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次回予告

全ての事の起こり、始まりは、月の綺麗な夜だった。


大人になるというのは、自分の心に重りを付ける事に他ならない。経験という重りをバランスよく、偏らないように、そしてその重みが安定性を生むのだ。羽のように軽やかな自由と引き替えに。



「私はソルサキヴィ家現当主、ロベルト ソルサキヴィが嫡子、リンネア ソルサキヴィ。以後よろしく頼む」


真紅のドレスがこれほど似合う少女を見た事がない。栗色の髪は朝の陽に当たり、ガラス細工のように輝いている。


「いや、そういうわけではないんだ。たぶん、信じてる」

「自分の事なのに多分とは、変なヤツだ」

「まあ、俺が世界で一番信じていないのは自分自身だからね」



ワイズ インダストリアルはある一人の女性が創設したという。そして、その女性がワイズ インダストリアルを作った目的とは、自分を調べる事。彼女は不老不死である自分の身体を調べる為だけにワイズ インダストリアルを創設したのだ。そして今も尚、ワイズ インダストリアルを影から操っているのだという。


「頼むから簡潔に言ってくれ。時間がないんだ」

「まあ、一言でいえば、リンネちゃんの言っている事の全てを信じるなって事だ」

「……忠告の一つとして捉えておくよ」

「役に立てば幸いだ」



そして陽が暮れる。空はオレンジから濃紺へ。昼から夜へと切り替わる狭間のグラデーションによって彩られていた。


「だからお願いだ! 私を、私を母さまの元へ送り届けてくれ。母さまなら必ず知っている筈なのだ。だから……」そこまで一息で言うと、リンネは不意に肩から力が抜けたように俯いた。「ただ私は、私を知りたいだけなのだ……。誰か、だれか私を教えてくれ……」





Continues to Act.2  log no.01

『Princess goes to west』

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