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第2話 静かな変化

急に現れるシャルルの周りの変化。

楽しんで頂けたら幸いです。


 最近、学園が少し静かだ。


 ……いや、正確には、私の周りだけ。


 以前は、廊下ですれ違うたびに聞こえていたひそひそ声が、いつの間にか消えていた。

 視線も減ったし、わざとぶつかられることもない。


「今日は平和だなぁ」


 私はのんびりそう思いながら、中庭のベンチに腰を下ろした。


 少し前まで、ここは伯爵家以下の令嬢たちの定位置だったはずだ。

 でも今は、誰もいない。


 代わりに聞こえてくるのは、先輩たちの会話。


「……あの件、エドワード様が動いたらしいわね」

「ええ。名指しはしていないけれど、家名だけで十分だったとか」


 ……あの件?

 家名?


 よく分からないまま首をかしげていると、背後から落ち着いた声がした。


「シャルル」


 振り向くと、そこにはエドワード王子殿下が立っていた。

 相変わらず穏やかな笑みで、距離は――少し近い。


「最近、困っていることはない?」


「え? 特にないです。むしろ快適で」


 本当だ。

 嫌がらせもないし、道も譲ってもらえるし、授業も静か。


 私がそう答えると、王子は満足そうに頷いた。


「それなら良かった」


 それだけ言って、彼は去っていく。

 背中を見送りながら、私はなんとなく胸の辺りを押さえた。


 安心したような、

 でも少し、囲われたような。


 その日の午後、噂を聞いた。


 以前、私に絡んでいた令嬢の一人が、急に転校したらしい。

 別の一人は、家の事情で長期欠席。


「エドワード様がね、直接叱ったわけじゃないのよ」

「ただ、“准男爵令嬢に不利益を与える行為は好ましくない”って一言」


 ……それだけ?


 それだけで、こんなに変わるんだ。


 私はふっと笑った。


「心配性なんだなぁ」


 そう。

 きっとそれだけ。


 エドワード王子殿下は、少し怖いけれど、

 とても優しい人なのだ。


 たぶん。


お読み頂きありがとうございます。

どんどん、シャルルが知らない間にエドワードが近づいてきます。

次回もお楽しみに。

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