【番外編】デスゲーム参加者のクリスマス
【注意】
この作品はパラレルワールドでの話となっております。二章までに脱落した三人も登場し、全13人のキャラが出てきます。脱落組強い。
とある日、今日は何だかうきうきしている。まぁ、今日は12月25日だからな。デスゲーム中とはいえど、今日は別。そもそも、誰も死んでいないのが不思議だ。
「皆さん、おはようございます。今日はクリスマス当日です、デスゲームの事は忘れて楽しみましょう。」
よっしゃあ!…まぁ、国籍バラバラだから、カルチャーショックはあるだろうけど。
「ところで、本編で死んでいる筈の三人がいるのは…。」
「パラレルワールドだからですよ。」
うわ、メタっ!まぁ、モーテンさんとかすぐ脱落しちゃったからな、出番とかの問題も少しは良くなるだろうな。…あ、そうするとジョンとは初対面だから自己紹介が…。
「それは大丈夫ですよ。私は心を読みましたので。」
「私はモーテンさんの能力を借りましたの。」
「僕は地獄耳で聞いたんだ。まぁ、皆予め知ってたって訳だ。」
成程…この人達、強い!何で二人はすぐ脱落したんだろう。
「ところで…僕達は国籍がバラバラだけど、どこの国のに合わせるんだ?」
あ、確かに。俺とかは日本人だけど、ジョンはドイツ出身だし、他にも外国人はいる。どこに合わせるんだ?
「とりあえず、それぞれクリスマス料理を作りましょう。この中にいるのは、日本人、ドイツ人、イギリス人、アイルランド人、デンマーク人です。」
「「「「「「「「「「「「はーい!」」」」」」」」」」」」
「あ…僕の母国アイルランドでは、クリスマスは女性の安息日とも呼ばれるんだ。女子は休んで構わないけれど、男子は絶対に手伝うこと。そうしないと悪事に見舞われるって言い伝えがあるからね。じゃあ、ご馳走作ろうか。」
モーテンさんは男性陣全員を見渡して、にっこりとそう言った。意外に怖いな、この人…いや、 アイルランドの言い伝えがか。
最初はジョンが仕切ると思ったけど、そうでもなかった。 実際に料理を作るのはジョンが仕切っていたけど、文化的な面からあれこれ指示を出したのはモーテンさん。
「クリスマスプディングは、我が家のはこんな感じかな。ジョン、そっちはどう?」
「鴨のローストはそろそろ出来そうです。胡桃もトッピングしますね。」
男子八人は、各々で料理等を作っている。一茶とジャックは組んでいるが、あとは一人で作っている。ちなみに、俺が作っているのはポトフだ。料理は苦手だから、もう何箇所か切り傷を作ってしまった。やっぱり、ジョンやモーテンさんの料理は凄く美味しそうだ。
「飲み物担当って、確かヘンゼルよね?何を出すの?」
「未成年はココア、大人はホットワインです。」
「お酒か…チャーリー、僕一緒に飲もうと思ってたんだ。どうかい?」
「お、奇遇だね。オレも同じ事考えてたんだ。」
「…あ、私は成人していますがお酒は弱いもので…。ワラベさんは?」
「私、未成年です。」
「じゃあ、ワインは三人分、ココアは十人分ですね。」
「あれ、チャーリーさんが作っているのって…。」
「あぁこれ?エーブルスキワだよ。まぁ、使っているのはたこ焼き器っていう物だから、ちょっと違うけどね。」
「エーブルスキワですか…久しぶりです!地元の料理ですが食べられていなくて…。」
「え、スーザンもデンマーク出身?」
「はい!嬉しいです、大好きなので。」
凄く微笑ましい光景だ。
「はいそこ、手止めない。」
「すみません!」
ご馳走を全て作り終え、いよいよ食事だ。
「それでは…メリークリスマス!」
「「「「「「「「「「「「メリークリスマス!」」」」」」」」」」」」
取り敢えず、乾杯をした。このココア、温度も程よい感じだ。
「…そういえば、デザート系が多めね。」
あ、確かに。
「いいじゃないですか。これとかオススメですよ、エーブルスキワというお菓子です。」
「どれ…ん、甘くてふわふわしてるわね!」
「本当、美味しいわねぇ。」
「まぁ、たこ焼き器にパンケーキ生地を入れただけだけどね。簡単だし、作りやすいよ。オレやスーザンの出身国の料理なんだ。」
「そうなのですね。…あら、この鴨肉、上品な味で美味しいですわ。」
「はい、ジューシーで美味しいです!ジョンさん、本当に凄いですね!」
「いえ、小河家に仕えていた時は毎年作りましたので。慣れですよ。」
「えー、こんな美味しいの小さい頃から食べてるって、桃太贅沢じゃない?」
あの、クリスマスに鴨肉を食べるの、普通だと思ってました。
「このサラダってジャックくん達が作ったんだよね?新鮮で美味しいよ。」
「ありがとうございます!ついさっき作った野菜なんですよー。」
「野菜切ったりとかは僕がやったけどね。」
「あの、ポトフ冷めるから早く飲んでくれ。」
「あーはいはい。…あれ、味なくない?」
「本当ね、野菜も切れていないし。誰作ったんだっけ?」
「俺、です…。」
「…桃太に料理をさせちゃ駄目ね。不味いわ。」
すみませんでしたぁっ!…あー、食材は一茶に切ってもらうべきだったな…。
「まぁ、愚痴はその辺にして…クリスマスプディング、食べますか?」
「「「「「「「「「「「「はーい!」」」」」」」」」」」」
うん、クリスマスプディングも美味しい。やっぱり経験値って大事だな。
ご馳走も沢山食べ、皆楽しんでいた。あと一日でもこう過ごしたいと、洗い物しながら思った。
甘蜜です。今日はクリスマス当日ですよ!
昨日に引き続き、クリスマス記念その二です。今回は真面目に書いたつもりです。つもりですが。今回は各国のクリスマスについて調べるのに手惑いました。
次回からは三章に入ります。