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第三章

アイリン国に入った。

アイリン王族の、しかも殿下の所有する馬車だけあって、とてもすんなりと入国できた。


アイリンの術師とはどんな人だろう?

やはり光の者だろうか...



術師は2種類いる。

元々は1つの種族だったらしい。

だが、今は二つに分かれている

光と闇に....


普通の術師は光

そして呪いを得意とするのが闇

いつどこでそんな風にわかれたのかは分からない。


今ではまるで違う種族になってしまっている

闇の方が圧倒的に人数が少ないが、力は闇の方が強い。


闇は人に仕えることなどめったにない

だから、国に仕える術師はほとんどが光の者だ。





馬車は、立派な屋敷の前で止まった。

無駄に整えられた屋敷だった

屋敷の門から2人の男がこちらに近づいてきた。


私たちは馬車から降りた。


2人の男はどちらも執事のような若い男で

燕尾服を思わせる服を着ている。


1人は・・・術師のようだ。

やはり・・光の者か。

私より年上のようだが、力は弱そうだった。


もう1人の男の方が話しかけてきた

「ようこそ・・お待ちしておりました。こちらへどうぞ」

男は深々をお辞儀をした。


術師は・・・・

震えていた

ルートへの挨拶もない


男が挨拶をするよう促しても

虚ろな目がキョロキョロと動くだけだった。

「おい、どうした?挨拶しないか・・・」


男が耳元でささやいた言葉が聞こえた


術師はこちらを・・・・

正確に言えば私を見た。


サッと視野から術師が消えた。

と思ったら、術師が顔を地面にこすりつけ土下座をしていた。

男は、術師に近寄り起こそうと腕を引っ張るが動こうとしない。

「何をしているんだ・・・ルート殿下にご無礼だぞ」

男は慌てていた。

だが、術師はそのままの体勢を続けた。


「どうしたんだ?」

ルートが小声でカインに言った。

「さぁ・・・」

カインも不思議そうな顔をしていた。



あぁ、この術師は私に怯えているのか...


術師は相変わらず動こうとしない。


私は、術師にそっと近寄った。


ヒッ....


術師が発した最初の言葉は、私に対しての恐怖だった。


ほら、これが普通の反応なんだよ


「私は貴方に何かするわけじゃない...

顔を上げて...」


術師はやはり怯えた目で私を見た


私はモヤモヤとした何かで胸がいっぱいだった


「はい..申し訳ありませんでした」


術師は立ち上がりながら詫びた

その声は震えていた




ルートだけ別の部屋に通された


私とカインとシュラは、無駄に豪華なゴチャゴチャとした広間に通された


この屋敷を建てた人物の趣味はいったいどうなっているのだろうか...と思わず考えてしまった

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