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可笑しな可笑しな出来事  作者: yukko
転生した世界は……日本
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これが私の日常

朝から少しだけの家事。

それが終われば私が大好きなゲームと異世界転生物の漫画を読む。

これが私の日常。

そして、今日は可愛い孫、ゲーム友達の孫がやってくる。

嬉しい一日…と思っていたら……。

庭の木々や花に水を遣ることから、私の日常は始まります。


「もう、雑草 大嫌い!

 あぁ――――っ! 根っこまで抜けへんかったわ!

 嫌やぁー! もぉ~~っ……」

「あっ! 虫!!

 滅殺!」


水やりが終わったら、洗濯をして掃除をします。

洗濯をしながら食事を終え、沢山の薬を飲むのです。


「年取ると、ぎょうさんお薬飲まなアカンから…

 年…取りたないな…。

 ま…無理やけど…。」


一人暮らしなので独り言が多くなったのです。

「年寄りになって独り言…増えたな……。」と、私は自覚しています。

テレビ相手に独り言が、私の日常です。


「これぞ、前期高齢者やなぁ。」


一頻り家事を終えると、大好きな漫画、アニメ、そしてゲームの時間が訪れます。

夫を失ってからの私は自分のために使える時間が出来て凄く嬉しいのです。

ゲームは今少しやる気が起きなくて放置しています。

アニメはスポーツものが大好きで、その放送時間になるとCS放送を見ています。

そんな 私が今はまっているのは転生物の漫画です。

転生物の漫画は「水戸黄門」みたいで、ある程度先が分かります。


それに、登場人物もある程度同じなのです。

★悪役令嬢が主人公で良い子、それに対して転生元のゲームや小説でヒロインだった子が悪役令嬢ばりの悪い子……。

☆悪役令嬢は、必ず、誰かと結ばれる。

 それが、ヒーローの場合もある……。


そして……

▼男性が原作者の場合、一夫多妻制みたいにハーレムの場合が多いような……気がする。

▽女性が原作者の場合、とてもハンサムなヒーローに一途に愛される場合ばかり!

どちらも願望ではないかと思う私です。


「『そんなわけないやろ―――っ!』言うてまう時あるな。」

「それにしても……

 『魔法使いサリーちゃん』で育って、高校生になったら『ベルサイユのばら』!

 サリーちゃんは漫画の時、サニーちゃんやったのに…

 アニメになったら、なんでかサリーちゃんになってたな…。

 なんでやろ??」

「今はパソコンで漫画を読めるんやもんなぁ。

 凄いなぁ…!  それも無料で!」


とか独り言を言いながら、パソコンの前に座って、先ずは無料分の漫画を読むのです。

私は読んだ漫画を誰も居ない一人の部屋で批評します。


「なんでやねん!

 なんで……貴族の男の一人称が『俺』やねん。

 貴族なら正式な場では『私』で、私的な場では『僕』やで!

 王や皇帝は、『朕』で、私的な場では『私』か『僕』。

 昭和天皇は『朕』で私的な場では『僕』やった……。

 王太子や皇太子が『俺』なんて私的な場でも絶対に使わへん!

 領主は『余』やし……。

 平民は『俺』とか使うけど…『朕』は使わへん……。

 日本語だけが一人称が一杯あって…

 その一人称で身分が分かるのに!!

 今の若い人は日本語自体を知らんのかいな!

 …残念やなぁ……。

 それにしても……

 『ベルばら』は言葉がしっかりしてたな。

 平民のアンドレは『俺』やったし

 ちゃんとオスカルはロザリーに教えてたな。

 『()()()ではない、()と言うように…』って……。」

「それに、『側妃』って、なんやねん。

 日本では『側室』やし……

 服装とか、お城の形とか見て……

 どう見ても中世ヨーロッパやのに……

 『側室』という言葉はないねんけど…な…。

 『公妾こうしょう』やねんけど。

 『公式な愛妾』で『寵姫』とも…やねんけど…な。

 けったいな呼び名やなぁ……。」


などという風に一人でパソコンに向かって言っています。

ほぼ毎日……ほぼ同じ内容を……。



今日も今日とて……

私は漫画を読み、それから孫が来るので、孫と一緒に遊んでいるゲームをします。

ゲームは孫との楽しい時間で、私が一番大切にしている時間です。

昨日、今日のために久しぶりにゲームをした私です。

孫から頼まれていたことを、孫に教えてもらったように何とか行いました。

全ては可愛い孫のためです。

孫の到着を心待ちにしている時、インターホンが鳴りました。


「は~い!」

「ひろ君、ちょっと待ってね!」


大急ぎで2階から降りる途中で……


「あぁ――――――――っ

 落ちる―――――――――っ!」


恐怖の次に痛みが全身を襲いました。

その次の瞬間、真っ暗闇の中でした。


「……うち……

 死んでもうたん?

 嫌や――――――っ!

 まだ死にとうない!

 やっと嫁いびりした酷い姑を看取って…

 うちに、いつも酷いこと言ったあの人…

 主人ものうなって…

 姑や主人が生きてる怖い夢も…

 やっと見いひんようになって…

 やっと生まれて初めて幸せやと思えたのに!

 やっと穏やかな毎日やったのに!

 嫌や! 死ぬのは嫌や!!」


死にたくないと言い募ったのです。

「私、死んでしまったの?」

私はどうなるのでしょうか。

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