第12話 王族会議
ルーカス視点での王族会議の様子です。
(ルーカス視点)
――ああ、やっぱり呼ばれたか。
王族限定の非公式会議。
部外者は排除。
婚約者本人も、当然いない。
私は、幼なじみだからと言う理由で、何故か、エドワードに関する会議には呼ばれる。
嫌な予感しかしない。
国王陛下が、重く口を開いた。
「エドワード。
婚姻は認めた。だが――」
「ご懸念は理解しています」
エドワードは、穏やかに遮った。
王妃陛下が、慎重に続ける。
「あなたの執着が……少々、過ぎるように見えるのです」
空気が、張り詰めた。
側妃殿下は、静かに目を伏せている。
知っている顔だ。
――止められないと分かっている。
王太子殿下が、核心を突いた。
「お前は、あの令嬢を
“伴侶”として見ているのか?」
一瞬。
エドワードの表情が、完全に消えた。
笑みも、穏やかさも、全部。
「……違います」
はっきりとした否定。
王女の誰かが、息を呑む。
「彼女は、
俺が生きる前提です」
誰も、言葉を挟めない。
「彼女が傷つく可能性は排除する」
「奪われる未来は想定しない」
「離れる選択肢は存在しない」
淡々と、事実を並べる口調。
国王陛下が、低く唸った。
「それは、愛ではない」
「承知しています」
即答。
「ですが、手放す理由にもならない」
王太子殿下が、苦い顔で言う。
「……お前、自分が何を言っているか分かっているのか」
エドワードは、初めて笑った。
王族にだけ見せる、冷たい笑み。
「分かっているから、宣言している」
そして。
「彼女に触れる者は、
たとえ王族でも例外ではありません」
……来た。
ルーカスは、頭を抱えた。
「国王陛下、止めてください。
こいつ、本気です」
国王陛下は、長い沈黙のあと言った。
「……エドワード」
「はい」
「シャルル嬢が、
もし“離れたい”と言ったら?」
一瞬。
ほんの一瞬だけ。
エドワードの指が、わずかに震えた。
だが、すぐに止まる。
「……その言葉を、
彼女が口にする前に、
そうならない世界を用意します」
完全に、詰みだった。
王妃陛下が、静かに目を閉じる。
「……あの子は、何も知らないのよね」
「はい」
エドワードは、優しい声で答えた。
「だから、幸せでいられる」
エドワードの実の兄
側妃殿下の第1王子がため息をついた。
ルーカスは、心の底から思った。
――この国で一番危険なのは、
戦争でも、陰謀でもない。
たった一人の、天然な准男爵令嬢だ。
お読み頂きありがとうございます。
次回、エドワードが爆弾発言をします。
お楽しみに。




