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第一章

誤字脱字・・・

意味のわかんない言葉の数々が

多々あると思います。


よろしくお願いします

森はひんやりとしており、人の気配など一切しない。

木々が生い茂り人が手を加えた様子がない。

ここまで来れば何とか大丈夫だろう。


辺りは少しずつ明るくなってきた。

夜がもうすぐ明けるのだろう。

もうむやみに動かない方が得策だ。



今日はこの辺りで野宿でも・・・

と思った時目の前に小さいが小綺麗な小屋が建っていた。

いったい何でこんな所に小屋など建っているのだろうか?


近づいて見るとキチンと整備されている。

定期的に手入れをしているらしい。

だが、中には誰もいなくドアには鍵がかかっていた。


運が良かった。

今日はここで休もう。

小屋に寄りかかり、目を閉じた。


光が差してきた。

朝が来るようだ

森の中は思っていたより光が差す。

太陽が天辺に来たらさすがにしんどいだろう。


その時、急に光が途切れ私の身体にフカフカしたものが当たった。

目を開けてみるとそこには大きな黒い山犬のようなモノが私の上に覆い被さってる。


「サンかぁ・・・久しぶりだね」

山犬のようなモノは私から離れて私の前に立った。

「久しいな・・・こんなところでなにをしている?沙桜」

低い声。身体全体に響く。相変わらずだな

「少し事情があってね。あの国にいられなくなっただけだよ」

澄んだとても美しい瞳が此方に向けられた。

「フッ・・愚かな人間どものせいか?」

辺りはもう明るい。木々が輝いている。


「クス・・どうだろうね?」


私はサンの毛並みにふれた。

サンは嫌がる様子もなく私にそっと近寄ってきた。

「まぶしいだろう?もう朝だからな・・・」

サンはまた私に覆い被さった。

とても温かい。

「サンは何でこんな所にいるの?」

サンの毛並みはとても美しい。

闇色の毛並みはうっすらと光に照らされていた

「沙桜が国を出たの聞いてな・・・」

優しい口調だった。心配してくれたらしい

「情報早いね。あそこでなら上手くやっていけそうだったんだけどね」

今思うと懐かしい。あの街並み、もう戻れることは無いのだろう


サンは何にも言わなくなった。

私は静かに眠りにつく。何日も睡眠を取っていなかったし、

サンに会って安心できたからであろう。


日は昇りサンと私を照らし始める。




どのくらい眠ったのか、遠くで人の気配がする。

私と少々離れた場所にいるサンもそれに気づいているようだった。

「人が来るな・・・2,3人というとこか・・」

サンがつぶやいた。

日はもう高くなっている

「どうするんだ?私の背に乗せてやろうか?」

サンはここから離れた方がいいと判断したらしい。

確かにサンの背に乗せてもらえば、今近づいてくる人間に会わなくて済むだろう。

サンは心配そうに私を見ている。

「私はここにいるよ。逃げてばかりいては、次の住処が見つからないだろうしね」

サンは人の気配がする方向を見た。

「・・・・人間と共に暮らすという考えしかないのか?」


私はサンを見た。

「闇にはもう戻れないよ。争う気はないんだ」

私は争う勇気などない。

「・・そうか」

サンは静かに私に近づいてきた。

「私は少し離れていよう。私がいない方が都合がいいだろう」

そう言うと、森の中に消えていった。


人の気配が近づいてくる。

3人か・・・・

嫌な気配などはしない。

族の類ではないだろう


私はフードを深く被り顔を隠した。


「やっぱり、小屋を直しておいて正解だったな」

「その分の経費をまだもらってないんだがなぁ」

男が2人と女が1人か

まだ成人したかしないかくらいかな?


身なりは良い

男の1人が私に気が付いたようだった

「おい、そこの。ここで何をしてる?」

完全な上から目線

身分が高いか・・・

金持ちか・・・

これでは、国を出た意味がないのではないか?という考えが頭に浮かんだ。


私は顔を下に向けたまま何も言わなかった。

何かいった方がいいのだろうが、何を言えばいいのか思いつかなかった。


「聞いているのか?」

また同じ男が言った。

3人はだんだんと私に近づいてくる。

男の影が私を包む

男は断り無しに私のフードをはらった。


黒髪が広がった。闇色の髪が・・

しょうがなく顔を上げると男達は驚いた顔をした。

まぁ、無理もないのだが


「お前、闇の術師か・・・」


男はつぶやいた。

男の顔には恐怖の色はなかった。

後ろの2人は何か言っている。


私の瞳は血の色をしている。

左頬には黒い紫色の魔法陣のようなものが彫ってある

そして闇色の髪


その3つは闇の術師の印。

私は人間ではない


男は私を見ていた。

何を考えているのか・・・

わからない


「名は何というんだ?」

男は私に尋ねた。

どうしてこんなに上からものを言うのだろうか?

どの世界でも変わらないことなようだ


「自分から名乗るのが礼儀なのでは?」

私の口はそういっていた


男はまた驚いた顔をした。

そして笑いながら言った

「それは、失礼。私の名はルートだ」

後ろの2人も笑っていた。

何か変だったのだろうか?


「それで、名は何という?」

男は、否ルートはまだ笑っていた。

「アイル・・・」


私はそう答えた。

あの国で使っていた名前だった。

術師の名を言う気はなかった


「アイルか・・・人間の中で暮らしているのか?」

ルートは私の前にしゃがみ込んだ。

「そうしてる」

ルートの顔を見るとルートと眼が合った

「このシャイリス国でか?」

男は私の目を見たままだった。


この人は頭がおかしいのだろうか?

何故私の眼を見れるのか・・・


「依然は隣国のアイリンに・・・今は住むところ探していて・・」

私は後ろも2人を見たが2人はただじっとこちらの様子を見ているだけだった。


「そうか....この国で暮らす気なのか?」


何なのだろう?

この人は?


「住めそうな所があれば....」

男は突然立ち上がった

私は少しビックリした


「話したいことがある。ここで話すのもなんだから中に入ろう」


男は後ろの2人の方を向いた


2人も納得しているようだ

どうやら、ルートの方が身分が上のようだった。



私は、言われた通りに中に入ることにした。


森の中とはいえ、やはり日差しがすごい


屋根があれば少しは楽になるはずだ






中はとても綺麗にされていた

私が住んでいた所より設備がよい

モノの良さそうなソファーにテーブル

可愛らしい暖炉や小さいがキチンとした料理場もあった


3人は馴れた様子で入っていく


ルートはソファーに座った

だが他の2人は座ろうとせず、壁の近くに立ったままだった


ルートに座るよう勧められ私はルートと向かい合うかたちで座った



「あぁ、後ろの2人は私の友人でカインとシュラだ」

振り返ると2人がお辞儀をした


名前からして男の方がカインで、女の方がシュラなのだろう

私は迷いながらお辞儀を返した



私はこの状況がよく分からなかった。


あの2人は使用人なのかと思っていたら友人だと言うし、

だが友人だとしたらこの態度の差は何なのだろうか?


そんなことを考えていると


「城で働く気はないか?」


ルートは突然言った

手を前に組み、私を見上げていた


私は愕然とした

どこに行っても変わらないんだと

サンの言うことをきけばよかったと後悔した


「あなたはお城の人なの?」


ルートは、少し何かを迷いながら


「お城の人か...私は王の息子だよ」

口調を変えずサラッと言った


私は信じていいのか分からなかった

本当だとしたら私は相当運が悪い

こんな偶然があっていいのか

思考が停止してしまうかと思った・・・・


外から小鳥のさえずりが聞こえた



「私に断る権利はあるの?」

声が震えているのが自分でも分かった

私は今どんな顔をしているのだろうか?


ルートは目を見開いた

「断ってほしくはないが、無理強いする気はない」


ハッキリとした口調だった


私ははっと顔を上げた。

思いも寄らない返答だったからだ。


「・・・そもそも、初対面の術師にそんなこと言っていいの?」



ルートは真っ直ぐに私を見つめた

綺麗な眼だと思った

「本当に危ない術師だったら私達は今頃命はないだろう?会ったのがアイルで良かったよ」


優しい口調だった


確かに私じゃない闇の術師だったら死より恐ろしいことが起こっていただろう


だが、術師を簡単に信用するなんて有り得ない


この人達は何を考えているのだろう


「私を雇うのは厄介だよ」


私はそう口に出していた。自分でも何故そんなことを言ったのか分からない


ルートは不思議そうな顔をした


「何故?」


当たり前の質問が返ってきてしまった

この人が本当に王子なのなら解決出来るかもしれないそうとっさに思った。

だから、いっそのこと打ち明けてみよう。なんの意味も無いかもしれないけど...


「私はアイリンの王子にもそう言われて...嫌で逃げてきたから..」


ルートはカインとシュラの方を向いた

驚いた顔をしていた


「あの能天気馬鹿な王子も術師が必要なのは分かっているんだな...」

まるで独り言のようだった

仮にも隣国の王子をそんなふうに言っていいのだろうか?


ルートは何か考えているようだった



その時、入り口のドアが勢い良く開いた

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