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赤赤  作者: ゆーでー
4/4

最初の話 .4:櫂はアキホに選択を迫られた。

 "事実とは小説よりも奇なり"という言葉を一度でも耳にしたことはあるだろう。誰もいない市役所で目が覚めたこと。スーツをぱりっと着こなした朱色の長髪をした女性の登場。その女性と名前も聞かずに押し問答が始まったこと。これらの事に櫂はこの言葉を思い出していた。

 

 「と、でかでかと威張ってみたはいいが、もう少しばかりの脱線だ」


 アキホは張った胸を収め、息を抜くように身体の力を抜く。椅子に「よっこらせ」とじじくさい言葉をつけながら座ると、指差しで櫂にも座るように促す。彼もその指差しを見て、彼女に続いて椅子に座った。

 アキホは足を組みながら座り、ジャケットのポケットに両手を入れている。櫂は改めて座り直した時、なぜか少し緊張してしまい、持て余した両手を膝の上に行儀よく乗せ、背筋も先ほどより気持ち真っすぐになっていた。そんな彼の様子に気づいてか、


 「んな今更固まんなよ、テキトーに座ってろ」


 とぶっきらぼうな言い方で、櫂の緊張を解そうとした。


 「でだ、さっきのオレの質問。まだ答えてもらってなかったな」


 質問?と自分自身に櫂は疑問を投げかけた。さっきの質問と聞いて、思い当たる内容が無かった。


 「気分はどうよ?」


 アキホは少し前に聞いた質問と全く同じ聞き方をした。櫂もそのワードに、確かにそんなことを聞かれたようなと、ぼんやり思い出していた。


 「気分というと?」


 「お前、ほんの数分前までベソかいてたろ?」


 一瞬で櫂の顔は真っ赤になった。そして、座ったばかりなのにまた立ち上がった。


 「は!?いや、それは!!!」


 「まぁまぁ落ち着きなって、別にとやかく言おうって訳じゃねんだ。ま、一旦座って落ち着きな?」


 アキホは地面に接地している片方のつま先を少し上げ、太もも辺りで肩肘をついた。上乗せされるように恥ずかしさが重なって、どかっと椅子の音を立てながら櫂はまた座ると、顔を背けて、両手を胸の前で組んだ。 


 「よくあるんだよ」


 「…なにがです」


 アキホの話に少し不服そうに櫂は答えたが、そのような態度を見せられた彼女からは、それを気にするような仕草は全くなく、さも当たり前のことのように受け入れていた。


 「ここに着いたやつがパニくるなんてことはよ」


 櫂は先ほどまでの苛立ちが一瞬にして消えたのを感じた。アキホからでた二つのワードが頭の中を回り続ける。組んでいた両手は解け、その行き場を失うも、背けていた顔はアキホの方へ向いていた。アキホもその様子を横目で見ると、組んでいた足をほどき、両足を地に付ける。少し前傾姿勢になり、両足の間で両手を繋いだ。


 「ここに着いた…よくあるって…」


 「想像に難くないだろ?」


 思わず櫂は片手で口を覆った。彼が口にした言葉に、まるで彼の考えが正解かのようにアキホは言葉を返す。彼女の横顔から伺える俯いた表情から、自分の予想が当たっていると彼は確信し、


 「他にも誰かがいた…」


 確信した予想を口に出した。アキホは櫂が言った言葉に首を縦に振った。


 「はっきり言っちまうと、ここは死人が来る場所だ。それはお前も理解してるだろ?」


 瞼が細くなり、吸った息を一つ吐くと、櫂は椅子に体重を預けた。


 「…やっぱりですか」


 櫂の心情は複雑だった。自身が亡くなったこと自体は感づいており、理性はそれを受け入始めていたが、本能は、無くなった心拍が焦って胸を叩いているような、認めたくない気持ちがあった。


 「ここでさっきのような無様を晒さないのは…アキホさんのおかげかも…ですね」

 

 櫂がここで目覚めたときのような混乱が表に出ないのは、理性と、アキホとの会話の中で、安心感を得たからだった。


 「無様なんかじゃねぇだろ。オレはあの状況に置かれて、冷静に分析できるような人間の方が気味が悪くて御免だね。お前の方がよっぽど人間味があっていい」


 「アキホさんも、慰めるとかできるんすね」


 櫂はクスリと笑った。アキホはというと、頬杖から顔を上げて、彼の方を驚いたような丸々とした目で見ており、


 「フハッ…お前、この短時間で言うじゃねぇか」


 と、ニマり顔でまた頬杖をついた。


 「あ、言っとくけどな、慰めたわけじゃないからな。ありゃオレの本心だ。死んだ事実を簡単に受け入れるような奴は信用できねぇ」


 「アキホさんも結構言いますね。でも場合によっちゃ、あるんじゃないんです?」


 「ある。あるけどそう言うやつは大抵みんな、やりきったって顔してんだよ。後悔なんかねぇってな

顔をな」


 後悔という言葉を聞いた櫂は、自分の生前を振り返っていた。これといって不幸せもなく、学校生活も良好で、友人にも恵まれた。現代社会によろしく、多少のカーストのような制度があったが、それが苦になるようなこともなく。それを考えると、本当に生前は楽しかったんだなとしみじみと思い出していた。


 「…あ」


 櫂の目から涙が落ちた。友達と新作のゲームを買ったら一緒に遊ぼうと約束していた事。自分の家でお菓子持ち寄って夜な夜な遊んだこと。テストの点数を見せ合って、互いの点数の低さに笑ったこと。気になる女子の話に盛り上がったこと。そういう当たり前だった毎日を思い出すたびに、涙が一つ、また一つと地面に落ちた。


 「…俺、そんな大した人生は送ってないです。別に特別なものもないです。だからこれといって、後ろ髪を大きく引っ張られるような大それた後悔もないんです。」


 鼻をすすりながら、涙ながらに櫂は話していく。アキホはそれに茶々も入れず。かといって相槌を打つわけでもなく、ただ黙って話を聴いている。

 

 「…けど、それでも、それでも少し。ほんとに少しでいいんです、」


 続く言葉を言おうと口を開くも、櫂は声が出せなかった。開いた口を閉じて、また開いて。開くたびに息だけが出て、声は出なかった。言ってしまうと戻れないような気がしたからだった。認めている自分もいる中、認めていない自分もいて、この言葉を口にすると、その自分ですら、認めざるを得なくなる気がして、言葉が詰まったが、


 「…生きたかった」


 意を決して吐いた言葉は櫂の本能的な意思を自覚させ、涙が止まらなかった。しかし、そんな櫂の心情とは裏腹にアキホは櫂の言葉に口角を上げ、


 「…よく言った櫂!!!」


 市役所の上階部にすら届きそうな大きな声でこの陰湿な空気をぶち壊した。


 「そうだ!それでいいんだ!!」


 座った椅子ごと、勢いよく櫂の方へ向くアキホ。


 「お前を選んだオレの目に狂いはなかった!大正解だってもんだ!!」


 両肩までアキホに叩かれて、櫂は今何が起こっているのか全く掴めず、ただ目を丸くして彼女を見ているだけだった。

 

 「つっても、オレがよくてもお前がダメなら話しにならんけどな」


 そう言ってアキホは椅子から立ち上がった。


 「話をするにはこんなとこじゃダメだ。然るべき場所でするべきだ。お前もそう思うだろ?」


 「はぁ…」


 話の勢いに何もついていけていない櫂は、とりあえずの相槌を打つしかなかった。


 「だろ?そうとなれば、こんな場所とはとっととおサラバしねぇとな」


 「はぁ…ん?おサラバ?え、出られるんですか?」


 状況の急転に頭が全く追いついておらず、また適当な相槌を打ってしまったが、『おサラバ』という単語だけは聞き逃していなかった。


 「ったりめーだろ。こんな辛気臭ぇ場所にいつまでもいれるかってーの」


 アキホはあからさま嫌そうな顔をしており、この場所を早く出ていきたかった様子がうかがえた。


 「んじゃあ一旦、立ってくれるか?」


 アキホに言われるまま、椅子から櫂は立ち上がった。


 「あーそうだ、一旦出ちまったらここには戻ってこれねぇから、忘れもの無いか、一応周り見とけよ」

 

 「忘れ物って言われても」


 アキホに言われた通り、一応自分の周りを軽く櫂は確認をするが「死んでるのだから忘れ物もなにも」と内心思っていた。


 「多分大丈夫かと」


 「よっしゃ。ま、すぐ済むから、力抜いて待ってな」


 「待つって…」


 アキホが指を鳴らしたと同時に櫂が目にしている景色は市役所から、どこかの一室に移っていた。


 「移動とかしなくていいんですか?」


 「移動?それなら今終わったろ?」

 

 「…」

 

 櫂は言葉が続かず、目を閉じ、眉間にしわを寄せ、人差し指と親指でそのしわをむにむにと軽くつまんでいた。ポケットを見せてもらった時のような瞬きをしたら変わったなどではなく、指の音が聞こえると同時に目の前の景色がまるで、アニメーションのカットインのような切り替わり方をした。新たに目の当たりにした非現実に対し、焦りや驚きを捨てて、呆れの心境に立っていた。


 「ま、とりあえず座って待っててくれ、オレは用意するもんがあるから」


 と、アキホは机にしまわれた二脚の内の片方の椅子を引いて、櫂に着席を促した。それに従い彼が着席すると、彼女は部屋から出ていった。


 「なんか…なんかねぇ…」


 櫂はこの展開に思うところがあったが、急展開に置いて行かれる複雑な感情を上手く言葉にできなかった。とはいえ、待っている時間は暇なため、彼は周囲を見渡した。見渡して最初に抱いた感想は、


 「多分、応接室的なとこかな」


 というものだった。第一に見えたのが、目の前にある四方の角が丸くなったクリーム色の長机である。部屋の中心に設置されたそれは、指紋一つなく綺麗に磨き抜かれており、清潔感を感じさせた。机の上には、電源タップと何かのリモコン思わしきものが二つ、机の中央に並んで置いてあり、それ以外のものは見当たらない。次に正面を見ると、自身が座っている椅子と同じデザインの椅子が、鏡合わせのように、二脚横並びに配置されている。扉も右手側に確認でき、アキホが先ほどその扉から出入りしたことから、この部屋の出入り口だと思われる。そのまま正面の壁伝いに左へと視線を移していく。自身の真左の壁に目が移った時、プロジェクター用のスクリーンがかけてあるのが目に入った。スクリーンがあるという事は、プロジェクターもどこかにあると思い、探してみると、天井から吊り下げられたプロジェクターが見つかった。先ほどのリモコンの片方はおそらくそのプロジェクターのものだろう。そうするともう片方は多分と、彼は想像しているものを探すと、自身の真後ろの壁の上側、天井に沿うようにクーラーがあり、もう一つのリモコンが予想通りクーラーのものというのが分かった。右隣に視線を写した時、もう一脚の椅子と、グレーのタイルカーペットが隙間なく敷き詰められた地面が目に入った。部屋の内容を見渡した程度の時間では、アキホが返ってくるはずもなく、スマートフォンのような暇を潰せる道具もないため、机の汚れ探しや、プロジェクターのリモコンを見ながらどうやって使うのかを想像するなど、どうしようもない暇の潰し方をしていた。

 こん。という音が扉から三回聞こえ、アキホが戻ってきたのだろうと思い、櫂は扉の方へ目をやった。扉が開かれると、お盆の上に来客用等で使用されるような、横に少し広い湯呑茶碗が二つと、それのお茶請け皿を乗せたアキホが入ってきた。


 「おう、待たせたな。お茶で良かったか?」


 「ええ、大丈夫です」


 おぼんを机に置くと、お茶請け皿を櫂の前に置き、その上にお茶の入った湯吞茶碗を置いた。暖かいお茶からは湯気が立っており、緑茶の香りが緊張している彼の心をほんの少し和らげてくれた。アキホはもう一つの茶請け皿と湯吞茶碗を持つと、櫂の目の前の席に置き、椅子に座った。


 「お茶は気にせず飲んでいいからな。なくなったらおかわりも可だ」


 「あ、ありがとうございます」


 櫂はお茶を一口飲んだ。暖かみが喉から順に胃へと到達していく過程が分かる。身体が暖まり、気持ちも和らいでいく。アキホも彼の飲む姿を確認してから、自身も一口飲んだ。


 「さて、どこから話そうかなぁ」


 と、アキホはポケットから数枚の紙を取り出し、机に置いた。

 

 「一番大事な部分はさっき聞いた…あ、そうだ。お前はさ、生前の後悔ってどのくらいある?」


 「後悔ですか?」


 「そ、後悔」


 櫂は顎に手を添え、少し考える。


 「どのくらいと聞かれると、ちょっと難しいですね。かなり平凡な生活を送ってたので。小なり程度の後悔は沢山ありますけど、なんというか、期待しているような大それた後悔は無いかもしれません」

 

 見栄を張ったり、嘘をついたところで仕方なくまた、どうせバレると思った櫂は、自分の考えたことをそのまま口にした。


 「バカ言ってんじゃねぇよ。後悔に期待なんてするかよ。そこまでオレは終わってねぇよ。だいたい、お前くらいの年の後悔なんてのはな、お前が考えているようなありふれた、みたいなもんが丁度いいんだよ」


 「でしたら、じゃあ、結構ありますね」

 

 「結構か。あぁ、別に具体的なやつは言わなくていいぞ。こっちも聞こうとは思ってないからな」


 櫂は胸をなでおろした。「例えば?」なんて聞かれたらどうしようと思って、どう答えようかを考えていたが、それが必要なくなったからだ。


 「櫂」


 アキホの凛とした声に、櫂の背筋が自然と伸びた。彼女の声からは、これまでのくだけた雰囲気から一変した摯実さを彼は感じた。


 「お前はさっき「生きたい」と言ったな」


 「はい」


 「さっきはオレも嬉しさ余って、ああいう態度を取ってしまったが、お前の発したその言葉にはとても大きな意味がある」


 「意味ですか…」


 「そうだ。何回も言うようで申し訳ないが、死んでしまったお前がこれからとる道は二つだ」


 「二つ…」


 「受け入れるか、新たにやり直すか」


 櫂はアキホの言葉の意味を考えた。受け入れるという言葉は文字通り、死を受け入れる事を差すのだろう。しかし、やり直すという言葉が分からなかった。生前に聞いた転生というものがそれに該当するのか、という予想を立てたが、素直に聞くのが早いと思い、


 「やり直す?」


 「そうだ。櫂が言った「生きたい」という言葉、これがお前の本心からくる言葉ならば、オレはこちらを勧めたい。けれど間違ってはくれるな。やり直すってのは、転生のように新たにスタートをするようなものじゃない。やり直すと決めた暁には、俺と一緒に異界の異変を取り除くための協力をしてもらう。当然だが、お前の知り合いなんて誰もいない、居てもさっき知り合ったばかりのオレだけだ。そしてこの任務は決して生半可なものじゃない。やり直せば、お前はもう一度、死を体験する事になる。それだけじゃない。死の間際というものも、生前とは桁違いなほどに体験する事になる」


 真っすぐな目で、なかば脅しのように言うアキホに、櫂は生唾を飲み込み、恐怖を自制できず、身体が一瞬震えた。


 「もう一度聞くぞ櫂。お前が言った「生きたい」と言った言葉に、まだ偽りは無いか」


 櫂はすぐに言葉を返せなかった。それは決して、言った言葉に後ろめたさがあったからなどではなくまた「生きたい」と新たに発する気恥ずかしさからでもない。そう発するには覚悟がいると思ったからである。

 櫂は今一度、自分の心に聞いてみる。

 大きくゆっくり息を吸い、ゆっくりと、震えながらにも息を吐き出し、まっすぐアキホの目を見つめる。


 「俺はまだ、生きていたい」


 アキホの目が鋭くなり、櫂を睨むような視線に変わる。その視線に言葉がつまりかけるも、彼は思いを続けた。


 「平凡な生活をしてきた俺ですけど、俺は、その生活が楽しかった。父さんがいて、母さんがいて、姉ちゃんがいて、友達がいて。くだらない後悔は沢山あります。したかった、していればよかったって思った事が山のようにあります。その中には何一つ、大層なものなんかありません。人から見れば、その程度のものって言われそうなものばかりです。けど、その程度の後悔でも、俺にとってはとても大切なもので」


 櫂の両手に力がはいる。


 「こんな気持ちを持ったまま、俺はまだ死にたくない」


 「だったら選べ、オレと共に、異界の異変を取り除くか、このまま何もせず死んでくか」


 アキホはそう言って席を立ち、櫂のまで行き、右手を差しだした。


 「もしその覚悟があるのなら、オレの右手を取ってバディ契約をしろ」


 「バディ契約…」


 「だが、この手を取ったら最後、お前はもう後戻りはできない」


 櫂はアキホから差し出された右手を見る。


 「…覚悟はできてません、でも」


 櫂は勢いよく立ち上がり、


 「このまま死ぬんだったら、もう一度、なんでもいいから頑張ったって、そう言いたい!」


 櫂は勢いのまま、アキホの右手を掴んだ。途端、二人の両手から眩いばかりの光が発せられ、同時に凄まじい風も湧き上がる。思わず櫂はもう片方の手を顔の前辺りにかざし、目を細める。それとは真逆にアキホはこの状況に一切動揺を見せず、堂々と繋がれた手元を見ていた。

 光と風の勢いは、繋がれた二人の手の中心部に向かって吸われるように次第に小さくなっていき、数分でそれは収まった。


 「契約完了だ」


 「お、終わったんですか?」


 櫂はまだ、何か起こるのかとびくびくしながら、アキホに聞いた。


 「おう!無事終了だ」


 「そ、そうなんですね。よかったぁ」

 

 安堵に椅子へと座りこむ櫂を見て、アキホはけらけら笑いながら、


 「ま、最初はビビるよな。あんだけ光って風ふきゃよ」


 とからかうように言った。


 「そりゃびっくりしますよ。まだ心臓ばくばく言ってますから」


 「すまんすまん。まぁでもさっき言った通り、これでバディ契約は完了だ」


 アキホはその場で膝を曲げて座り込む。


 「んじゃ、これからよろしくな、相棒」


 と、下から櫂の顔を見上げるように、アキホはニカっと笑いかけた。


 「よ、よろしくお願いします」


 その表情と姿勢に、どぎまぎしながら櫂は返事をする。


 「んでよ、もう手、離していいぞ?」


 「ああああ!すみません!!!」


 慌てて手を離した櫂はその勢いで、椅子ごと後ろに倒れた。

 


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