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シークレットラブ  作者: 咲
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感情を持たない者たちへ

姉が殺された。美しくて優しかった姉の顔は笑みをつくらず壊れた人形のような感覚だったのを覚えている。両親は必死になって犯人を探そうとしたがその必要はなかった。自分が姉を殺したのだと言う男が軽々しく現れたのだ。母は泣き崩れ精神が異常になり、父は仕事を辞め母につきっきりになった。私は姉の事が大好きだった。けれど不思議と犯人の男に対して怒りは湧かなかった。理由は分かっている。私は感情のどこかが欠けているのだ。物心ついた時から周りと自分の感情の感じ方の違いに気づき出した。そして何故か犯人である男と話してみたくなった。何故姉を殺したのだ、どうして姉だったのかなどを聞きたいのではなく、ただ単純に興味が湧いた。それだけだった。

「お前らシークレットだな。」男はニコリと笑みをつくり私に言った。私は初めて恐怖を覚えた。この男に近づいてはいけない、そう分かっていたのに足はぴくりとも動かなかった。

この世の中では普通の人間であるノーマルと異常者であるシークレットが存在する。シークレットの特徴としてはある感情が一つ欠けている事、夜の12時を過ぎると欠けていた感情だけが己を支配するなどが挙げられる。しかし一番のポイントは12時を過ぎ自分の中の感情が抑えきれなかった場合ノーマルに危害を与えると言う点だろうか。その場合政府の組織であるカラスに殺される。けれど逆を言えば感情を抑えられるシークレットは普通の人間と同じなので殺してはいけない。

普通ノーマルの人間からはシークレットは生まれない。でも姉も私もシークレットだった。つまりは私達は異常の中の異常者であった。それを知られないよう生きていた。けれどこの男は知っている。もしかしたら姉を殺した理由に関係があるのかもしれない。そんな事は私にとって些細な事だったが男が次に言った言葉は私の中で響いた。「俺はお前の姉を殺しちゃあいねぇ、殺したのは別の奴だな、お前俺と手を組む気はねぇか?」きっとこの男は分かっていっているのだ。私の欠けている感情、怒りが夜抑えられるかどうかわからないでいる事を。やり場のないこの気持ちが溢れ出す寸前だと言うことを。この男ならなんとかしてくれるかもしれないと言う期待が膨れ上がり、「分かった」と言う私の声が彼に届いた。「でも何故姉を殺したと言ったの?普通に私と交渉すればよかったじゃない」「こっちの方が手っ取り早いんだよ、文句は言うな俺がリーダーだ。」男はそう言った後今度はニヤリと笑い「俺の事はクロと呼べ」と私を見た。「分かった」私の声は少し明るかった。

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