部員集合!
3話目です!なんとか順調にアップ出来てほっとしてます。
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「じゃあこれで終わるから解散な」
山崎のその一言でホームルームが終わる。
昨日の発言通り今から出し物を決めるのだろうか。そもそも部員はくるのだろうか。想像するだけで足取りが重くなる。
「ゲノシタ、いつにもまして不快だわ。」
そんな川島の言葉が聞こえるが気にしない。スルーしていつもの部室へ。緊張しながら入るとまだ誰もいなかった。ホッとする反面、自分のせいでだれも来なかったらどうなるんだろうかと不安になる。とりあえず習慣であるポインセチアに水をやる。そわそわと部室内を歩いてみるも誰かが入ってきたときに歩いてたら変かなと思い席に座る。だがやっぱり落ち着かず立ち上がりまた座るといった行動を繰り返す。
このまま誰も来なかったら山崎もあきらめてくれるんじゃないなんて考えていたその時ドアノブがガチャリと音を立てた。
浮かしかけていた腰を沈めるとゆっくりとドアに視線をやる。
「おっ、早いな。」
そういって入ってきたのは山崎だった。やっぱりそうだよなとホッとしたのもつかの間、山崎に続いて部員がぞろぞろと入ってきた。
「うわぁ、俺この中に入るの入部依頼2回目だわ。」
そう言って顔を覗かせたのは森本だ。
「僕はもうちょっとあるけどね。」
続いて入ってきたのは中村だ。
中村はいわゆる帰宅部だ。噂では家の手伝いをしているため園芸部を選んだらしい。確か定食屋だったと思う。森本と違ってクラスが違うのでよくわからないが。
ふたりはこちらに気づくと何も言わずに山崎のそばの席に腰を下ろす。ちなみに俺は一番奥の後ろ隅の席に座っており二人は山崎が座っている白板のそば、つまり前の席に座った。
「やまちゃんさ、今日話があるってなにがあんの?」
「できれば早めに終わってもらえると助かるんですが。」
森本と中村が本題に入ろうとする。おそらく森本は練習、中村は家業の手伝いでも控えているのだろう。早く帰りたいのも頷ける。
「まだ全員集まってないだろう?もうちょっと待っててくれよ。」
山崎がそういうと二人が目を合わせた。
「いやいや、だれも来ないっしょ!はやく始めよーて!」
「それがいいですよ!」
そんなことをいう二人をなだめながら待つように山崎が言い聞かせる。
しばらく山崎と森本、中村の3人の会話を聞きながら宿題を開いて待っていると追加で2名の女子が入室してきた。
自宅がバイオリン教室でいろんな大会に出て表彰されている齋藤。家が花屋の斯波。当初、斯波は自分以外で唯一園芸部に姿を見せていたが懇意にしていた3年の先輩が部活を引退するにあたり来なくなっていった。
全員が席に座ると山崎が口を開く。
「えー、とりあえずこんなもんか?まぁ5人も集まれば十分だろう。そもそも活動していない部だからな。で、だ。早速なんだが今日みんなに集まってもらったのは学際の出し物についてになります。さっそくだが何かしたいこと、喜ばれそうなこと、何でもいいからアイデア出していってほしい!」
そうやって部員を見渡す。昨日の時点で内容を聞いていた自分以外の全員が固まる。俺も昨日聞いたときは思わず、は?って言っちゃたしな。その気持ちはよくわかる。
その反応は山崎も予想していたのだろう。少しフォローするように経緯を語り始める。
「あー、実はこの園芸部、まぁ実質帰宅部なんだが今年いっぱいで廃部になることが決まった。で、だな。校長から廃部前に予算出すから何かやってみろってことになってな。なんである程度は融通が利くからやりたいこと言ってみてくれ。なんか無いか?」
「いや、やらなくていいなら何もやりたくないかも。」
「あー、俺も俺も!」
中村がけだるそうに言うと森本も食い気味に同意する。
女子部員も困った顔をして意見を求められないよう山崎から視線を背けている。
一応、昨日のうちに聞いていた身としてアイデアは考えてきていた。学際といえば出し物、それも飲食店が華だ。その中でもフランクフルトとジュースの販売であれば温めるだけなので手間も少なく少人数でも回せるんじゃないかと思う。
あとは一応、園芸部なので花関係だ。花を売るというのは厳しいと思うが何かやりようはあるんじゃないかと思う。何かが思いつかないが。
「あー、先生としては、なんだが。ほとんど帰宅部みたいなもんだったとはいえ来ている子もいたわけだしささやかなものでもいいから何かできたらいいんじゃないかと思ってる。それに、なんだかんだこの園芸部の顧問も長かったしな。最後くらいはって思ってるんだがどうだろうか。」
中村のやらなくていいのであればやらないといった雰囲気に流されそうな空気感が少し変わる。
ただでさえ園芸部として活動していないうえ、学際の出し物まで断っていいのだろうか。
園芸部に顔を出さないからといって文句を言われたこともない。
もしかしたらみんなでしたかった活動もあったかもしれない。
これが最後のチャンスになるかもしれない。
そんな声が聞こえてきそうな表情をしている。
実際、山崎と二人で部室で話していた時に聞いたことがある。全員とは言わないが校外で活動している面々について強制的に部活に参加するように校長からお達しが出たことがあったが山崎が無視して構わないと伝えたことを。他にやりたいことがあるのに無理やりやる必要はないと。
この山崎の発言に救われた部員も少なくないだろう。
かくいう自分も総スカンを食らってからは唯一の会話相手である山崎の希望にはできる限り応えたい。
そんなことを考えていると山崎と目が合う。
「木下はなにか無いか?」
総スカンしているクラスメートたちがいる中での山崎の問いかけ。
自分は当たることはないと勝手に高をくくっていたこともあり、一気に心臓が動悸がするのだった。
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