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山羊の顔した女

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

参考資料だから、無駄にはならない。

と言い訳してます。

喫茶店に行きたいです。金欠です。お正月は危険です。

表紙を見た時に、私は手を伸ばして文頭の数行を読んだ。また明くる日も同じ様に、同じ場所に立って文頭の数行を読んだ。そうしてまた別の日も同じ様に……。

「お嬢さん、それを買い上げるのかい?」

商品に手を伸ばそうとした矢先、聞き覚えのある声が真横から飛んできた。驚いて伸ばしかけた手を引っ込める。隣にはあの、長髪の書生がニヤニヤと佇んでいた。

「な……なんで?」

「いや? 僕ぁ、ただの通りがかり。インキの匂いと流れるクラシックが聞きたくてねぇ。ついついこの場所に脚を踏み入れてしまうんだよ」

その言葉通り、彼の手先には幾つかの文庫本が握られていた。表紙に統一性がある。彼の召し物の様な和紙の質感。花弁を重ねた花が特徴的だった。

唖然とする私を他所に、彼は私が求めていた本を物色し始める。面陳列の背後にある本を探す様に、何冊も、何冊も持ち合わせる。

「ふむ。これだけか……。この表紙も大分少なくなってしまったねぇ……」

そうぽつりと呟くと、元の配列に倣って本を元に戻し始める。一体何をしているか分からずに怪訝な顔をしていると、彼は表紙の違う一冊を取り出して私に見せる。

山羊の顔した虚ろな女人が此方を見据えている。上巻は上半身を露出させ、下巻は脚を広げている。セクシャルで、一度見たら忘れられないように耽美さ。官能的な表紙。

彼はうっとりとその表紙を撫で回すと、とろりとした声で呟いた。

「この表紙が気に入っていてね。何処を見ても正常とは思えないのが良い。初めて合間見えた時には後先考えずにレジに持って行ったものさ。もう何冊かあるって言うのに」

どうやらコレクターのようだった。そりゃ私にも勧める訳だ。

「こっちは嫌なんですか?」

私は別の表紙を晒す。少年が文庫本で顔を隠している。それが鏡合わせの様に何処までも続く。終わりなど無いという様に。それもまた、何処か狂気を示している様だった。

すると彼は暫く視線を泳がせて、少し口角を上げる。

「其方はまだ正気を残している。それに……此方の方が美しいだろう? 僕はこの子と三回目が合った。三回恋に落ちた。だから買い上げるのは必然だった」

そう言って、山羊の女の表紙を晒す。やはりこの人は現代を生きる人では無いのかもしれない。

「約束、守ってくれて有難う。では早速、その世界に浸ろうではないか」


そうして場所は変わり、初めて会った昭和な喫茶店に訪れる事になった。……なるほど、確かに彼の言う通り、冒頭分と一致している。ぶぅぅん……。という蝿の羽音の様な音が。

彼も黙って文庫を取り出して静かに捲り始めた。恐らく、読んでいるのは本日買った本では無いだろう。きっと読んでいるのは前に私に勧めた一冊。私が買い上げた本。

「それ、『ドグラ・マグラ』でしょう?」

「そうだね」

「あれだけ賞賛した割にカバー付けるんですね。誇りとか無いんですか?」

「言っておくけどね、僕にも羞恥という感情は持ち合わせて居るんだよ。御夫人やお嬢さんから白い目でみられるのは、堪えるものがあるね」

チャカポコ? と和解せよ!!

という事で頑張って和解しようと思います。

読めなくても参考資料にはなるんだ!!

と言い訳をしてます。


このタイトルで、この表現が表紙に相応しいかは分かりません。

でも人とは思えない様な虚ろな表情や、四つん這いなところに耽美さを感じます。


そうして三回目が合って、三回恋に落ちた話です。

ええ、ジャケ買いの話です。


途中経過

思ったより鈍色ではないのですね。

なんか思ったより明るかったです。

江戸川さんの方が、精神に来ます。

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