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第41話 雑貨屋、デートをする?

 翌日。

 キマとユカは魔王城近辺をぶらついていた。


「うぅ……まだ結構寒いな」


「確かにね。でもこんなに雪が積もってるの始めて見るから、ちょー感動する!」


 大量の雪が、身の丈程まで積もっている。

 一応馬車の通り道と歩道は雪搔きがされているが、それ以外の場所は雪の壁が出来ている。


「あぁ。除雪も大変だろうな」


「でも、こんな状態でも人が歩いてたり店が開いてたりする、ってすごい根性あるよね」


「まぁよく雪の降る地域だからな。根性というより慣れに近いのかもな」


「へー、北海道みたいね」


「ほっかいどう? でっかいどう?」


「ぶっ!」


 ユカは噴き出してしまう。

 そしてすぐに、腹を抱えて笑い出した。


「あはは! ベタなおやじギャクすぎ!」


「むぅ……」


「あはは! しかも何でそんなしかめっ面なの!」


「……何で笑われてるか、全く分からないからだ」


「まぁすごく内輪な話だもんね、ごめんごめん」


 笑いながらも、両手を合わせてユカは謝る。


「……やっぱり謝るんだな」


「そりゃそうじゃん! あたしが悪いんだもん」


「……そうか」


 キマドリウスは複雑な気分だ。

 悪魔故に謝られる事に抵抗があるが、それでも謝られると許してしまいたくなる。

 そうして徐々に、彼としても何が正しいのかが分からなくなってくる。


「なーに難しい顔してんの、キマ」


「いや、何でもない」


「そう。……じゃあ、あそこ行ってみていい?」


「いいぞ」


「いえーい!」


 ユカは喜んだ様子で店の中へと入る。

 キマドリウスはそんなユカを追いかけるようにして店の中へと入った。


 すると彼の目に映るのは、大量の服、服、服。

 そう、ここは服屋だ。


「おぉ~意外と色々あるのね」


「そうなのか? あまりこういう所は来ないから分からないな」


 今のキマドリウスは、仕事でも無いのに何故かスーツ姿だ。

 それだけで服飾にあまり興味が無い事がうかがえる。


 しかしそんなキマドリウスを置き去りに、ユカは一人でショッピングを楽しむ。


「レトロで落ち着いた色味の服が多いね」


「そうなのか?」


「そう……って、この服でかすぎない!?」


 ユカは目の前のコートの、あまりの大きさに驚く。


 その丈の長さは2m程。

 明らかに人間の少女が着るものじゃない。


「あたしがキマを肩車すればちょうどいいのかな?」


「いや、逆だろ」


「もしくはあたしがキマをおんぶして……」


「なんでユカが下になる前提なんだ」


 と、二人が話していると、


「何かお探しでしょうか?」


 店員が話しかけてきた。

 それも、カエルの顔をした店員が。


「……っ!」


 驚くユカ。

 だがコートの時とは違い、今度のは恐怖から来る驚きだ。


 ◇◇◇


「――で、俺が代わりに店員と話して……」


「ストップ!」


 楽しげに語る領主キマを、剣の勇者は制止する。


「どうしたんだ急に」


「流石にそんなどうでもいい話は聞きたくないわよ」


「ひ、酷い!」


 言葉のグレイトソードで彼の心を刺す。

 流石は剣の勇者だ


「はぁ……大事な所だけ要約してくれない?」


「……まぁ別にいいけど、一週間後にまで飛ぶぞ」


「えー、それまで何も無いの?」


「俺の『やりたい事』を探すか、雑貨屋で客の対応をしてるか、そのどっちかだからな」


「うーん……じゃあ店から出た次のシーンから話してちょうだい。それ次第で決めるわ」


「分かった。それから店を出て俺達は――」

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