


 そして、世羅が目にしたのはそれだけ戦い続けてもなお衰えることなく、彼女からしても非常識な『力』が応酬する殺し合いだった。


「………………」


 言葉を失う。


 その光景に視線が釘点けになる。


 視力強化を維持しているので、今度は彼らの姿がはっきりと見えた。


 虚空に漂う少年は、荒んだ眼差しをしている。目付きが悪いというわけではなく、その眼差しに宿る感情が荒んでいるように見えるのだ。顔立ちは凡庸とは言わないまでも普通の域を出ていないぐらいなのだが、たった一つのそれだけで印象がかなり悪くなっている。


 線の細い体に着ている衣服も単純に着古していながら、ロクな手入れをしていない感じに解れているのが、さらに悪印象を上書きしていた。


 どこか反抗期の家出少年のような雰囲気があるのだが、殺伐度は特盛りだ。


 最初の見立てどおりに年の頃も変わらないぐらいだろうが、自分と違って学生らしさはまるで感じられなかった。


 それはそうだろう。


 あれ程の『力』をあんな風に使う『能力者』が、まともな人生を歩んでいるはずがない。


 その学校は既に処刑台と化している。


 縦横無尽に乱舞する『刃』の数は、数十にも及ぶ。


 無間に続く地獄のように終わりのない『刃』の狂想曲は、そこに在る全てを等しく平等に斬り刻んでいく。切れ味などという概念はその『刃』に存在しない。当たれば全てを切断する。如何なる防御も意味を成さず、ただひたすらに回避をするのが絶対条件。それさえも常人に対しては不可視という絶対の優位性(アドバンテージ)がある。


 校舎は八つ裂きに、体育館は崩れ落ち、地面には猛獣の爪痕の如き亀裂が刻まれている。


 それだけの破壊を行っておきながら、少年は指先の一つも動かしてはいなかった。


 傲岸不遜な態度で腕を組む少年は、その視線を何処にも向けていない。その双眸は何も見ていない(・・・・・)。けれど、少年はこの施設の全てを掌握し、視通している(・・・・・・)。それは少年にとっては視覚よりも、よほど確かな感覚なのだろう。


 天空(ソラ)から睥睨されている。


 敢えて言葉にするならば、そうした表現が相応しい。


 ――世羅にしても、学校内にはまだ足を踏み入れていない。これ以上進めば、おそらく気づかれる。少年の『感覚』は既にこちらを捕捉しているだろうが、戦闘に集中している少年に警戒されないであろうギリギリの間合いで足を止めている。


 厳密にはただの勘だが。


 何かの拍子に『刃』を飛ばされても対処できるように気を緩めない。


「………………」


 緊張で渇いた喉が唾を飲み込む。


 幸い、学校施設の外にまで『刃』の乱舞の影響は及んでいないのだが、気づかれてしまえばその限りではない。一つや二つぐらいならば回避もしてみせるが、それが十や二十になれば無理と断言する。


 故に。


 自分では決して生き残れない地獄を、悠々と歩いている(・・・・・・・・)もう一人の異常な存在にその意識を向ける。


 自分でもいまいち信じられないので繰り返すが、死神じみた漆黒の衣を(まと)った彼は、見えないギロチンがダンスをしているような空間を散歩するかのように歩いている。


 感情の色が薄いその顔は端整といっていい造りだ。


 年の頃は成人したぐらい。命懸けの戦いの場においてなお落ち着いて見えるその深みのある雰囲気は、青年と評するべきだろう。


 風に靡いているように見えなくもないが、実際には不規則にザワザワと蠢いている漆黒の衣の下にあるのは、特徴の薄い中肉中背の体躯である。だが、どう見ても世羅よりも頭一つ分は高い長身が年上っぽさを補強している。


 そして、その手には『衣』と同じ色をした長い剣を握っている。


 その剣が振るわれる。


 パキン、パキン、パキンとガラスの破砕音に似た音がいつまでも終わらない。


 ザッ、ザッ、ザッ、一定の歩幅で砂利を踏む音がいつまでも止まらない。


 黒衣の彼は複雑な軌道を描いて縦横無尽に迫る『刃』をその剣で砕き、または最小の動作で回避しながら、虚空に漂う少年の下へと歩み寄っていく。前述したように散歩するような歩みでゆっくりと。


 見えていないはずなのに、まるで見えているかのように、あるいは理解(わか)っているかのように、その歩みには迷いが存在していない。


 幾重にも展開された『刃』の檻が無き物であるかのように、確信に満ちた足取りだった。


「……す…ごい………」


 畏れを交えた感嘆が、無意識に口から零れ落ちる。


 黒衣の彼はたまたま足元で跳ねた瓦礫をさらに蹴り上げ、胸元にまで届いたそれを、剣を持たない左手で掴み取り、流れるような動作で少年に向けて投擲した。それは少なくても世羅の目には留まらないほどの速度で、人に当たれば穴が開いてもおかしくないほどの勢いだった。


「――っ」


 それまで一切の動きを見せなかった少年が、顔を横に逸らす。それは半ば反射的な動きだったのだろう。実際に投擲された拳大の瓦礫は、彼に当たるまでもなく『刃』によって砕かれていたのだから。


 だが、敵に攻撃される可能性がほとんど存在しない自身の攻撃圏内において、その攻撃が成されたという事実が、少年に回避行動を取らせていた。


 ――驚いた。あるいは、驚かされたというべきか。


 だから――


「………なんだ、まだ生きてたのか。イラつくな」


 ようやく少年は、既に終わったものと認識していた黒衣の彼に目を向ける。


 それに対して、黒衣の彼は『降りてこい』と言わんばかりに親指を下に向ける。


「………………」


 少年は無言で、左手を横に振る。


 それだけで『刃』の乱舞が止んだ。破壊の嵐渦巻く狂宴が、耳が痛いほどに静かな薙ぎへと変ずる。その極端な落差は、舞い上げられていた土砂が小雨のようにパラつく音でさえも、やけに大きく聞こえるほどだ。


 苛立ちを舌打ちという形で吐き出しながら、少年がゆっくりと地へと降り立つ。


 表情を全く変えず、ただしその眼差しに(くら)い敵意を宿し、黒衣の彼がその足を止める。



 そして、二人は向かい合う。



 決して友好的なものを含まない、純然たる殺意をその狭間に置いて。


 交わす言葉などない。


 まるで、それが当然であるかのように、殺し合いは再開される。


「――っらぁっ!」


 鋭い声と同時に、不可視の『刃』を敵に向けて放つ。


 その刃に秘められた『力』は必殺の領域――並の相手なら抗う術もなく、あっさりと二つに切断される末路が容易く予想される。


「………………」


 触れた瞬間に人生にピリオドが打たれる不可視の『刃』を、まるで見えているかのように見据えながら、なのに彼はその場を動かない。


 その変わりにザワザワと(うごめ)くように彼の纏う黒衣が翻る。


 まるで意志があるかのように、あるいは空間を侵食するように、膨張しながら彼の前面へと展開された昏い闇の中に『刃』を飲み込んでしまう。


 確かに存在した『力』の塊があっさりと無へと還元される異様な光景に世羅が驚く間もなく、滑るような歩法から距離を詰めた黒衣の彼の手にある漆黒の長剣が振るわれた。


 その一閃は夜の闇よりも濃度の深い色を持って空間を疾る。


 少年は闇色の一刃を高速飛翔で回避し、距離を詰めてきた黒衣の彼から離れ、その無手に集う『力』を『刃』と化して解放する。


 剣と『刃』が激突し、ギィン――と虚空に甲高い音を響かせる。


 砕かれたのは、荒んだ眼差しの少年が放った『刃』。


 その勢いのままに、今度は先刻に倍する速度で、地を蹴った黒衣の彼が刺突体勢で突進する。闇色の剣先は少年の胸元へと吸い込まれるように突き出され――


「――――ふん」


 直撃の寸前に目標を見失う。


 忽然と――理不尽でありながらも、当然のように少年の姿は消失していた。


「――なっ!?」


 世羅は目を瞠る。


 忽然と消え失せた少年の姿は、刹那で黒衣の彼の背後へと実像を結んで現れる。


 高位の能力者が行う空間移動(・・・・)――ある種のワープだ。


「さっきから――鬱陶しいんだよ!」


 荒んだ眼差しを裏切らない荒れた言葉が、顔面を狙う拳と同時に放たれる。


 黒衣の彼はその拳の一撃を、顔を逸らすことで回避し――


「お互い様だ」


 些細な苛立ちを宿した言葉を口から吐き出した。


 一瞬の静止。


 即座に跳ね上がった黒衣の彼の足が獲物の顎先を捉える寸前に、またも少年の姿は忽然と消失する。


 黒衣の彼はどこに現れるかがわかるかのように滑らかに視線を動かす。


 彼の視線の先、直線距離にして二十メートルほど離れた虚空に少年が現れる。


 その狭間に硬質化した純然たる殺意を漂わせながら、わずかに息を乱した二人が対峙して睨み合う。


「あまり長引かせたくない。邪魔が入る前に、そろそろ終わらせる」


「……はっ。同感だ」


 意見の一致を見た二人の間で、膨大な力が高まっていく。


 先刻に倍する『力』が、少年を中心に収束していく。それはまだ顕現もしていない少年の内側に凝ったものだが、わずかに漏れる余波が周囲の空間を歪ませ、突風じみた衝撃波を放散している。


 それは遠く離れている世羅の髪が揺れるほどであった。


「くたばりやがれっ!」


 大きくバックステップ。そのまま虚空へと舞い上がりながら、少年は大きく頭上に掲げていた右手を振り下ろす。放たれた『力』の密度が高められた不可視の『刃』が、黒衣の彼の漆黒の長剣に接触し激しく鬩ぎ合う。


 世界が震えるような激突。


 響く不協和音。


 大地を削る破壊の嵐が渦巻く剣と『刃』の削り合いは、相打ちのような形になった。


 少年の『刃』は一際大きな破砕音を響かせながら砕け散る。


 だが、黒衣の彼も受け止めきれなかった衝撃に、数メートルの後退を余儀なくされる。


「………………ちっ」


 舌を打った少年がゆっくりと地に降り立つ。


 終わらせるつもりの一撃を防がれた――その事実に苛立ちを覚えてはいるようだが、敗北感や絶望は微塵も感じられない。むしろ『飛び道具』では埒が明かないと考えたのか、前傾姿勢になった少年は近接戦を挑もうとしているようだった。


 未だ明かさぬ手の内があるのか。あるいは、分が悪いのを承知の上で、それでも敵の懐に飛び込んだ上で回避不能の『刃』を放とうとしているのか。


「…………」


 黒衣の彼は、迎え撃つように長剣を構える。


 その泰然たる態度は、相手の殺意を柳に風の如く受け流している。そこに焦りに類する感情の動きはまるで見受けられない。


 もとより、能力者の手の内など読みきれるものではない。


 敵がどんな奥の手を秘めているかわからないのは戦いの場における自明だが、『能力者』という存在は想像の予知すら及ばぬ領域に及んでいる。その『力』の種類は多岐に渡り、ある意味においては『魔術』以上になんでもあり(・・・・・・)ともいえる(・・・・・)


 普通に考えれば、不可視の『刃』だけでも必殺に至る切り札である。


 だが、その『上』があったとしても微塵もおかしくはない。


 故に、思考をするな――相手に先手を譲ってもそこから切り返せばいい。


 あの程度の『刃』など、どうということもない。


 そう思っているかのようだ。


「………う、くぅっ」


 見ているだけなのに動悸が激しくなっている世羅は、油断をすればそのまま胃の中のものを戻してしまいそうなぐらいの精神的な圧迫を受けている。傍から見ているだけでコレならば、二人の狭間に存在する緊張感はどれほどのものなのか。


 試しでも体験したいとは微塵も思わない。


「死ね」


 荒んだ眼差しの少年が地を蹴った。


 地面スレスレを滑空する飛翔で、開いている距離を詰めてゆく。


 その両手には膨大な『力』の塊が蓄えられており、それがどのような形でこの世界に顕現するのかはわからないが、必殺と称するに値する何かが放たれるのは間違いない。


「お前がな」


 迎え撃つべく身体をたわめる黒衣の彼からも、膨れ上がる『力』の気配を感じる。


 一秒にも満たないその刹那。


 スローモーションのように時の流れが切り刻まれて、二人の狭間の距離が縮んでいくのを認識する。


「……………ダメ…………」


 立ち尽くすように見ていた世羅の口から小さな呟きが零れ落ちた。


 世羅にはその呟きの意味がわからない。


 だけど――


 理由は無いのに。全く無いのに。


 強いて言うならば、それは理屈のない単なる()に過ぎない。


 ただ――間違っていると思った。


 あの二人が殺し合う(・・・・・・・・・)のは間違っている(・・・・・・・・)のだと世羅は感じたのだ。


 見ず知らずの何の繋がりも持たない赤の他人だとしても。


 殺意を剥き出しに殺し合う相応の理由が合ったとしても。


 それでも――


 そんな風に思ってしまったのだ。


 気づけば、足は勝手に走り出していた。


 紛れもない愚行であり、愚考だ。考えるまでもなく、ただの巻き添えでも死に兼ねない死地へと自分から飛び込んでいる。


 なのに。


 頭の中の冷静な部分でさえもが、今の行動の後押しをしていたのだから始末に終えない。


 だから、声の限りを尽くして叫んでいた。



「やめなさいっ!!」



 胸の内に巣食った恐れを振り払って、空気を震わす会心の一喝。


「「―――――――――っ!?」」


 彼らは互いの敵と激突する寸前で、その動きを止めていた。


「――なっ!」


 荒んだ眼差しの少年は突然の乱入者に目を見開き、驚きを露にしている。不思議と子供のような愛嬌が感じられて、素直な好感を抱いた。


「お前は……」


 改めて直視をすると、何処かで見た覚えがあるような気がする黒衣の彼は、その無表情に如何なる変化も加えていない。その奥に深い闇を凝らせた静かな眼差しだけをこちらへと向けていた。


「………はぁい♪ ステキな夜に、こんばんは」


 萎縮しそうになるのを懸命に抑えながら、最後の一歩を踏み込んでから軽く手を振る。


 不思議と胸が高鳴る。


 何かが始まる(・・・)ための歯車がカチリと噛み合った音が聞こえたような気がした。








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