表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/3

1屍 世界はゾンビで溢れて

この作品は今日中に全て投稿し終わる予定です。

いつも通りのある日。

彼はいつも通り起きていつも通り学校に行って、いつも通り授業を受けていた。そんな時、いつも通りを壊す悲鳴が響く。


「うるさいな。授業の妨げになるだろ」


最初こそ、担任はそんなことを言う。

が、


「ギャアアアァァァァ!!!!????」

「いやああぁぁぁぁぁ!!!????」


続けて聞こえてくる別の悲鳴に、表情を変える。悲鳴は男性も女性も、教師のものらしきものも聞こえた。

クラスの生徒達は不安そうな表情を浮かべる。

それから数秒後、


「グオオオオォォォォ!!!!」


「「「「キャアアアアァァァァァ!!!????」」」」


クラスが、学校が、いや、世界中が大パニックになった。クラスに入ってきてうなり声を上げる生徒。いや、生徒の格好をした人間ではないと分かる何か。それが、クラスにいた生徒達に襲いかかった。

爪でひっかかれ、噛まれ、体当たりされ、多くの者が悲鳴を上げて命を散らす。……そのはずなのに、


「「「「グオォォォ……」」」」


生徒達は起き上がった。ただ、先程までとは明らかに様子が違うと分かる。虚ろな目で、ふらふらとした足取り、そして、他の異常を来していない生徒へ噛みつくという奇行。だが、その理解のできない行動は、他の者に噛みつかれた者から次々と行なわれていく。

こんなことが学校だけでなく、世界中で行なわれていた。大量の人が狂ったように人を噛み、殺し、新たな仲間を作る。

だが、勿論生存者もいた。彼らは狂ってしまったものたちから身を守るためにシェルターを作り、襲いかかる狂人達を相手に拠点を防衛する。そんな彼らは、狂人達をこういった。

()()()、と。

世界ではゾンビと非感染者の熾烈な戦いが始まるのだった。


「……おや。皆さん元気ですねぇ。まさか、こっちでゾンビに出会うことになるとは思いませんでしたよ」


そんなシリアスでダークな状況の中、狂ったクラスメイト達を見ながら不思議そうに呟く者が1人。

音取(ねとり)田結(たい)。一見普通の高校生で、学校でも目立たない存在だ。運動も勉強も中の上くらい。人付き合いもそこそこできるが、決して大きなグループに属しているようなモノでは無い。

そんな地味な彼だが、実は前世の記憶がある。その記憶は、


「ゾンビですか……ネクロマンサーの私にとっては、なじみ深い存在ですね」


異世界でネクロマンサーをしていた記憶である。アンデッドを作り、操るネクロマンサー。その時の記憶が彼にはあるのだ。


「「「「グオオオオォォォォ!!!」」」」


そんな彼だが、周りをクラスメイトのゾンビ達に囲まれ、襲いかかられそうになっている。一般人であればこれであっけなく人生は終わるのだが、腐っても(ゾンビだけにとか言う話ではない)彼はネクロマンサー。

この程度、


「『使役』」


「「「「オオ……ヴァァ」」」」


一瞬で大人しくなるゾンビ達。彼はその様子を見て、


「あっ。普通にこっちの世界でも魔力は使えるんですね。こっちの世界じゃ魔法なんて使わないので、てっきり使えないのかと思ってましたよ」


なんて独り言を。

彼には魔力が使えるかどうか定かではなかった。それなのに、かなり余裕の表情で座っていたのである。ある意味彼は肝が据わっているのだ。


「さて、それでは皆さん座って。……立って」


指示を出していくと、ゾンビなクラスメイト達もそれに従う。その様子を見て、彼は満足げな様子を。


「指示には従う。ただし、……ステータスは見れないですか」


前世ではアンデッドのステータスを見ることができていた。しかし、今使役しているゾンビ達はそれを見ることができない。

彼は何かの違いによるものだとは推測したが、その詳しい何かまでは分からない。


「試すのは心苦しいですが、やってみますか」


彼は席から立ち上がって移動し、クラスメイト達のカバンを漁り始める。ゾンビに襲われないように、使役したクラスメイト達を護衛として使っている。

そうして暫く探して、


「ん。発見」


彼は目当ての者を女子生徒のカバンから見つける。それを試すために、


「そこの男子4人。あそこにいる男子を捕まえて貰えますか?」


彼はゾンビへお願い、するような口調だが、命令を行なう。4人のゾンビが向かう先には、まだ使役されていなかったゾンビが。

4人がかりだとあっという間に抑えることができて、ゾンビとなった男子生徒は地面に倒される。というか、同じゾンビだからなのか全く抵抗する気配はなかった。


「さて、では失礼しますね。……4人はしっかりこの人を抑えておいて下さい」


音取は4人に指示を出し、取り押さえられたゾンビに近づいていく。取り押さえられたゾンビはまだ未感染の人間が近づいてきたことで暴れ始めるが、4人がかりで抑えこまれているので抜け出すことはできない。

そんな抵抗もできないゾンビへ向かって、音取は、


「さようなら」


狙ったのは眉間。多少抵抗は感じたものの、音取は無理矢理手に持っていた物をねじ込む。当たりには赤い液体が飛び散り、彼の制服もまた汚れた。

だが、彼は微笑んだまま気にする素振りを見せない。

それよりも、


「ゾンビは経験値にはなるんですね。……不思議ですがこれならレベル上げも楽そうです」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ