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禍姫  作者: 紲結、
序章
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6/19

ステラ

作戦決行日、俺達は何事も無く東京エリア外郭まで来ていた、そして原作通りに禍獣の集団に囲まれていた


「夏向、零余り無理はしないでね」


「りょーかいだよ!」


「⋯⋯面倒ね」


ふむ、量多くない?数え切れない程いるんだけど

原作と外れるけど仕方ないか


「翔さん、ここは私に任せてください」


「蒼空さん?何を」


3人が訝しげに見てくるが、俺は目を閉じ祈るように手を合わせる


「スキル発動」


そうすると周囲の禍霧が俺に纏い付きそして徐々に周囲が晴れていく

禍獣は霧の中で動く、霧がなければ本来の力より遥かに弱体化し動きが鈍くなり、禍姫ならスキル無しでも簡単に倒すことが出来るようになる


「うわ、凄いねこれ少し小突くだけで倒せるよ」


「これが浄化の能力?浄化というよりこれは⋯⋯」


夏向さんはやっぱり気付くか能力の正体に

そんな中足音がし声が聞こえてくる、おかしい原作なら合流出来なかったはずなのに


「皆さん、やっと見つけました」


「凄いねぇ~ここだけ霧がないや」


「第7部隊の皆、合流出来たんだね

それと君は」


「私の事は無視して構わないわ」


第7部隊の皆に他部隊の禍姫が1人

原作完全に壊れてないかな、そんな事を考えていると星沙さんがこちらを見て口を開く


「すみませんが、作戦の中止を求めます

今すぐ撤退するべきです」


「何か合ったの?」


「それは、今回の作戦は本部からの正式な命令ではありません

教団が入り込み、私達第7部隊と第4部隊にのみ通知された作戦でした」


「やっぱりね⋯失敗前提の作戦だもの何かはあると思っていたわ」


星沙さんの言葉に夏向さんが頷く、確かに今回の作戦は教団絡みで俺を捕まえる為だけの偽りの作戦だった

でも気付くのは俺が攫われ、全てが終わった後の筈なのだが展開が早すぎる


「教団絡みは意外だったけど、それでそこの禍姫が一緒なのね」


「まあそうね、一応自己紹介はしておくわ

私は第12部隊の禍姫よ、貴女達の事は知ってるから自己紹介は不要」


「あはは、できれば仲良くしたいんだけど」


「結構よ」


翔さんが歩み寄ろうとしても、12部隊の禍姫ははっきりと断る

翔さんは困った顔をしてるがこれは仕方なさそう


「あの、続きを報告してもいいですか?」


「星沙、お願い」


「実は私達以外にもカノンさんと悠利さんも来ていたのですが⋯⋯」


「近くにはいなそうね」


カノンさんと悠利さん?何故あのチート二人組が来てるんだ?

わからないことが多すぎる、取り敢えず話の続きを聞く


「実は教団員との戦闘になり2人とは別行動になってしまいました、あの2人なら問題は無いと思いますが」


「そう、敵対者については何かわかるかしら?

もし他にもいた場合について敵に関する情報はあったほうがいいわ」


「そうですね赤髪の少女でした、ただ」


「ただ?」


星沙さんが少し困惑しながら言葉を紡ぐ


「私達と同じようにスキルを使用していました」


「それって相手も禍姫ってこと?うわーやだなぁ」


「零、少し黙ってて」


星沙さんと夏向さんの話し合いに零が突っ込むがあっさり撃退され彩さん達の方に混ざりに行った

そして零さんに変わり翔さんが星沙さんに質問する


「教団員には禍姫がいる、それはわかったけど2人がここにいないのは何で?

あの2人なら直ぐに戦闘が終わると思うんだけど」


「不死です」


「「不死?」」


2人は何を言ってるのか理解できないように言葉を被せて聞き返す


「はい教団員の禍姫、名前をメアと言いましたか

彼女のスキルは不死、私達の目の前でカノンさん達は何度も殺害に成功しています

ですが周囲の霧が集まったと思ったら再び何事もなかったかのように姿が形作られ生き返る、そんなスキルでした」


「あり得ないわ、霧って禍霧でしょ?それを利用するなんて幾ら禍姫だろうと無事では済まないわ」


「うんうん、そうだよねぇ〜

アヤはね禍姫に近いだけで別物だと思うなぁ〜」


「彩さんの言う通りかも知れません、相手は未知の存在の可能性さえある、なのでここは撤退すべきです

悠利さんとカノンさんなら心配する必要性が存在しません、ここは私達が2人が帰還できるように直ぐに撤退すべきです」


「それは少し困りますね⋯⋯せめて蒼空さんは置いて行ってくれませんか?」


星沙さんの会話を遮るように声がした、今まで居なかったのに俺のすぐ目の前に1人の少女がいた

本来ここにいてはいけない存在、教団の教主ステラ

原作だとここにはメアが来ていたはずだ

そして目の前にステラの手が伸び


「やらせるわけ無いでしょ」


「蒼空ちゃんから離れて」


左右から夏向さんが爆破による加速、零さんが氷結により地面を凍らせての移動の為にスキルを使い、ステラと俺の間に割り込もうとする


「ふむ、CODE:Gravity」


「え」「何」「ぐ」


グォン


ステラが周囲にいる俺以外の皆を見回し呟くと同時、俺とステラ以外の全員が地面に叩きつけられた

割り込もうとした夏向さん、零さんは当然として翔さんや第7部隊のメンバーも動けていない

Gravity⋯⋯重力を操り皆を地面に叩きつけたのだろう

地面に倒れ伏した皆とステラの位置を確認し、星沙さんが瑠流さんに声をかける


「瑠流さん!」


「わかった、とりゃー!」


瑠流さんのスキル植物成長が発動し、ステラの周囲を埋め尽くしていく、地面がありそこに植物、もしくは植物の種さえあれば急成長させるそれこそ、花見 瑠流のスキルの真骨頂だった

しかしステラが成長する植物を一瞥し


「CODE:Delete、無駄なことを」


スキルを発動させる、それだけで成長する筈だった植物が消えていく

Delete⋯消失のスキル、それが瑠流さんの植物を消した力


「複数のスキル?いえスキルは1人に1つ、ならカラクリが何かしらあるはず」


夏向さんがスキルの本質を探ろうとしている中、12部隊の人が動いた


「スキルがいくつあろうと切ればいいだけ」


「おや?動ける人がいたのですか

ではCODE:Wound」


「クソが」


スッ

ステラが飛び込んできた人を視認し指を振るそれだけで12部隊の人が全身からまるで切られたかのような傷が現れ血を噴き出して倒れ尽くす

Wound⋯⋯創傷のスキル


「さて、それでは行きましょうか蒼空さん」


ステラがまた俺に手を伸ばす、俺が教団に捕まる

それ自体は原作通りだから問題ない、でもステラが来たことで被害がかなり拡大していた


「どうかしましたか?もしかして来てくれないのでしょうか?でしたら」


「待って何をするつもり!」


思わず声をあげてしまう

ステラが倒れ伏した禍姫に視線を向け指を振る


「簡単なことですよ、私は無理矢理は嫌なので貴女からついてきて欲しいのです

なので付いてきたくなるように、CODE:amputation」


サク

赤が周りを彩る、禍姫の人の腕が切り落とされた

amputation切断のスキル

そして血溜まりの前でステラはこちらを穏やかな微笑みで振り返る


「来てくださいますか?もしまだ付いてきてくれないのなら、1人づつ手足を切り落としていくことになります

可哀想だと思いませんか?手足が無くなるのは、でも貴女が付いてきてくれないせいですよ?次はアンカーでしょうか?」


そう楽しそうに翔さんに指を向ける

そして俺は


「ついていきます、だからお願いですやめてください」


声が少し震える、失敗したかも知れないがステラは気にした様子はなかった


「ふふ、ありがとうございます

やっぱり誰かを傷つけるのは悲しいことですからね

でも忘れないでください、蒼空さん貴女が私達を悲しませたら、うっかり誰か殺してしまうかも知れませんよ?」


そう、連れてかれるのは原作通りだ、だから問題ないはずだ

翔さん達を振り返る、その直前にステラは俺⋯正確には顔を見ていた

皆が何か言おうとしているが、何も聞こえない


「CODE:Mute、雑音を聞く必要性はありませんからね」


Mute多分消音のスキルだ

ステラのスキルの正体、多分だけど夏向さんと星沙さんの2人は気付けたと思う、案外単純だから

でも気付けたとしても強力なスキルであることには変わらない

原作通り進めば犠牲は俺だけで済む筈だった、だからこそ思う

俺以外には犠牲は出てほしくなかったと

そう考えていると俺とステラの周りを黒い霧が多いそこで意識は途切れた






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