3 前編
カードのパラメーター等を弄りながら執筆しているため、文章に反映されていない事があります。計算等が間違っていたらご指摘お願いします。また深夜に書くことが多い為、誤字脱字等があるかもしれません。その際もご指摘をお願いします。
今回から戦闘時に○○(+○○)といった形で表記していこうと思います。先頭の○○が現在のパワー、括弧内の○○が通常のステータスから+されているパワーです。あと上昇時は○○→○○といった表記でいきます。
主要カードもイメージがしやすい様にイラストの特徴なんかも書けたらいいなと思っています。ソリッドなヴィジョンがこの小説世界にある訳じゃないし、高まったイメージがある訳じゃないから、実像とか映像がその場にいる訳じゃないけど…
あとはターン表記ですが先行1ターン、後攻1ターンの表記にしていこうと思います。
主人公の言動がイキリ系になる不具合どうにかならないかな…
身体に突き刺さる視線を無視しながらゆっくりと台から離れる。台の周りを囲んでいた同級生達は僕が通ろうとすると、地割れの様にパックリと道を開けてくれた。
あぁ、違うんです!もう1人のボクが勝手に!そう叫びたい気分であった。内申点を犠牲に人間関係を構築する事は出来たかもしれないけど、成績が悪かったら何言われるかわからないし…だから極力バトルしたくなかったんだ…
当時はこれで異世界に行っても安心だって思ってたけど、こんな事になるなら選ばなかったよ…
集団から少し離れた位置に居た紬の隣に移動する。
「お疲れ様、相変わらず強いね!」
「はぁ…大した事はしてないんだけどね、どうしてこんなに怖がられてるのか…」
「同級生にこんなに強い人がいたらみんなびっくりしちゃうもん!仕方ないよ」
「そうは言っても…紬だって学年トップレベルで強いだろ」
「だって小さい頃から太陽とバトルしてきたんだよ、強くならない方がおかしいって!」
彼女、言乃葉紬とは長い付き合いである。転生したての頃、周りの子どもと上手く付き合えず、1人でぼーっとブランコで揺れてた時に声をかけてくれたのが彼女だった。そんな彼女の第一声がこれだ。
「ヒストリアやろー!」
ゲームバカここに極まれりといった感じである。当時の僕はこの世界を普通の世界だと思っていた。だからきっと特典は優れた頭脳だとか運動神経だとかそういったものだと。
そしてヒストリアはたまたまこの世界で流行っているカードなのだと勘違いをしていたのだ。
デッキを借り、ルールを教わり、いざ実践となった時、奴が現れたのだ…
『おい、相棒いつまで思い出に浸ってんだ!はやく次のバトルやろうぜ!』
『うるさいよ!今日は授業以外でやる予定はないからね!』
『なんだよ、つまんねぇな』
便宜上もう1人の"ボク"と読んでいる。こいつは恐ろしい事に自我があるのだ。こうして語りかけてくることも多い。基本的には僕に主導権がある為、"ボク''がこの身体を扱えるのはヒストリアをプレイする時だけだ。
それを知らずにバトルした結果、性格が豹変した僕を見て、それに加えてルールを教えたばかりの初心者に敗北した事が合わさり紬は大泣きしてしまった。それからしばらく紬に避けられたのである。
ヒストリアは悪く無いのだけど、ヒストリアに対して忌避感を持つ様になってしまった。その後紬と仲直りしてからはマシになったんだけどね。
「では次は言乃葉さん、森本君こちらにお願いします」
過去に耽っているとどうやら紬の番が来たらしい。
「あ、私の番だ!行ってくるね!」
「うん、いってらっしゃい。頑張ってね」
彼女もこの世界の人達と同じで昔はバニラカードや素の打点が高いカードばかりを入れていた。それではどれだけプレイングが上手くても強さに限界がある。だから彼女にはデッキの提案をしたり、カードの交換をしたりして1つのテーマデッキを組ませた。
同学年なら恐らく負ける事はないであろう。あったとしても相性や運の差の範囲内だと僕は思う。
turn1
言乃葉
メモリー34 手札6
「それじゃあいくよ!私のターン、ドロー!フレグランス・ラベンダーを召喚!ターンを終了するよ!」
「パワー700のカード一枚だけで終了?よほど手札に恵まれなかったんだな」
「ううん、これでいいの。さ、君のターンだよ」
これは狡猾な罠だ。パワーの低い1枚だけと侮ってはいけない。
turn1
森本
メモリー34 手札6
「俺のターン、ドロー!俺は…」
「フレグランス・ラベンダーの効果に気をつけてねー」
【フレグランス・ラベンダー】
水属性 サポーター
パワー700 ブレイク1
自身のフィールドにこのカードしかない時、相手はスペルを使用できず、場に3枚までしかカードを出せない。
瞳を閉じた優しげな女性がゆったりと舞う。良い香りが広がる、ラベンダーの香りだ。ラベンダーの香りには気持ちを落ち着かせる効果、闘争本能や興奮を抑える効果がある。
「何!?ただの雑魚カードではないのか!?なら俺はティラノドラゴン、スピノリザードを召喚!」
【ティラノドラゴン】
火属性 アタッカー
パワー2300 ブレイク1
【スピノリザード】
火属性 ブレイカー
パワー1400 ブレイク3
「ティラノドラゴンでラベンダーに攻撃!」
ティラノドラゴンパワー2300
↓
フレグランス・ラベンダー700
「そこは止めさせてもらうね、スペル蠱惑の香り!」
【蠱惑の香り】
スペル ヘイスト
相手の攻撃宣言時、攻撃カードを対象として発動。相手の攻撃カードを自身の場に移す。
このカード発動時、自身の場に「フレグランス」の名称を持つカードがいなければ、ターン終了時に攻撃カードは相手の場に戻る。
辺りに甘い香りが漂いティラノドラゴンはそれに惑わされてしまった。
「俺のティラノが…!ならスピノリザードでブレイク!」
「それは受けるよ」
スピノリザード ブレイク3
↓
メモリー34→31
「俺はこれでターン終了だ、必ずティラノは取り戻す…」
turn2
言乃葉
メモリー31→30 手札4→5
場2 フレグランス・ラベンダー パワー700
ティラノドラゴン パワー2300
「私のターン、1枚ドロー!フレグランス・アンバー、フレグランス・ローズマリーを召喚!」
【フレグランス・アンバー】
水属性 サポーター
パワー800 ブレイク1
このカードの召喚時、相手の場にあるカード1枚のコントロールを得る。
【フレグランス・ローズマリー】
水属性 ブレイカー
パワー1000 ブレイク1
このカードは自身の場にある相手のカード1枚につきパワーが500上がりブレイクが2上がる。
大人の色気を漂わせるスタイル抜群の妖艶な美女、つり目が特徴的な気の強そうな少女が召喚される。
彼女のデッキは所謂コントロールと呼ばれるデッキだ。相手の動きを何らかの方法で妨害し、思うようなプレイングをさせないデッキ。凶悪な事に彼女のデッキは相手のカードを奪う事に特化したデッキだ。
素のパワーやブレイクは低いが相手から奪ったカードが多いほど強くなる。
「フレグランス・アンバーの効果発動!あなたのスピノリザードを私の場に移すわ!」
「そんな…スピノまで!」
展開するのであればこの様に容易く奪われてしまう。それをケアする方法がなければ厳しい戦いになるだろう。
「更にフレグランス・ローズマリーの効果!私の場にあるあなたのカードは2枚、よってパワーは1000、ブレイクは4上がるわ」
フレグランス・ローズマリー
パワー1000→2000 ブレイク1→5
「ブレイク1ティラノドラゴン、ブレイク1ラベンダー、ブレイク1アンバー、ブレイク5ローズマリー、ブレイク3スピノリザードでブレイク!」
「くそッ!防げるカードはない…」
メモリー34→33→32→31→26
「8枚目、リベンジ発動!大自然の憤怒、パワー2000以下のカードを1枚破壊する!俺が選択するのはスピノリザード!スピノすまない…」
【大自然の憤怒】
スペル リベンジ
フィールドにあるパワー2000以下のカードを1枚破壊する。
煮えたぎる溶岩に呑み込まれスピノリザードは破壊されていった。
「私はこれでターンを終了するよ」
Q.もう1人のボクって? A.ああ!
2話の主人公のカード描写もしないとなぁ… 加筆量が増えた為前後編に分けようと思います。バトルがメインになる会は今後も分けていく予定です。まとめても良いのですが、1話が長すぎるのもどうかなというのと、投稿に時間がかかるからです。
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