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オトナの思惑コドモの憂鬱3

『クリスマスパーティ』


これこそ、共学の醍醐味!ってちょっと違うか…。

パーティーものって、女子だけでやるのも楽しいけど…クリスマスは別物。

クリスマスに女子だけって。

いや、全然イイと思うけど…。

やっぱり異性がいた方が…ねぇ。


先生にもらったノートを開く。

ここの教室には黒板がないから、これを使おう。


「じゃあ。クリスマスというお題で何かない?やりたい事とか。」


ノートに大きく『クリスマス』と書く。


「クリスマスツリー!」


はい、クリスマスツリーね。


「プレゼント!」


プレゼントっと。


「チキンとケーキ!」


チキンとケーキね。


「…。」


…もう終わりかよ!!


「マナ、それぐらいしかわかんない。」


クリスマスツリー、プレゼント、チキンとケーキ。

超、定番のクリスマスワード。


「あのぉ。それだけ用意して、その後どうします?だって、今この場所にこれだけ持って来たらクリスマスパーティなんでしょう?」


う~ん。確かに。イッキの言う通り…だけど。


「じゃ、じゃあさ。みんな去年のクリスマス何やってた??順番に言っていこうよ、ねっ。じゃあ、あたしは~。」


何やって過ごしたんだっけ?

あ…。

そういえば…。


「ねぇ。ゆいはマナと一緒にアレやってたじゃん。」

「だよね…。」


そう、去年はマナに誘われて…。

クリスマスの定番。


クリスマスケーキの販売!!

粉雪の舞う、さむ~い屋外で。

カワイイ女の子サンタの衣装のマナと、トナカイのカチューシャをつけたあたしで…。


「マナがサンタで、ゆいがトナカイ。なつかしーね。去年は2人とも、ケーキの販売のバイトやってたよね!」

「…まじかよ。お前やっぱりトナカイなんだな!」


イケメンが笑いながら、こっちを見た。


「そういうリョウは、何をやっていたんですか~??どうせ、デート予定をい~っぱいいれてたんでしょ?」

「ば~か。俺は…。」

「何?」

「まぁ、俺も地元でバイトしてたかな。ケーキとかじゃねーぞ!普通の作業みたいな…。あ、本城さんは何していたのかな?」


普通の作業??

なんだ、それ。ていうか、イッキに話をふって誤魔化したでしょ。絶対。

しかも、あたしの時より話し方丁寧なんですけど?


「私は…別に…。家族とケーキ食べたくらいで…。山崎くんは??」

「ぼ、僕も…。クリスマスは毎年、家にいるし…。」

「じゃ。後藤君は?」

「うちは、必ず家族でパーティをします。」


後藤君の家のパーティ??なんかの集会じゃなくて?


「うひぃも、かぞくとパーティです。」


ペコが後藤君のまねをしながら言った。…本当かよ??


「柴田は??」

「お、俺かぁ。俺はカラオケとか行ってたぞ。」


カラオケ?


「男だけで??」

「い…やぁ。そういうんじゃなくて…。」

「柴田、それ合コンだろ!」


イケメンのつっこみに、微妙な態度の柴田。


「ふ~ん。じゃ、中野君は??」

「友達のライブに…行ってた。」


あいかわらず、小声。

あの階段のところで、いっぱいしゃべった中野君は何だったんだ?

今までどおりの中野君に戻っている。


「なんだか、みんな地味だよね~。彼氏、彼女とクリスマス。なんて人いないの?」


し~ん。

マナの問いに静まる教室。


「じゃあ、今年の予定の入っている人?」


手をあげたのは…やっぱりイケメンだけ。


「俺、5時までしかダメだから。予定あるし。」

「えぇ~!!」


マナが不満の声を上げた。

やっぱり彼女はイケメン狙いなのかぁ…。


「マナさん。暇なら一緒に過ごします?朝までですけど…。」


な、なにー!!

何?今の?あたしの聞き間違え??

みんな口をポカンと開けたまま、時が止まっている…。

だってみんなは、静かな中野君しか知らないから。

マナは目を見開いたまま、固まっている。

きっと。みんなは、中野君の発言が本当に中野君の口からでた言葉なのか自信がないんだ…。

だって。中野君は、かわいい顔をした男の子で…。

いつも静かで無表情なんだもん。


「…冗談ですよ…。」


そう言って、またかわいらしい顔に戻った。

中野君って、もしかして二重人格じゃないの??

なんか…怖い!


マナを見ると、顔を赤くして下を向いていた。

いつも、好きな人ができると猛アタックのマナ。

こういう展開って初めてじゃないの?


「ちょ、ちょっと!!みんな真面目に考えてよ!もう、クリスマスまで時間がないんだからね!」


ノートとにらめっこ。

今までの話をまとめると…。


結局、ダルダルな雰囲気。

こんなので、楽しいクリスマスパーティができるのかしら??


「あの。俺、準備やりますよ。うち両親がよくホームパーティするんで。」


ホームパーティ?

リーゼント家で??


本当に??

ていうか大丈夫?


「飾りとかも得意なんで…。」


うっそー!!

リーゼントなのに??

どこかのヤンキードラマみたいな教室にならないよねぇ?


「え…っと…。みんなはどうかなぁ?」


なぜか誰も目を合わせてくれない…。

でも、断る理由もないし…。


「じゃあ。お、お願いしちゃおうかなぁ?でも、任せていいの?悪くない??」

「任せて下さい。アメリカみたいなかんじで、用意しますんで。」


アメリカ…。


いかん。


なんだか悪いアメリカのイメージしか、思い浮かばない。


クリスマスパーティ。


一体どんなものになるのやら…。


『アメリカンなクリスマス』


ノートにそう書いて、閉じた。

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