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ワラベノエンド  作者: 倉 奈ノ佳
三章〜殺人犯の話〜
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#16 被害者の秘密

 そもそも捜査って、どんな手順を踏めばいいんだ?


「えぇと…こんな多い人数で固まっていてもやりづらいですし、分かれましょう。皆さん、お好きな所から調べて下さい。」


凄いな、ジョン。こんな時でも冷静だ。こういう時にヒステリーを起こすと色々大変らしい。冷静な方がずっと良いと思う。俺も見習わないと…。


 各々が捜査しようとしている時に、それは起こった。


「うーん…。」


神久夜さんがむくりと起き上がった。昨日までの血色ではないけれども。あれ、亡くなった筈じゃ…?普通は、死んだら動かない。


「神久夜さん⁉」


「なんか騒がしいんだけど。…というか、皆どうしたの?」


「あ…気付いていませんか。神久夜さん、貴方は亡くなっています。…脈もないですし、肌も冷たいです。貴方の能力、『不死』だと思います。」


「あら、そうなの…。」


神久夜さんはすぐに理解したようだ。でも、自分が既に亡くなっているというのは辛いと思う。


「…あの、とりあえず体洗ってきて下さい。」


「あ、了解ー。血で汚れちゃったし、着替えてくるわ。」


…こういう時、この冷静さが怖いと感じる。まぁ、流石のジョンも予想外だったらしいが。




 神久夜さんがさっぱりさせて戻ってきた。死んでるけど、この人の髪って本当に綺麗だよなぁ。艶があって、サラサラしてそうで。…別に、髪に拘りを持ったりはしないけれども。


「神久夜さん、髪綺麗なのね。」


「そう?特別に何かやっているわけじゃないのだけれど。」


「でもサラサラじゃないですか。羨ましいです…。」


女子達は髪の話で盛り上がっている。いや、探索しないか?


「あ、そろそろ私は他の部屋行くわね。」


「私もそっち行きます…。」


「オレも行こうかな。」


「あ、私も行きますね。」


アン達が退室した。そういえば、ジョンと別行動ってあまりなかったな。この部屋に残っているのは、俺とジャック、ヘンゼルとおとぎさん…そして神久夜さんだ。


「そういえばお腹の辺りが特に汚れていたのだけれど…ちょっと見てくれる?」


うわぁ、内蔵まで刺さってたのか…。


「…あれ、この血変よ?血液成分を調べる道具ってあるかしら?」


え、何それ。あっても俺達扱えるのか?


「あ、これがそうらしいですよ。僕調べますね。」


いやあるんかい。しかもヘンゼルって俺と同い年だよな?俺がそう考えている間にヘンゼルは調べている。そして、彼の表情が変わった。


「…え?」


「どうした?」


「…毒素が含まれています。」


「あの、“どくそ”って何ですか?」


「要するに毒だよ。毒は分かるよね?」


「ど、毒⁉」


なんで血に毒が…何処から血管に入ったんだろうか…。


「…僕、別の所探索してきます。」


ヘンゼルも退室した。


「他にここで調べられそうな物は…。」


「死亡時刻…は、本人に聞けば良いわよね。何時頃かしら?」


「いや、時間見てなかったから知らないわよ?でも時計はポケットに入れていた筈…あら、ないわ。部屋にこもっていたから、すぐ見つかる筈だけど…。」


「時計…なんで?動いているだろうから、証拠には…。」


「いいえ、襲われている途中で座り込んでしまって、その時に踏んで壊れたの。その時ポケットから出たかもしれないけれど、あれは証拠になる筈よ。」


「どんなデザインなんだ?」


「えぇと…月をモチーフにした、金と紫が混ざった感じの配色の物よ。はぁ、あれ気に入っていたのに…。」


「あの、探しましょう!」


 懐中時計ってどのくらいの大きさなんだろうか…手の平サイズか?ポケットに入るくらいだし。普通に落ちているならすぐに見つかる筈だ。でも、見当たらない。物をどかしたりもしたけど、見つからない。壁の時計はまだ動いているので、証拠にはならない。


「あー、ない!」


「こっちもないです…。」


「この部屋にはないのかしら…。」


何処を探しても見つからないようだ。


「…もしかしたら、犯人が持っていったのかもね…。」


えぇ、それじゃあ、死亡推定時刻って使えないじゃん…。まぁ、その時間で止まってるなら証拠になるからな。


「…あれ、注射跡があるわね…」


「あぁこれね。持病があって、毎日注射は打ってるのよ。殺される前、持ってきてたのを打ったの。その後は…覚えてないわね。」


「ちょ、それこそ証拠じゃないですか!ちなみにその注射器って…」


「ほら、ここに…ないわね。」


「違う所に隠したんじゃない?」


「いいえ。今探してたけど、懐中時計も注射器も無かったわよね。」


「あぁ。」


「状況はかなりマズいわね。」


…どちらも見つけなきゃな。もし、証拠隠滅でもされたら…!


 結局、他に得られる情報はなく、部屋を出て他を調べる事にした。

甘蜜です。最近本当寒いですよね。

このシリーズ、更新が久しぶりの気がします。もっと本文を長くしようとしましたが無理でした。なのでこの長さで投稿です。まぁ、いつも短めですが。

また暫く投稿出来ないと思います。テストが近いのと、次話全く書けていないのです。ご了承下さい。

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