この世界で私がやること
この転生した世界で私がなすべきことを心に決めたのです。
私は自宅の階段から落ちて死んだはず…だったのですが、何故だか別の時代に居る…そのことを理解するのに時間が少しかかりました。
漫画で読んだことがある転生は、全く別の時代で別の世界への転生です。
しかし、私は日本の和歌山県への転生でした。
時代は遡って、どうやら明治時代に転生したようです。
それも、何故だか私の父方の曾祖母への転生でした。
でも、曾祖母への転生なら「これはチャンスやわ。」と私は思ったのです。
⦅そや、変えたるねん。
おばあちゃんを、幼い子ども3人を捨てたひいおばあちゃんに
転生したんなら…。
うちが、おばあちゃんを捨てへんかったらエエやん。
うちが、ここでは…
おばあちゃんを捨てた ひいおばあちゃんなんやもん。
婿養子の夫が亡くなって、直ぐに男と逃げた……。
多分、夫の生前からの仲やったんとちゃうかな⁈
これから、婿養子を迎えて3人子どもを産むんやな。
それから、きっと あの男が近づくはずやわ。
もし、そうやったら……
…うちは、ひいおばあちゃんに転生が決定やわ。
ほんでもって、うちは絶対に子どもを捨てへん!
変えたるねん!!
おばあちゃんの人生を変えたるねん。
おばあちゃんは捨てられて…
めっちゃ苦労した。
小学校も通われへんようになって
平仮名と片仮名しか読むことも、書くことも出来へんかった。
漢字の読み書き…
おばあちゃん、絶対に出来るようになるから…
うちが、そうするから…
変えたる。
それが、この世界で うちが やることやわ。⦆
そう思い至ってからは、この世界で生きる目標が定まり意欲が出てきたのです。
この世界の私―ゆき―17歳の冬でした。