過去の記憶と不安な気持ち
なんとか1話かけました!
今週来週が過ぎるといくつかはかけると思いますのでお待ちください!
幼馴染の大矢将司。
まーくんと呼んでいた彼の印象は小さくて線の細い、女の子のようなかわいいやつ。
まぁ弟というか舎弟というかそんな感じのやつだったのは間違いなくて。
人懐っこい笑い顔には昔の面影を感じるが印象は大きく変わっていた。
それも一目見ただけではすぐに気づかないほどに。
実際、呼びかけられる直前まで俺は気づかなかった。
細いがひょろひょろとした細さではなく運動の跡が見られる引き締まった体型。
身長も俺よりも高くなってそうだ。
なにより、アイドルみたいなイケメンになっている。
確かに女の子みたいな顔をしていたがあの顔が成長するとこんなにイケメンになるとはな。
いやぁ、お兄ちゃんはお前が元気そうで嬉しいよ。うん。
大矢の爆弾発言でクラスがざわめく中、自分の許容量を超えた俺はボーっと大矢を見つめながら返事をするでもなく空想に耽っていた。
まぁ、現実逃避だ。
いつもは空気のような存在が「ツヨちゃん」発言とともに全員から注目を浴びる。
おかしいな、スキルは使っていないんだが。
正直、すぐにでも立ち上がって教室を出たいがそうはできないので下を見つめてやり過ごそうとする。
「木下と知り合いなのか?」
クラスがざわつく中、山崎が訪ねる。
「そうなんです!家も近くて小学校も一緒で!同じクラスでよかったです!」
「へぇ、そんな偶然もあるんだな。じゃあ、何かわからないことがあったら木下に聞いたらいい。ひとまずはこれでホームルーム終わるから話したい奴はちゃんと並べよー。女子の列ができそうだなぁ。」
山﨑が冗談めかしながらホームルームを終えると俺は足早に部室へと向かった。
案の定、クラスメートに囲まれている大矢を横目に。
通り過ぎる際、目が合う。
何か言いたげにしていたがクラスメートたちの質問に遮られる。
通り過ぎた後、女バスの川島の声が聞こえた。
「大矢君、ノムちゃんのこと知らない?同じ小学校だと思うんだけど。」
部室に向かうとポインセチアに目を向ける。
いつもの日課だ。
といっても水やりは2日に1度程度、表面の土が乾いたらあげるといったものなので今日は見るだけ。
数秒で日課を終えるといつもの定位置である後ろの席に座る。
大きく後ろにもたれ掛かると天井を見上げた。
アイツが、まー君が転校してくるなんてなぁ。
しかもイケメン転校生で身長も俺より高くなっててみんなに囲まれて。
よく記憶の中で美化されるなんて言われているが俺の場合は自分を美化していたみたいだ。
弟分の頼れる兄貴分的な。
正直、まー君に対して抱いていたイメージとしては後ろからくっついてくる可愛らしい弟としてのイメージ。友達で同い年ではあるんだけど、どこか幼さが残る、そんな幼馴染。
決して下にみていたわけではないんだけど、でも、弟分として見てたってことは結局したに見てたのかもな。それが今では真逆だからなぁ。
そんなことを考えているとふと不安がよぎる。
アイツが俺のことをどう思ってたかは知らないが今の俺の総スカンされている現状を知ったらどうするんだろうか。
一気に青ざめてくる。
今もクラスメートからいろいろと質問されている頃だろう。
もしかすると、いや、もしかしなくても俺の話を出すんじゃないだろうか。
確か女バスの川島が最初に話しかけてたよな。
女バスの川島かぁ。
終わったな。
そもそも総スカンが始まった元凶みたいなやつなんだから。
少し前に、ずっとまーくんだったらこんな状況でも話しかけてくれるんだろうかなんて考えてたからバチでも当たったんだろうか。
一縷の望みがまーくんだなんて思っていたわけではなかった。
そもそも学校も違えば、引っ越した後に一度も会っていなかったんだから。
思い出の中の弟分、そんなイマジナリーフレンド。
ただ、話せるかもみたいに思ってたやつが実際は総スカンに加わるってのは想像以上にクルものがある。
なんでこうなっちゃったかなぁ。
まーくんが転校してきた衝撃で珍しく勉強することもなく1時間が経つ。
本来であればもう山崎が来ている時間だが転校生の手続きでもあるんだろうか、まだ姿を見せない。
といっても別段珍しいことではなく忙しい日に来ないことはままあるのでそういう日は時間が来たら帰っていいことになっている。
いわゆる普通の部活が終わるのが6時頃。なので山崎の許可をとってほかの部活の生徒と帰りがバッティングしない時間に帰らせてもらっている。
早めに帰ることもあれば遅めのときもあるのだが、今週はもしかすると学際の件で誰か来るかもしれないと思っていたので18時15分まで残っていた。
だが、今週誰も来ていないことを考えると山崎と二人の出し物が濃厚だろう。
勉強も手につかないし、今日は残らなくてもいい。
そう考えると席を立つ。
勉強道具を開かなかったので鞄を持ち上げると帰り支度が完了する。
ドアノブに手を伸ばした時、ガチャリとドアが引っ張られる。
山﨑だ。
「うわっ!びっくりしたぁ~!」
ドアの目の前にいた俺に少し大げさに驚く。
「なんだ、もう帰るのか?」
鞄をもっている姿から察したらしい。
少し困った様子でそのまま続けた。
「待望の新入部員なんだけどな。」
そういって後ろを振り返るとそこには転校生である大矢将司こと、まーくんが顔を覗かせていた。
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